2019年1月26日土曜日

CO2レーザー その07(レーザー管ホルダーⅢ)

「レーザー管ホルダー」
Ⅰ:設計編、Ⅱ:プリント編、Ⅲ:組立編
と、3部作になっていまいました^^;

前回「その06」でプリントしまくり全パーツが揃いました!
3Dプリンタが先にあったからこそできたわけです。
こちらは、設計時のFusion360のモデル一式
では、組立本番に行きます。

まずは、本ユニットの要、スライドブロックの上側に
ホントは、100mmボルトが欲しいところですが、売ってなかったので
M4 90mmボルトとワッシャーを通して
内側から、ゆるみ防止ナットでボルトが回るギリギリまで締めます。
このボルトは、回らないといけないのです。
この、ゆるみ防止ナットは、「ナイロンナット」とありますが、
ナット自体は金属で、ゆるみ防止部分にナイロンが使われているのです。
結構、固いです。
スライドブロックの下側
M4ナットを2箇所に入れたら、遊びがないので二重ナット効果で
ボルトが回らなかったので、1個にしました。
仮組の時は、2個でも大丈夫だったのだが...
まあ一個で十分でしょう。
スライドブロック上側につけたボルトに挿入して
後ろ側の+頭でボルトを回してねじ込んでいきます。
いい感じで嵌合しています。
この辺でいいでしょう。
右側の蓋を
はめ込んで
赤枠部の穴にM3ナットを入れて、
M3ボルトで留めます。
裏側
まだノブをつけていないので
左側面からドライバーでボルトを回すと、上部のブロックが左右に動きます。
ホントは、この様にノブを2つ付け、左のノブは、固定用なのですが
90mmのボルトしかなかったので、ノブを2つ付けれないのです。
で、丁度、フランジ付ナットがあったので
これを固定用のノブ代わりにします。
まず、フランジ付きナットを入れて
締めずに僅かに隙間を空けておきます。
外側のノブには、袋ナットを付けます。
この袋ナット。
入れるだけです。
そのノブと、ワッシャー、「ゆるみ止めナット」を用意して
この「ゆるみ止めナット」は、金属の「フリクションリング」というもので
ゆるみ止めの役割をしています。
先程のナイロンタイプより厚みが薄いのでこれにします。
「ゆるみ止めナット」をねじ込んで、
ワッシャー+ノブ+袋ナットをねじ込んでから
「ゆるみ止めナット」を緩める方向に回して、袋ナットとでノブを挟んで
ノブが空回りしないように締め込んで固定します。
これでノブを回すとボルトも回って上側のブロックがスライドします。
時計回しで右へ、反時計回しで左にスライドします。
なかなかいい具合にできました。
これが正規の上下です。
ノブを回す時は、フランジ付きナットをノブ側に軽く固定します。
ノブでの調整が終わったら、フランジ付きナットをスライドブロック側に固定して
回り留めとなります。
2セットできました!
次は、ホルダー
M5 60mmのボルトを
通して、頭を6角穴に入れます。
このUV硬化接着剤 50ml と UV LEDライトで
US$ 8.73(-55%)

