2025年2月11日火曜日

3Dプリンタ その47(電気鉛筆削りの削り屑ケース製作)

修理ってのは、何故か、集中してくるんですよね~
今回は、3Dプリンタに活躍してもらいました(^^)

幻のブランド「National」の電気鉛筆削り
今どきの充電式ではなく、AC100V直挿しであります!
シールからして年期を感じさせます(^^)
どうやら、初代神様ではなく、デンデらしいです。

実は、全然問題なく動作してバッチリ削れるのですが
ある日、依頼主Cさんが
燃えないゴミの分別袋に入れられているのを発見( ゚Д゚)
救出するも「削り屑ケース」だけ無くなっていたので
ご息女のL嬢に尋ねると
「もう使ってないと思って、昨日、燃えるゴミの分別袋で捨てた」(゚Д゚;)
発見が1日早ければ助かったのですが・・・時すでに遅し(+_+)
まだまだ、色鉛筆とかで活躍するものなのですがね~
本体は、「燃えないゴミ」に分類され、
回収日は、まだ先だったので
辛うじて廃棄は免れたのでした。

しかし、完全動作してても
「削り屑ケース」なしで屑ると、その掃除が大変なことになります。
修理とは、ちと異なりますが
「削り屑ケース」を作って欲しいというご依頼であります。
さて、裏側はこれ

裏の銘板は、成形で刻印されています。
ナショナル電気えんぴつケズリ
鉛筆じゃなくて、鉛FREEですね~(^^)
品番は「MODEL NO. KP-S2

温度ヒューズ 110℃ 付いてますね~(^^)
販売店に持って行けば、交換してくれるらしい
後の方のショットでその理由が分かります。

前置きが長くなりましたが、
もはや削り屑ケースの実物はもちろん、図面もないので、
形状が分かりません。
かなり古いし、本体ならともかく
引き出しになってるケースの写真は、なかなか見つからず
参考になりそうなのは、ネットで見つけた5点のみ(~_~)

全体形状は、これでほぼ掴めますが
後ろは、ちょっと底が上がって、前は、ちょっと下がってます。
削り屑を残さず捉えようとする長年のノウハウの蓄積かな?
なかなか複雑そうです。

前面の下がっている部分の形状や
引っ掛けの爪の形が、少し分かります。

手前の部分の様子が良く分かるショットです。

真上からの形状
赤丸部の小さな突起が気になります。
せめてこの横幅の寸法だけでも知りた~い
本体を測定しても左右のクリアランスまでは、解からんからですね~

そのケースの突起
緑枠の中央の突起に引っ掛かると思ったら
これは、ケースを引いた時に上側にズレないようにするガードでした。

拡大すると
突起の左に窪みが見えてきました。
削り屑ケースの突起がこの穴にカチッっと入るんですね。
後の採寸の時、現物を確認したら、凹みではなく凸みでした(^^ゞ
汚れが爪の陰の様に見えて錯覚するんです~

凡その構造が分かったので
採寸していきます。
後ろの3本のネジを外して、分解します。

大きなギアがでてきました!

真上から

温度ヒューズです。
簡単に交換できるようになってるってことは
切れることが多かったのかな~

本体の前面外殻を中心に採寸していきます。

特に、この傾斜が測り難い~(>_<)

ここの深さもなかなか大変で
こんな苦肉の策もして測っております(>_<)

やっと、マーティー式図面ができました!(^^)

中心部分の断面からソリッドモデル化していこうかと

上のスケッチを左右に引き伸ばして

3Dモデルの原型ができたので

ちまちま弄って3Dモデルがほぼ完成です。

上のだったら一発でプリントできるのですが
透明アクリルの前面パネルを嵌め込みたいので
プリントし易いように、2つに分解します。

色付きで合体したモデル

モデルの3Dビューを動画で

各アングルからのショットを!
正面から
実際は、透明だけど、見えないので、色付き半透明にしてます。

前面パネルなし
(こっちの方が透明の時のビューに近いけど)
正面から

真上から

右サイド

左サイド

下方から

真後ろから

後方から

底面

よろしいようなので
3Dプリンタでプリントするソフトで読み込める形式に
エクスポートします。


ダイヤログボックスでSTLを選んで~
「USDファイル(*.usdz)」が新しくできてますね~
久々なので、知らないのは、マーティーだけ?(^^ゞ
前面パネル枠もエクスポートします。

