2017年6月24日土曜日

超音波撃退器の分解

まだ冬の頃、AliExpressで超音波撃退器なるものを購入していました。
家の花壇に猫が糞をするので
Amazonで前から気になっていたものです。
同じ店は今はないようですが、同じものが色んな店で売っています。
これです。
今見るとAmazonもだいぶ値が下がっています。
到着して家の窓際で数日充電して花壇に挿しました。
感度はかなり高いです。
いわゆるセンサーライトより高いです。(昔のですが)
最初にピーっとなった後、
30秒ほど数種類の超音波がでます。もちろん聞こえませんが。
設置してから猫が糞することはなくなりました。
玄関の近くなので人が通る度にピーっと鳴っていました。
そして花壇の草花がだんだん伸びてきた頃です。
何もいないと思われるのにピーっと聞こえるのです。
最初はスズメかと思っていました。
あまり鳴るので、ある日、窓からじーっと眺めていると
何と葉っぱが揺れて鳴っていたのです。
その後、スイッチを切って活動休止していましたが
重い腰を上げ感度を変えてみようと分解することにしました。
ビス4本を外して開けると
スピーカー2つと思っていたら1つはダミーでした。
まさか超音波でパッシブラジエーターはないでしょー。
ニッケル水素2次電池4本パックが入っています。
単3サイズですが長さが短いです。
これが回路基板。
真中の焦電センサの下にRC510B-1V0 の印字。
パターン面。
制御系は8pinのICしか付いていません。
昔、センサーライトを分解しましたが
それより格段に部品点数が少ないです。
RC510やRC-510で検索しても出てきません。
RC-510は、どうやら商品自体の品番のようです。
仕方ないので回路図を起こします。
ハンディオシロ DS203で波形を見てみます。
最初のピーは、5KHz位、
その後、25K、34K、43K、52K、61KHz辺りの超音波が
各2秒ずつ、2回繰り返されています。
(数値は計算した訳ではなくどこかからパクってきました)
色んな周波数を出さないと獣が直ぐに慣れてしまうからだそうです。
この間に再検出すると時間が延長されます。

IC 510の2pinは、デジタルです。
検出したらHIGHパルスが数秒出力されるだけです。
ということはー
この焦電センサには、アンプとコンパレータを内蔵していることになります。
品番がないかよく調べてみます。
ルーペを使って焦電センサを注意深く眺めると
薄ーーく「PIR」「 AS412」と刻印がありました。
「PIR AS412」でググってみると
ずばりのデータシートが、ここにありました。
ここまで高性能とは!
DSPフィルタリング処理、ノイズ低減、温度補償まで入っています。
「ON TIME」というPINがあります。
読んで字のごとく感度には関係なさそうですが
データシートをみると
検出出力「REL」のパルス幅調整です。
R2:75KΩ、R3:1MΩなので
On-time Voltage = 2.2/32 になります。
表を見ると
検出してから5.4秒間「REL」出力がホールドされることになります。
データシートには回路例もありました。
センサ周りの定数が、起こした回路図と同じです。
最後まで見ましたが、感度は調整できませんね~
ブロック図に「Test Control Logic」なるものがあるので
隠しモードがあると思うのですが、説明は全くありません。
残念。
もう少し調べてみると
「隣の猫が庭に糞していて効果があったが、その内、動作しなくなったので分解した」
ってのが、ここにありました。
回路図もエディタで書かれています。
ちょっと借用します。(無断ですみません)
8pinのICはPICだったんですね。
PIC12F510とあります。
ここから商品名がついたのですね。
動作説明もあり
***
5.1 kHz square wave for 2 secs, then 2 secs each of 26, 35, 45, 54, and 63 kHz square waves.
***
最初に5.1KHzが2秒間
その後、26K、35K、45K、54K、63KHzの方形波が2秒間ずつ出ているとあります。
この方はアメリカ人のようですが
最初の5.1KHzのピーっという音がうるさいので
PICをPIC12F1571にして基板を作り直されています。
面白いので写真を引用します。
所でPIR AS412のフィルター特性ですが
データシートにこれが載っていました。
植物は赤外線をどう反射するのだろう?
国立環境研究所に植物の分光反射特性なるものがありました。
何と植物の反射特性とAS412の透過特性とほぼ重なっていますね~
センサーの感度がいいので葉が揺れると反応するんですね。
ということで
動物と植物を区別するには、動物の方が体温が高いはずなので
やはり感度を下げることで対処できると思われます。
回路では感度調整できないことが判明しているので
前面のフレネルレンズの裏に何かかぶせて
感度を鈍らせようと思います。
まずは黒いビニールテープ。
テレビのリモコンの赤外線発光部に貼り付けて
デジカメで見ると光が透過して見えるのでこれで試します。
結果は、減光し過ぎ。
10~20cmまで近づかないと検知しません。
次は、白いビニールテープ。
まだ減光し過ぎです。
30cm位でやっと検知。
半透明のモノ、何かいいものないかなーっと
家の中を歩いていたらこれがありました。
スパイラルチューブです。
これをちょこっと切ってセンサーの上にかぶせます。
廊下で確認すると
検知距離が3.5mから2m程と約半分になりました。
良さそうです。
この状態で外に設置しようと思います。
小さな菜園ですので
このど真ん中に猫がそれをなさるのです。
玄関先なので前方は人がよく通ります。
向こうの方を歩くと人を検知しない
手前を歩くと検知してくれるのでちょうどいい距離になりました。
これで様子見です。