ボルトの頭に接着剤を塗ってUVライトを30sec程当てて硬化させます。
反対側にナットを付けてもいいのですが
ナットの厚みの分、移動量が減ってもったいないのです。
まあ、そのままでもレーザー管の自重で外れることはないと思うのですが。
次は、上下方向可動のノブにM5ナットを付けて入れます。
この様にホルダーのM5ボルトをねじ込んでいきます。
所が、ノブの中のM5ナットの遊びで、上下に0.5mm程、動くのです。
ノブのナット用の穴が深過ぎていたのです。
ノブのモデルを修正して再プリントしてもいいのですが
スプリングワッシャーを金敷とハンマーで適当に薄く潰して
ノブの中に入れ、底上げして
ナットが僅かに飛び出るくらいにしました。
左:対策前  右:対策後
M5ボルトでノブの中のナットに遊びがなくなった事を確認します。
上下の遊びもなく、ちょっと固めになったのでバッチシです(^^)
もう少しで上側が完成です。
M5ナット、ノブ、ワッシャーを
回り留め用ノブとして、上に取り付けます。
これで、上側ユニットの完成です!
最後のボトムマウントは、M6ナットを入れて
継手部にM4ナットを差し込んみます。
実際の組み込みは、これを先に筐体に入れて下から
レーザー管を付けた上側ユニットを装着するわけです。
上のボトムマウントは、筐体の下からボルトで留めます。
右のは、オリジナルのM6ボルトですが、今度は、左の羽つきボルトにします。
裏から工具で締め難いのです。
これが、オリジナルのマウント具でした。
上側ユニットとボトムマウントをM4ボルトで固定して、
これが完成形です!
結局、100mmボルトがなかったので、ノブが1個余りました。
完成時の儀式!
しばし酔いしれて写真撮りまくりです。
レーザー管の陰極側(発射口)サイド
家族に見せると、「ミシン?」と言われたのですが(-_-;)
このアングルで遠目で見ると見えないことはないような...
上方から 
陽極側(高圧側)サイド
後ろ側というか、ステージ側になります。
後ろの3D Touchの赤い光で、いい感じを醸し出しています^^;
こりゃ、待受画像ものかな(-_-;)
いよいよレーザー管へ取り付けていきます。
タイラップ(結束バンド)の長いのを、数種類買っております。
白の300mm
黒の300mm
「耐候性」とあったので買ってみました。
材質は、同じ66ナイロンですが「紫外線遮蔽剤入」
逆に66ナイロンだけのホワイトは、紫外線に弱いということになります。
レーザー管には、プラズマが走っているので、紫外線も出てると思います。
こういうのも売ってたので、つい買ってしまいました。
が、幅が広くて入りませんでした(-_-;)
材質:ナイロン66「抗UV剤添加」とあります。
屋外で使う時は、黒にしないといけないんですね。勉強になりました!
で、これも買っております。
1mm厚 幅50mmのゴムシートです。
一応、レーザー管に巻いて、ホルダーとの間のクッション役です。
材質:天然ゴム(NR)
紫外線耐候性あるのだろうか?
あまり追求しても仕方ないし、まあ、レーザー管の寿命の方が短いでしょう。
結局、これを挟むとタイラップは、白でも黒でも関係なくなります(-_-;)
直径50mmのレーザー管に巻くので、
50mm x 3.14 + 10mm ≒ 170mm
と、17cmの長さにカットして
両面テープでホルダーに付けます。
レーザー管に仮装着してみます。
ピッタシいい感じです(^^)
右は、元から巻いてあるクッション材
こだわりのタイラップは、ホワイトでいいっしょ!
欲を言うと、レーザー管を回転させ難いことかな。
ゴムシートが滑り難いから当然ではありますが。
まずは、下側マウントを筐体に取り付けます。
全体は、こんな感じです。
羽つきナットで下から固定します。
が、これだと長すぎて排気口に飛び出して(赤丸部)ダメでした~
結局、元のボルトをボックスレンチで締めることに。
一応、傾きないように、直角っぽいアルミアングルを当てます。
取り付け終わりました。
下側のベースの金具が垂直に立上がってなく、赤矢印の所に隙間があります。
まあ、さほど問題はないでしょう。
発射口側は、隙間が少ないのです。
前後2箇所の取り付け完了!
レーザー管の枯れ果てたクッション材を取り除きます。
カチカチになった外側の白ULテープらしきものをカッターで切って
目印らしき緑テープも剥がします。
クッションゴムがこびりついています。
緑ULテープらしきものも結構固くなっています。
やはり紫外線を浴びてそうなっている感じもします。
シンナーでキレイに拭いておきます。
陽極側もクッションゴムを切って取り除きます。
水冷チューブも固くなっていて、新調するので
ここから切って
残りは、カッターで縦切りして
取り除きます。
残っているチューブは、シリコンなので大丈夫です。
シリコンチューブは、高価なので長い所には使ってないんでしょう。
陽極側のパイプも切って
縦切りして
取り除きます。
ここも残っているチューブは、シリコンなのでそのままで大丈夫です。
元のクッションゴムは、ボロボロとまでいかないけど、かなり劣化しています。
改めて、レーザー管を見ると、ホントにガラス工芸の芸術品です。
しばし見入っています。
つい1ヶ月前まで、螺旋状の所は、水が通るものと思い込んでました。
昨年末に「みら太な日々」師匠に教えていただいたのですが、
レーザー管は、三重管になっていているのです。
中心管をプラズマとレーザーが通り、赤矢印方向に中の気体が流動します。
前を通って青矢印の方向に流れ、螺旋状のガラス管を通って
緑矢印の所から、外側の管に流れていきます。
グルグル巻の管のお蔭で気体の流れる方向を決めているらしいのです。