STLファイルに変換したものを
3Dプリンタで造形できるように
スライサ Cura Ver.3.5.1に読み込みます。

昔作ってた設定が残っているので、それを使います。
高速モードの設定もありますが
3年以上ぶりで、脱調するといけないので
プリント速度は、低速モード(^^ゞ

後部が
出窓の様に飛び出しているので

「Support」にチェック入れて
[Prepare]ボタンを押すとスライスされます。

スライス後のモデルです。
水色は、サポートです。
右側の説明は、

これです。
高さ0.2mmで水平に輪切りにするので
トータル174層になっています。

下から0.2mmずつ積み上げていく様子を
シミュレーションで

後部のサポート(水色)は、いいとして
Supportつける角度:50度以上にしているのですが
左の方にも細長いのができていますが、不要なので

そこだけ、サポートブロッカーで
サポートができないようにします。

こちら側も

サポートは、後部の下(水色の)だけで
前方側面の縦長のサポートは、生成されなくなりました。
右側の説明は、

予想時間:3時間36分!
「6.95m/21g」は、使用するフィラメントの量
「51.81¥」は、フィラメント1Kgの価格を入力していると
材料費として計算されます。
[Save to File]で
スライスされたGcodeファイルとして保存されます。

設定項目がとても多く、意味不明の所も多いですが
一応、全て記録しておきます。
<Quality>

<Shell>

<Infill>

<Material>

<Speed>

<Travel>

<Cooling>

<Support>

<Build Plats Adhesive、他>

ちなみに、高速のこの設定だと
2時間4分なのですが
今は、自信ないので(^^ゞ

7分23秒と、長い動画ですが
プリントしていく様子を
Cura Ver.3.5.1のシミュレーションで!
1、2、12、29、155、169~174層だけ
途中は、飛ばしています。
実際には、こんな調子で1層0.2mmのを
174層積み上げるので、とても時間かかるのです。

同様に前面パネル枠の方も
スライスして、Gcodeファイルを作っておきます。
こっちは、81層

バックケースより低い81層なので、所要予想時間:45分!
使用するフィラメントの量は、「1.46m/4g」
材料費たったの「¥10.90」であります(^^)

まずは、3Dプリンタにフィラメントをセットします。
一番最初に買ったGeeetech製のPLA Whiteです。

長く冬眠させてたので
フィラメントが劣化してないか最も心配な所です(;´Д`)
一緒に入れてた靴用のドライペットが、
湿気を吸って少々ジェル状になってます。
たぶん、大丈夫だと思うのですが・・・

フィラメントを自作の簡易フォルダーに装填!
ちょっと前
で修理して、5年弱ぶりのプリントです(^^ゞ
ちゃんとプリントしてくれるか、ちと心配ではありますが

Repetier-Host Ver.2.3.2を起動して
USBで3Dプリンタと接続します。
ノズルの温度が200℃になったので
フィラメントを挿入して、10mm送りを数回

ノズルからニョキニョキ出てきました。
第一段階、ひと安心です(^^)

拡大!
泡状の物も出てないので
湿気は吸ってなさそうです(^^)

先に、時間の短い方の前面パネル枠から
Curaからもプリントできるのですが
マーティーの好みで
Repetier-Host Ver.2.3.2に読み込みます。

ノズル:200℃
ベッド:70℃
になったので、プリント開始!
予想時間:44分 になっています。

快調な滑り出し
なかなかキレイなファーストレイヤー(1層目)です!(^^)!
白いドーナツは、レイヤーファン
ノズルから出たら急激に冷やして固まらせる為です。
1層目では、停止しています。

3層目(だと思う)を動画で
レイヤーファン 20%

5層目辺りも動画で
久々に見ると楽しいので、動画も沢山撮ってます(^^)

10層目辺り
レイヤーファン 100%

やや全景の動画も

20層目辺り、右横から
これは、静止ショットです(^^ゞ

6割ほど終わったところ
光の反射具合から表面の荒れはなさそうで
なかなか調子よく進んでいます。

終了!

右側面に微妙な段差がありますが
マーティーの中では、かなりいい出来であります(*^^)v

いいです~
ベッドの温度が下がるまで外せないので
しばし眺めております。

50℃まで下がったので
外せるでしょう。

冷えると、ポロっと外れます。

本体に挿入!
微妙に小さい感じですが、なかなか良さそうです(^^)

このサイドもいいです(^^)

下側は
あちゃ~
緑丸部、R入れるの忘れてました~(^^ゞ

これで削ります。

まあ、こんなもんでしょう(^^)

赤枠部のサポートを取り去って
後部のケース部分と嵌合させる時に調整が必要でしょうが
ひとまず、完成かな?