2017年6月18日日曜日

小型工作機CNC2418 その18(集塵ホース取付治具2)

前回の続きです。
スピンドルに装着する集塵器先端部はこんな感じです。
スピンドルの周りに掘りが開いていて
上側の突き出た穴に集塵機からのホースを取り付けます。
まだFusion360でホースは描けないのです。
上手くいくかどうかはわかりません。
Fusion360で描いたモデルを
ようやく上下横どこからでも切削することができるようになりました。
わかってしまえば簡単です。
CAMのセットアップでXYZ軸と原点を自由に変えるだけなのです。
モデルのXYZ軸と無関係に自由に変えられるのです。
前は何を悩んでいたんだろうという感じです。

まずは、横の穴を掘るため
Fusion360 CAMでGcode作ります。
高さが60mmになるので
上半分と下半分に分けて接着することにします。
中の円筒部まで貫通しないように
底の方は傾斜がついています。
Fusion360 CAMで[3D]-[ポケット除去]にすると
自動認識してツールパスに傾斜がつけてくれました。
トウモロコシ・エンドミルの方がヒゲが断然出にくいので
最初の方は、中程までこれで掘ります。
アフィリンクはこれです。
ボトム設定を掘る深さまでにします。
「モデルトップから」「-25mm」にすると
-25mmの深さまで切削するGcodeができます。
これで浅い穴のモデルを別途作らなくて良くなります。
このエンドミルで掘れる所まで25mm掘ります。
エンドミルの切削部と取付部の径が3.175mmなので
コレットギリギリまで掘り込めます。
エンドミルの全長40mmでコレットに14mm程噛ませています。
次に長いエンドミルに変えます。
これも切削部と取付部の径が3.175mmで
全長50mmなのでコレットに15mm噛ませても
35mmまで掘り込めます。
PVC用なのでヒゲは沢山出ます。
穴の底は、平らではないため
Fusion360のCAMは[3D]-[ポケット除去]使っています。
深く掘るためにスピンドルの高さ調整をしたので
0.x mmですが、センターがズレてしまいました。
途中でXZブロックに対するスピンドルの固定位置を変えるといけないですね。
再調整しましたが、微妙な穴位置(0.0x mmの世界)のズレがあるので
時間がかかりますが、一応、モデルトップから切削します。
エンドミル切り替えて開始です。
掘れました。
底の傾斜部に段差とヒゲができています。
底の方は後で横から削るので問題はありません。
所でFusion360のCAMのポスト処理でGcodeを吐き出した後、
いつもZ軸を退避するコードを追加していました。
どこのサイトで見つけたか忘れてしまいましたが
ポスト処理の時に
useG28]を「いいえ」にすると
最初の切削ポイントへZ軸を下げながらの移動がなくなります。
最初と最後の原点移動がなくなるので安心です。
切削開始ポイント近くに持って行っておけば、いいです。
終了しても原点に戻らず、終了ポイントで止まります。
次は、穴の周り(黄色部)を削ってパイプ状にします。
ツールパスができました。
また所で、bCNCは、時々、移動拡大動作が遅い時があります。
bCNCは、Pythonベースで動いているのでCPU使用率が高いのです。
CNC2418付属のGRBLcontrol(Candle)に比べこの点だけ気になる所です。
44.1%でていますが、常時この位なのです。
Corei3 1.8GHz です。
特に曲がり角のような
Gcodeが細かくなっている所は、特にCPU使用率高くなります。
47.2%を記録しています。
そういえば、スピンドルをジョグで手動移動する時にも反応が悪い時もありました。
ちょっと心配です。
さて、穴周りの切削です。
4コマ漫画で。
動画で。
最後に端のバリを取るために中心部から切削していきます。
なかなか考え抜かれた動きです。