水冷の水は、中間の層を通るのです。
パット見は、螺旋状の管から水が出てきて、
一番外側を流れそうなのですがそうではないのです。
で、外側の管を流れてきた気体は、陰極側の緑の矢印の細い管に入って
元の中心の管に入っていきます。
こうしてプラズマの熱で中の気体が循環させるわけだそうです。
見れば見るほど、すごい巧妙な構造です。
では、プリントしたホルダーを並べて
陽極側
陰極側
 陽極側に付けてタイラップを軽く絞ります。
陰極側にもホルダーを付けます。
こりゃ~いい感じだ~
筐体に入れます。
ん?ちょっと入りませんね~
一瞬、ちょんぼかとヒヤッとしましたが、
ホルダー上下調整の下げ過ぎでした(-_-;)
上下調整ノブでホルダーを一番上まで上げると入りました。
両方入れました。
陽極側
陰極側(発射口) と第1ミラー
下側マウントと上側ユニットをボルトで結合します。
ちょっと取り付け難いですが、ここは、想定内です。
マウントの取り付けが完了。
タイラップを締めてレーザー管を固定します。
陽極側も
取付作業完了です!
こりゃーいいものができた感じです。
自前で作ってよかった!
また達成感に浸って写真撮りまくり^^;
陽極側から陰極方向
手前が陽極
このアングルもなかなかいいな~
手前のボケがなんともいい感じ...
陰極側を一番下げた所
第1ミラーは、ナット1個分かさ上げしています。
発射口は、ミラー中心よりだいぶ下がっているので、
第1ミラーかさ上げを止めれば、他のミラーも上げなくて済むハズです。
別アングルから
やっぱ3Dプリンタいいですね~
Fusion360モデルで想像してたのより、実物は、ずっといい感じです。
初めてのThingiverse投稿になるかな?
ThingiverseにUPしようとは、思いますが、
一応、STLファイル一式をGoogle Driveのここに入れておくことにします。
***2019.2.9追記
 Thingiverseに初Uloadしました! これです! ***
水冷チューブも交換します。
元のチューブは、折れ曲がっている所(赤丸部)もあります。
近くのホームセンターGoodayで入手した燃料用チューブ 4mです。
今ついているのより、少し高価ですが、寒くてもあまり硬くなりません。
元のと内径は、同じ、ちょっと分厚い感じです。
お店でのカット端面は、よろしくないので
VVFケーブル専用のHOZAN P-957で切ります。
電気工事士実技試験に必須アイテム(もちろん実用でも)です。
このカッター部分は、とても良く切れるのです。
先端をキレイにカットできたので
中性洗剤を先端にちょっと塗って
レーザー管の水冷パイプに奥まで挿入します。
ガラス細工なので力が入り過ぎないようにゆっくりしないといけません。
陽極側も挿入します。
簡単には、抜けないとは思うのですが
念の為、タイラップで抜け留めしておきます。
陽極側もタイラップ処理します。
後部の排気口を装着する時に赤枠の部分が挟まれるので気をつけます。
穴が4つ程あるので、適当な穴から外に出します。
金属の穴からブッシングもなしに、そのまま出すのは、不安が残るので、
ワゴンセールで安く手に入れた
このスパイラルチューブを巻きます。
それでも穴がやや大きいので
更に大きめのスパイラルチューブも巻きます。
これで、大事な水冷チューブが傷つく心配はないと思います。
左側もやろうとすると、あれっ!穴径が小さい?
右の穴より、小さいので、大きいスパイラルチューブは不要でした。
エア用は、もう少し小径のハズだし、なぜ穴径が違うのだろう?
陰極側の裏側から水冷チューブの様子。
陽極側の裏側から水冷チューブの様子。
水冷システム!?の全景です。
その01(組立1)」でも書いていますが
冷却水メインタンクは、この金魚用水槽を使っています。
強力なAC100V仕様の水中ポンプは、水槽の中に入れます。
マグネットモーターの水中専用で、
ホットメルトがしっかり充填されているので大丈夫でしょう。
陰極側に電流計を付けますが、電源ユニットの上に置いて仮付です(-_-;)
稼働しだしたら操作パネルを作り直してキレイに装着したいですね~
高圧配線、水冷パイプ交換も終わったので
水冷開始式です。
なかなか珍しいので動画で!
強力なポンプなので、勢いよく水が入っていきます。
中心管のすぐ外側の管を泡が移動していくので水が通ってるのがわかります。
後面排気口(赤丸部)にチューブが挟まっていないか、再確認します。
陰極側に泡が残るので、筐体を傾けて流してやります。
特に赤丸部の陰極電極部に泡が停滞するので
筐体ごと大きく傾けて揺すったりして出さないといけません。
無地、泡が取れました。
30°以上傾けたかな、筐体が重いのでちと大変です。
横から見ても泡は残ってなさそうです。
自作したレーザー管マウントの上下調整のボルトがギリギリっぽい。
カバーを当ててみます。
陽極側は、まだ余裕がありますが、
陰極側がギリギリですね~
まあ、こんなに持ち上げることはないと思うので大丈夫かな?
元々、ベースは、陰極側だけナット1個分高くしてあるのです。
ベースの下側は、陽極側は、ナット1個でかさ上げされ、
陰極側(発射口)側は、
ナット2個でかさ上げされています。
最後にもう1枚!
いや~我ながらいいものができました。
何とか今週いっぱいで、レーザー管装着完了まで漕ぎ着けました。
いよいよ光軸調整に入れます!
これでプラズマ軸を調整できるので、逆から調整できるハズなのです。
「CO2レーザー その02(調整1)」12/29、約1ヶ月ぶり
果たして「その02」のリベンジなるかな!?
ワクワク・ワクワク(^^)