続いて、後部ケースをプリントします。

3時間40分コースです(>_<)

これも、快調なスタートの1層目であります(^^)

造形に影響が出るほどではないですが
この波の様な縞々は何だろう?
時間か面積が一定の割合で出ているようです。

2層目です。
対角線にプリントする向きが1層目と変わりますが
あの波の様な縞々は、同じように出ています。

2層目の時点で、残り時間:3時間30分か~(>_<)

ノズル温度もベッド温度も安定しています。
前面パネル枠の時からプリント速度を上げれそうだったので
2層目から120%に速度アップします。

30分ほど短縮されて
残り時間:2時間53分

6層目をプリント中
1~4層までベタ塗りで、
5~6層は、Infill:20%にしてるので
中は、ぎっしり埋めるのではなく、この様に巣状になってます。

7層目をプリント中
7~10層が、またベタ埋めになり
ケースの底になります。

本来なら最後まで放置してていいのですが
安めのフィラメントでして~
弱めの絡まりなら自力で引っ張って解けてるのですが
たま~に、強く絡まってることがあり
手で解いてやらないといけないのです(>_<)
妙な音がした時は、すぐに絡みを解かないといけないので
この場を長く離れられないのです(~_~)
まあ、じ~っと視てる訳ではないので、他の作業はしてますが・・・

40層目辺り
だいぶ、それらしい形になってきました(^^)

残り時間:16分くらい、もうすぐです。

全景です(^^)
フューム(フィラメントの蒸気)をできるだけ吸わないようマスクして
左の部屋にある「焼肉排煙システム2号」の弱で換気しています。

終わりました!
実際にかかった時間は、表示されません。

ベッドの温度が下がらないと外せないので
しばし、でき具合を眺めながら待ちます。

撮影の合焦点が右端になってますが
なかなか良さそうです。

横から
Y軸(前後)のズレが心配でしたが
かなりいい出来だと思います!(^^)!

反射の横筋がキレイです。
ん~ん、久々にしては、なかなかです!(^^)!

薄紫と被ってますが、緑っぽい色のがベッド温度です。
ベッド温度が50℃ほどに下がると

まるで置いてただけの様に
ポロっと取れます。
ベッドは、オリジナルのものから
3mm厚のFR4(ガラエポ)に交換しています。

裏返してサポートを取り除きます。

スルッとは取れませんので
カッターナイフでコネコネして

後は、ヤスリで整えて、終わり
よく写ってないですが、あまりキレイじゃないです(>_<)

先にプリントしてた前面パネル枠とご対面であります(^^)

ここにきて、ようやく気付くのでありますが
クリアランスを取るの忘れてました~(^^ゞ
やや複雑な嵌合にしておりまして~
クリアランスゼロでは、嵌るわけもなく
30分ほど、ヤスリと格闘するのでありました(>_<)

まあ、図面上は、ゼロ嵌合で合体しているので
削ってクリアランスとれば、嵌るのであります(^^)

裏側

上出来のようなので(^^)
さ~て、電気鉛筆削り本体に入れてみましょう!

少し左右のクリアランスを取り過ぎたかなという程度で
良さそうです!(^^)!

横から
斜めの所、ピッタシではないですが
まあ、許容範囲でしょう!
まだ、後ろのモーター部分を付けてないのですが

後ろのモーター部分を付けると
あれっ?

拡大
ケースが飛び出してきました。
やや斜めに入れたりしてもダメです(>_<)
どこかの出っ張りを見落としたのか?

奥の方、どこも当ってなさそうなんですがね~

どこが当ってるか判らないので
この朱肉を

モーター部の嵌る周りに塗って~

ケースを入れて当ててみますが
あまり付かない(@_@)

後ろ側から見ると
水色線までモーターブロックが来るのですが
緑丸の所、ケースが微妙に飛び出しています。
ただ、前側の飛び出し量に比べると少ないんです(@_@)

ちょっと削ってみます。
下の方の赤丸部を1mm近く削り
それから上の方も削りましたが
ほとんど改善しません(;´Д`)