赤線部を手引き鋸でカットして
左側の上に右側の穴付パーツを木工ボンドで接着します。
接着したら、横に倒してセットします。
ステーの間にあるのが対象物です。
左の木材は固定用の添え木です。
考え事しながら切削していたので
写真撮り忘れで、いきなりここまで進みました。
まず、真中に穴を開け、裏からスライドナットで固定します。
こういうものは、固定の仕方、加工の順番に結構悩みますね~。
見えにくいですが
左のパイプ部と穴が繋がっています。
別アングルで。
高さ調整で2mm面取りです。
面取り完了です。
輪郭をカットします。
通常[2D]-[輪郭]の選択では、4辺全てになります。
しかもパイプ部分はカットしてしまうツールパスになるのです。
ここはFusion360 CAMで自動認識してくれないのです。
特定の辺だけ切削する方法が
Fusion360のQ&Aサイトにありました。
まず、普通に選択して
一旦、マウスカーソルを青線からよけて
もう一度近づけると、赤になります。
切削したい辺で赤の状態にして、そこで左クリックすると
その辺(赤矢印の所)が細い空色の線になり
右下の赤丸の様に操作ボックスがでてきます。
このボックスで
アイコン(赤枠部の右上)をクリックすると
「閉じたツールパス」モードから「開いたツールパス」モードになります。
そこで残りの2辺(赤矢印)をクリックしていくと
黒線から空色に変わります。
 辺の選択が終わったら
アイコン(赤丸部)をクリック
(カーソルを置くと「現在の輪郭を承認」とでます)
これで3辺だけのツールパスの選択ができました。
[OK]するとツールパスが表示されます。
パイプの所だけツールパスを除外できています。
 GcodeをbCNCに読み込みます。
3辺を中間ほどまで削り終えた所です。
エンドミル2.0mmなので深さ12mmまでしか掘れません。
トウモロコシタイプなのでヒゲはほとんど出ず
屑を掃除機で吸い取っただけでこの様に端面は綺麗です。
左側もステーで固定して
真中の穴で固定していたボルトを外します。
真ん中の穴を彫り込んで貫通穴にします。
最外周に
0.6mm幅、深さ3mmの溝を掘ります。
ブラシを埋め込むためです。
実はさっき考え事していた時思いついたのです。
下側部分が完了。
この後、右ステーの下も高さ調整のため削りました。
裏返しして
この辺でY軸の直線性を調整。
カメラ映像を見ながらステージを前後させて
材料のこの辺をY軸に平行になるようにじわじわと調整します。
原点を合わせます。
これで裏表の位置があっているはずです。
浅い穴を掘ります。
内側を少し大きめにしておき
直径を0.1mmずつ狭めては削りを繰り返して
この茶色のやつがちょっと硬めでピッタリ入るようにします。
3回ほどで完了。
輪郭を削ります。
固定具の関係で1辺ずつ削っていきます。
最後はここ。
穴はぴったり合わせましたが
輪郭を削る時に上側からと下側からに分けたので
微妙ですが、0.数° 回転しています。
この辺の合わせ込みは難しいです。
基準点に小さな貫通穴を開けておくとか
切削する前に方法を考えておかないといけませんね~。
これを付けます。
こんな感じで
下から入れて45°位回すと固定できます。
下から。
ER11コレットの先がちょっと見えています。
大きい方の穴の周りに0.6mmの溝を掘っていましたが
百均でこれ買ってきました。
このブラシ(ヒゲ)は直径0.6~0.7mmです。
ノギス持って百均に行きました。
頭部分拡大。
約200本程入りそうなのでカッターで切り取って
台座の穴に集めます。
 0.6mmの溝に挿していきます。
実は、これ掃除機のアタッチメントで思いついたものです。
こちらは毛皮みたいに細い毛ですが。
やや無心で付け終わりましたが!
あっ!硬過ぎてスピンドルを降ろしても曲がらないのです。
横から指で押さえると曲がるのですが
真上から押さえると全然だめです。
太過ぎましたーー! これは使えません。
数本で見た時はわりとしなやかな弾力だったのですがーー
0.6mmエンドミルが手持ちの最小径だったので
つい何も考えずにこれにしてしまいました。
先を急ぎ過ぎです。
もっと柔らかいブラシを探さねば...
気を取り直して、いざ百均へ!
ちょっと恥ずかしいですが
これが一番しっくりきたものでして。
こんなブラシ。
これをグルーガンで”植え付け”ていきます。
だいぶできました。
かなり地道な作業です。
アデランスの世界。
1時間半ほどで何とかできました。
それらしくなっています。
CNC2418に取り付けます。
いい感じです。
MDFをセットして切削してみます。
集塵ホースを接続!
MDFにΦ4の穴を掘ってみます。
スピンドルが下がってもブラシが曲がってくれています。
一応、思った動きになっています。
スピンドルを上げると
何と!!!切削屑は残ったままー
残念(T_T)
吸い取り力が弱いです。
オリジナルで作りたかったので
ここまで先人方のを検索しなかったのですが
検索してみると沢山出てきますね~
やっぱ先人の方々のを参考にすべきだったです。
皆さん苦労されています。
似たような構造でされている方もおられます。
結構いい線いっていたのかも?
私のは吸い込みのホース径が先端の吸込口に対して小さいのがいけないようです。
この方法は断念かな、もうひと工夫考えるかな、
当分ホースは手持ちに逆戻りです。
ちょっと意気消沈。