色々診ていると
どうやら採寸をミスってたようで
本体が1mmほど長すぎたことが判明(^^ゞ
Fusion360でモデルを開いて~
適当な所を1mm幅でカットして

1mm幅の部分を除外して

前部分を1mm移動して合体すれば、完成です。
最初のと同様に、STLでエクスポートして
CuraでスライスしてGcodeファイルを生成しておきます。

ここも当たってそうなので
ちと薄目にしておきます。

ケースを閉じた時に引っ掛かる突起
ちと甘かったので、ちょっとだけ飛び出しを増やしておきます。

嵌合部分(青塗部)のクリアランスも取るために
面を0.1mmほど下げました。
明日の朝一からプリントしよっと!(-_-)zzz

翌朝、
昨晩のGcodeファイルをCura Ver.3.5.1に読み込んで~
いざ、プリントスタート!

あれっ?!
初めてみるエラーが(;´Д`)
「Error: MINTEMP triggered, system stopped!
   Heater_ID: bed」
えっ!もしや、ベッドの温度センサーが死んだのか?!(;´Д`)

3DプリンタのLCDパネルを見ると
どうやら、ベッドの温度が低すぎるようです。
「MINTEMP」TEMPoraryがMINimumと思いきや
MINimum TEMPratureでした~(^^ゞ
「LOWTEMP」とかにしてくれれば、すぐ気づいたのに~(;´Д`)

部屋の温度計を見ると
7℃(゚Д゚;)
今朝は特に冷え込んで、水道や井戸の水栓が凍結してそうな寒さ!
さっきエアコン始動したばっかしですからね~

エラーが出てたRepetier-Host Ver.2.3.2を見直すと
ベッド温度:4.45℃(゚Д゚;)
何℃だったら大丈夫なのかわかりませんが
しばし待ちます(~_~)

マーティーは、しっかり防寒具を着て、帽子も被っておりますので(^^ゞ
しばし、3Dプリンタの回りを眺めてると
ありゃ~ フィラメントが折れています(>_<)
どうも夜中は、0℃以下になってたのかも?
フィラメント、低温だと簡単に折れるんですね(>_<)
今、リールのフィラメント触ったらバラバラに折れそうだ~
部屋が温まるまで、どこも弄らずにじっと待つことにします。

37分経過
室温が上がって、ベッド温度も上がってきました。

ベッド温度:16.25℃
プリントできるでしょう!

まずは、ノズルだけ200℃にして
折れたフィラメントを引き抜きます。

おっと!中も折れてました!
たぶん、エクストルーダーのギアで噛んでる所でしょう。
いや~低温時の稼働は怖いですね~
いい教訓になりました。

フィラメントを挿入して~
ベッド温度も70℃になったので、プリント開始です。
もう50分も経ってます(>_<)

開始から約1時間後
やっと、1層目です。

なんだか、表面がちと汚いですね~(>_<)
まあ、浮いてはいない様子なので、このまま進めます。

室温:15℃

後部のサポートの所が浮いてます。
ん~ん、室温が低いので、ベッドへの定着が弱いかな~
少しだけズレてるだけなので
まあ、サポートの役目は果たしてくれるでしょう
ので、このまま進めます。

正面から
右側も少し浮いてるな~
これ以上浮かずに進んでくれればいいのだが

ちと心配なので
ベッド温度を70℃ ⇒ 75℃にセットします。
5℃上がるのに2分ほどかかるかな~

後の所、ギリギリサポートに乗ってくれたので
ひと安心であります(^^)

その後、何とかズレ・浮きは悪化せず、ここまできました!
もうちょっとだ~頑張ってくれ~っ!

部屋が温まってからですが
フューム(フィラメントの蒸気)を吸わないようマスクして
今回は「焼肉排煙システム2号」の吸込口の近くで
ファン弱で換気しています。

終わりました!
できはどうかな~?

ベッド温度が50℃以下に下がるまで、しばし眺めますが
下の微妙な浮きだけで、暴れは無いようで
側面は、なかなか良さそうです(^^)
今回は、気温が低いだけにヒヤヒヤのプリントです(+_+)
ベッドを100℃にしないといけないABSなんかやってたら
確実に失敗だったでしょう。

安心して、別室でコーヒー飲んで戻ったら
ベッド温度 35℃になってました。

ポロっと外れます。

後のサポートの所もどうにか大丈夫です。
赤丸部は、サポートブロックしてるのに
ちょっとだけ髭の様なのができます。
まあ、指で簡単に取れるので問題ないのですが・・・

後ろのサポートは、カッターナイフで取り去りますが
ズレてたお陰で、最初のより簡単にできました。
サポートは、もっと少なくていいのですが
Curaの設定をなかなか弄れなくて(^^ゞ

横筋が一定ではないですね~
執筆中に気づいたので

最初にプリントしたやつを観ると
撮影条件が異なるし
色塗りテストした後なので、赤が透けておりますが
横筋が、上のより均一に見えます。

底の方は、筋は、一見キレイですが、光沢がありません。
ベッドへの密着が悪かった証拠ですね。
四隅の角に筋がないのは、浮いてたからです。
危ないとこでした~(>_<)

最初にプリントしたやつは、これ
斜めの筋はともかく、ベッドに密着してた感がよくわかります。
これも右の上下の角は、少し浮いてた跡が判ります。
反射光沢が妙なのは、天井灯が4つのリング灯だからです。

サイドは、キレイです。
まあ、使用に支障なさそうな出来なのでいいでしょう(^^)

今度は、嵌合部にクリアランス取ったので
一部を少し削っただけで、前面パネル枠と合体できました!(^^)!

後方から

本体に入れます。

ちょっと傾斜つけ過ぎたかな~
ここの傾斜角度は、とても測り難いのであります(^^ゞ

そう真横から見ることはないでしょうから
少し向きを変えると、目立たなくなるし~
良しとしましょうかね(^^)

裏側
いいんじゃないでしょうか(^^)

では、前面パネルを作ります。
横幅の設計は、57.60mm

プリント品の実測:57.4mm
X軸:99.6%

縦幅の設計は、30.985mm

プリント品の実測:30.7mm
Y軸:99.1%

前面パネルには、関係ないけど、
Z軸は、ケースの後ろの方で
設計:31.50mm

31.9mm
Z軸:101.3%
まあ、アクリル筐体の3Dプリンタですからね~
組み立てた時に調整しただけなので
そろそろ調整しといた方がいいかな~

透明の前面パネルを作ります。
この3mm厚の透明アクリル板の切れ端から取れそうです。
捨ててなくてよかった(^^)

前面パネル枠が 57.4 x 30.7mmなので
前面パネルは、全辺にクリアランス0.1mm取って
57.2 x 30.5mmにします。
線を引いてみると~
赤枠の部分から余裕で切り出せます(*^^)v

モデルは、単純な直方体なのですが
Fusion360のCAMを使いたいので(^^ゞ
切削原点を左角の上に設定します。

周りをカットするだけなので
「2D輪郭」で

手持ちのエンドミルは、
整理しております(^^)

エンドミルの一般的な形状です。
手持ちのSHK(シャンク径)は、全て1/8inch(3.175mm)で
NCK:ネック長は、その深さまで掘れることになります。

プラスチック用の溶着し難いタイプを使います。
カットなので、最も細い 先端径 0.8mmを!
NCKが5mmなので
3mm厚のアクリル板を底まで切削できます。
<スパイラル・タイプ>
先端タイプFlatBall
Flute1242
先端径 [mm] 2.0  0.8  2.0  3.175 3.175 3.175  2.5  3.175 
OVL4038503840
NCK [mm]125122840281430
BRANDHUHAOSYLIFE?HUHAO

ちなみに、2つの異なるミルタイプがあって
先端はどちらも、2-flute(2枚刃)で
左:スパイラル・タイプ
右:Fishtail-Type(トウモロコシタイプ)
なぜか、英語では「Fishtail」=「魚の尻尾」ですが
日本語では「トウモロコシ」と呼ばれます。
アクリルは、切削の熱で溶着し易いので、左のを使います。

基本的な切削条件は、
この時に頑張って作った表 を使っています。

設定表:<PVC・アクリル・ABS・PE(ポリエチレン)>
 エンドミルタイプ:スパイラル・タイプ(Flute:1or2)必須
D[mm]0.60.81.01.21.52.02.5 3.175
 切削送り速度 
Vf
[mm/min] 
 2000rpm PVC 100 130 160 180 200 230 240240
 3000rpm アクリル
ABS
150190230270300340360360
 4000rpm PE190260310350410460480480
深さ[mm] 0.3 0.4 0.4 0.5 0.6 0.6 0.70.7

0.8mmのでアクリルを切削するので
  Spindle:3000rpm、Feed:190 ⇒ 210mm/min
にちょっと上げて・・・3で割切れて計算し易いように(^^ゞ
  ランプ送り速度:3/2の140 mm/min
  切り込み速度:1/3の 70mm/min
に設定します。

「2D輪郭」の最初の設定で
Fusion360のMyToolsに登録している
0.8mmのエンドミルを選択して~

「主軸回転速度」は、3000rpmにするのですが
マーティーのCNC2418では、
300にすると、Gcode S300になって、3000rpmになります。

ここは、切削する最下部を選択して
「タブ」にチェック入れますが、タブの数が多過ぎるので

「タブ」とは、これです。
全周を底まで切削する場合は、必須ですね。
プラモデルの枠(ランナー)に繋がってる枝と同じ理由です。

「タブの位置決め」を「タブの数」にして
「輪郭ごとのタブ」10 にします。

短辺:2個、長辺:3個 で十分でしょう。

底までちゃんと切削できるように
厚み3mmより、0.2mm深く掘る設定に
「ボトム高さ」を「トップ高さ」より 0.2mm深くして
3.2mmにします。
他は、マーティーのいつもの設定です。

こんな感じです。

先の表に従って
「最大粗取り切込みピッチ」0.4mm
「均等切込みピッチを使用」にチェック入れます。
3mmの厚みを一気に切削できないので
0.4mmずつ掘っていく設定です。

ここは、
「進入」「退出」のチェックを外すだけ。

シミュレーション!
ちゃんとタブができてます(^^)

予想所要時間:7分2秒

「ポスト処理」して
Gcodeファイルを生成して~
明日に備えて、早く寝ますか(^^ゞ

・・・
翌朝、とても寒く
室温 6℃であります(+_+)
すぐにエアコン暖房入れます。

アクリル板より0.2mm深く掘るので
アルミのステージが削られないように
下にベニヤ板を敷いてセットします。
左のは、7年以上前に作ったサイクロン集塵機、
ホースは、融通が利く手持ちです(^^ゞ

GRBL SenderのCandle(改造版のzCandle v.1.1.8.2)に
Gcodeファイルを読み込みます。

原点部分を拡大
3.2mmの深さを0.4ずつ掘っていくので
ちょうど8周です。

スパイラルタイプのエンドミルのセット
左3つが、0.8mmです。

原点を調整します。
これは、横からのショットで
前後方向のY軸の原点は、この辺でいいでしょう!

これは、前から
左右方向のX軸の原点も、この辺でよしと!

XY軸を原点位置にスタンバったので
最後にZ軸の原点を調整します。
挟んだ新聞紙をゴソゴソ動かしながら
0.1mmずつ下げていって
新聞紙が動かなくなった所で

この時に作った右のマーティー特製ボタンボックスの
RESETボタン(右上の赤ボタン)を押して

「Work coodinates」も「Machine coodinates」も
全て0.000にします。
下にWorkだけRESETできるボタンがありますが
好みじゃなくて(^^ゞ
リミットスイッチも付けてないので(^^)

切削開始!
このアクリル板の切削は、初めてですが
ちと溶着気味ですね~

これは、昔、別のアクリル板の時
Φ2、3500rpm、深さ0.5mmで
溶着してない切削屑です。
今回は、径も小さく、回転数も低い条件なのですが・・・

アクリル板の製法に
「押出製法」と「キャスト製法」があるので
今回のは、熱に弱い方の「押出製法」で
昔のは、「キャスト製法」だったのかと勝手に納得してたけど
出所:www.order-glass.com

執筆中に調べて判ったのですが
「アクリル樹脂」は、
「アクリル酸エステル」または「メタクリル酸エステル」
を重合した高分子化合物を指すとのこと。
今回と同じもので切れ端じゃないやつの保護シートに
「メタクリル樹脂板」と書いてありました。
アクリル樹脂の意味は広義で、アクリル系ポリマー全体を指すこともあれば、
一般にメタクリル樹脂を意味することもあるそうなんですね。
その差によるものかもしれないし
結局の所、溶着については、
「押出製法」と「キャスト製法」の差かもしれませんが(@_@)

溶着してない時は、粉状になって飛び散るのですが
ギリギリの溶着で、エンドミルに固着してないし
アルミのドリリングの切削屑みたいで
飛び散らなくてちょうどいいかな(^^ゞ

1周、1分ほどなので、もう残り2周半だ~

タブができる辺りから終了までを動画で!
3Dプリンタは、ジワジワ積み上げて造形
このCNCは、ジワジワ掘り下げるので対称的ですね。
手前の辺の時、ちょっと上がって、タブにしてるのがよくわかります。
が、部材が僅かに浮いてますね~(>_<)
ギリギリを切削しているので
固定具が1個しか付けれなかったからな~

7分29秒で終了
予想時間は、7分4秒でした。
こんなものでも手作業でカット&調整してたら1時間では済みません。

終了直後の切削屑

屑が、くっついてるとこもありましたが
吸い取りました。

裏側
保護シートが切れてない所もありますが
アクリル板自体は、カットされてます。

下に敷いていたベニヤ板は、
ちゃんと浅く切削されているので
Z軸原点の調整は、完璧だったようです(*^^)v
寧ろ、設定の0.2mmより深いかも?

タブは、カッターナイフで簡単に切り落とせます。
わりと面白いんです(^^)

切り離せました。

保護シートを剥がします。
切削面に切削屑が少しばかり張り付いてますが
指でポロポロ取れます。
タブは、ヤスリで削ります。

できてすぐのサイズ測定を忘れましたが
微妙に大きめだったので、ヤスリで少し削って
ギチギチで入ったので、接着剤は、やめました(^^)
メタクリル樹脂の透明度92%で
ガラスの透明度90%を上回ります。
ストロボ焚くと存在が判りませんね~
よ~く観ると、反射光で左下が少し明るくなってるとこかな。

ストロボなしでは、
あると言われれば、判るって所ですかね~
なかなかいいです(^^)

本体に装着!
テーブルクロスの模様が写り込んでいい感じです(^^)

切削屑の溜まり具合がよく見えそうです。
一時は、全体を白でプリントしようとも思いましたが
アクリル板を嵌め込むことにしてよかった!(^^)!

今回のフィラメントは、PLAの白
赤のフィラメントは、あるにはあるのですが、ABSなのです。
ノズル温度も高いですが、ベッド温度が特に高く
100℃以上に上げないと1層目が反ってしまうのです。
それで「冬にABSをプリントするな」という格言が?(;´Д`)
オリジナルは、ややグレーの透明だったようですが
前面枠だけ本体に近い色で塗ります。

住人Cに赤いマニュキア持ってないか尋ねると、
これ持ってきました(・。・)
さすがに使えないので~

百均セリエで、
分厚く塗れるレジンタイプのもありましたが
普通のマニュキュア
¥110であります(^^ゞ

裏の成分表です。
今どきは「マニュキュア」じゃなくて「ネイルエナメル」と云うのかな?
Diorとの違いが知りたくなりますよね~(^^)

Diorは、箱に載ってました。

パット見、同じような名称もありますが
おっ!
最後の方に「銀」が!
あと、「アーモンド油」!
百均のは「ホホバ種子油」だったから、その差かな~(@_@)

さっさと色塗りましょうかね~(^^ゞ
一応、ポスカも買ってきておりますので(^^)

最初の失敗品に塗って比べてみます。
ポスカの方が塗り易いのですが、艶消しだし
百均のマニュキュアの方が断然近い色ですね~

息を止めて~
どうにか、はみ出さずに塗れた、かな?(^^)
なかなかいい色であります!(^^)!
さすがマニュキュア、乾燥が速いです。

バックケースに嵌め込みます。

アクリルの前面パネルも入れました!

横から
まあ、ケースを挿し込んだ時に見えない所は塗らなくていいでしょう(^^ゞ

正面から

後ろから
あっ!ちとはみ出てるのがバレました(^^ゞ
この後、カッターナイフで削りましたが

斜め後ろから

3Dモデルは、これだったのが

こう出来ました!(^^)!

このデジカメでは、ほぼ色の差が判りませんね~

ちらっと白が見えてますが
この隙間だけ塗ると、ケースを引き出した時にいびつになるし~

このアングル以上に横にはしないだろうから
このままで手を打ちます(^^ゞ

こっちからは、いいですね~(*^^)v

所で、分解した時に見つけたのですが

ギアが欠けている所があったのです。

ここは、最終段でゆっくり回り遠心力が小さいので
欠片の一部がグリスでくっついたままです。
半分は残っているので、動作に支障は出てないのですが
今後の為にも修復してた方がいいので
プリント中や夜に修復していました。

割れてる方のは、前後(写真の上下)に遊びがあるので
右側のギアは、幅が広くなっています。

プライやで持ち上げて~

軸から抜きました。

まずは、グリースを取り除かないと
ビン・カンのゴミ袋から回収してきて~(^^ゞ

一旦、中性洗剤で洗ってから
そのアルミ缶に入れて~

Simple Greenに漬け込みます。

ワイヤーで浮いてこないように押さえて

約2時間後

グリースは、すっかり落とせました。

欠けた所を拡大

今回は、先細のエンドミルを

ミニリュータに付けて空中作業
歯車だけに、まるで歯科医になった気分です(^^ゞ

こんなところでいいでしょう。

詰め物が抜け難いように
写真右下方向にいくほど、広めに削っています。

切削屑を洗浄して
横から

拡大
ほんとに虫歯を削った感じです(^^ゞ

横から

拡大

住人Cというか、その仲間のS嬢、予知能力が凄いようで
もう何年も工房に粘土などなかったのに
先週、小麦粘土を持参してきてたのであります。
立体造形しり取りゲームってのをしたらしいのですが
置いて帰った小麦粉粘土をひとつまみ拝借して

正常な部分の型を取って

欠けた所に移動させます。

目視で確認し易いようにと紫にしたのですが
写真での確認は、明るい色の方が良かったかな~(^^ゞ
これ、数年前にYouTubeで観て、やりたかったんです(*^^)v

「簡易3Dプリンター⁉のような使い方も」と
瞬間接着剤と重曹でのやり方が紹介されています。
それをやろうかと思ってたのですが
アロンアルファ+重曹では、アクリルよりちと弱いらしい情報を得て
この2液性のを使います。
成分が不明ですが、以前、かなり固くなった記憶があります。

上の写真で分かるように
2つのシリンジを同時に出せる構造ですが
初使いなので
黒いのが先に出て、その後に白いのが出始めるもんだから
同じ量になってません。
こんなに沢山必要ないのですが
なかなか止まらず、どんどん出るのです。

白いのに合わせて
黒いのを同量混ぜ合わせます。

爪楊枝でツンツクして奥の方まで入れ込みます。

いいんじゃないでしょうか(^^)

24時間で硬化するということですが
ひとまず、18時間ほどで、型の粘土を取り外しました。

拡大
型に異常は、なさそうです。

更に拡大
山が少し大きめなので削って整えらそうです。
足りないとやり直しになってた所です。

ひっくり返して~
山のつなぎ目が、微妙に凹んでますが
まあ、許容範囲でしょう

横からアップ!

約40時間後
前面パネルを掘り出したアクリル板の尖った角で
横に擦っても傷は、全く付かないのですが
グッと押さえると

少し凹みます(赤丸部)
表面硬度は、アクリルより硬いけど
圧縮硬度は、低いってことですね~
まあ、あまり硬いと欠け易くなるから、いいということに。

では、この精密ヤスリで整えます。

5分ほどで整形終了

拡大

更に拡大

アングル変えて

ちょっと繋ぎ目の凹みが気になりますが
よきかな(^^)

反対から

では、本体に装着します。

ガシッっと嵌め込むだけです。

この商品が出た時代は、シリコングリースは、なかったのかな?
逆に同じようなグリースを持ってないもので

プラだからシリコングリースがいいでしょう。

裏蓋を締めて、修理完了であります\(^o^)/

修理後の初削りは、
ケースを廃棄したL嬢の御手でやってもらいました(*^^)v

中華のおまけについてた鉛筆
日本のとは異なる硬い木を使ってるのか?
やけに削り屑が緻密なのです。

拡大

で、日本の色鉛筆を!
削り屑が透明の前面パネルから見えるのがいいですね~(*^^)v

見慣れた削り屑がでました!(^^)


今回は、久々で珍しく
3DプリンタとCNCの両方が使えてとても楽しかった!(^^)!
最後に、3Dモデルをもう一度!

その造形物も

再生完了した電気えんぴつ削りさん(*^^)v

割れてても実物があれば、かなりの精度で造形できますが
複雑なこの穴だけから正確に採寸する方法が、あるといいのですが・・・
安くやるには、粘土詰めて型取るしかないかな~
しかし~百均の紙粘土は、固まるとかなり縮むし
収縮率の少ない紙粘土は、
3Dプリンタで造形する材料費の10倍近く高価なので
本末転倒になるしな~

ブログをまとめていたら
もう次の修理依頼が入ってきたのであります(゚Д゚;)