2025年2月7日金曜日

3Dプリンタ その46(Z軸モーターブラケット割れ修理)

5年弱ぶりの「3Dプリンタ そのxx」シリーズです(^^ゞ

久々なので、
マーティー工房の3Dプリンタは、
「Geeetech 3Dプリンタ Prusa I3 Pro B アクリル製フレーム
    未組み立て 3Dプリンタ DIYキット」
2018年8月に組み立て直後のショットです。
大変苦労したので組立1~3の3部作です。
とても長いし、もはやこのモデルを組み立てる方はいないでしょうが
ご興味ある方は、どうぞ(^^ゞ

「3Dプリンタ そのxx」シリーズで
色々と改造してきたので、随分と姿が変わっていますが 
意外と全身のショットを撮ってないんです(>_<)
上の後に少しだけ改造した、2018年10月

上の時点のZ軸右側は、
この様になっておりました。

で、その1ヶ月後、2018年11月
右側だけ、この様に改造していました。

この状態で、最後に使ったのが2020年4月
この時は、造形は完璧だったので、割れてなかったのでしょう。
Speed 20mm/min、Travel 40mm/min と低速ですが

そして、最も歪み圧が掛る回転位置で停止していたのか?
その後、ビニールカバーを被って冬眠させてて
2023年頃のある日にちょっと覗いたら
Z軸右側のモーターブラケットが割れてるの気づいたのですが
諸事情で放置しておりまして(^^ゞ
寒暖変化もあり、更に悪化したものと思われます(~_~)

んで、2025年1月になってしまって
3Dプリンタで造形しなければならない修理依頼が来たので
慌てて修理することになったわけであります(^^ゞ

亀裂は、1mm以上あり重症です(>_<)
ボルトの所で辛うじて止まってる感じです。
亀裂が貫通するのは、時間の問題だったでしょう。

考えてみれば、
既にスライドロッド(右側の棒)は、
ブラケットで固定されているのに
更にリードスクリューも上側の白い軸受で固定するということは
平行が不完全な軸の両方を固定することになるので
動かした時の歪みによる圧力が
ブラケットに集中するのは、当然でありますね~(>_<)
リードスクリューの平行でない歪みを吸収する為に
モーターと軸をフレキシブルカプラーを繋いでいるわけで
付ける時に気づくべきでした(~_~)

Z軸が上がる様子を動画で
とても酷いことになっています(@_@)
モーターだけが、かなりウネウネしています(>_<)

その白い軸受、試験的に右側だけに付けていたので
幸い、左側は、ご健勝でおられます(^^)

では、ボルトを外していきます。
普通の六角レンチでは、作業し難いので
最初だけ緩めて、後は、先端丸型のこれ使います。

ステッピングモーターと軸受を留めてるボルトを外して

フレキシブルカプラーの上側のイモネジを2つ緩めて

リードスクリューを手で回して、引き上げます。

なかなかの亀裂です(>_<)
右手前の四角穴、スライドロッドの穴の中までにも、亀裂が~!
軸受だけでも早く取り去っていれば
被害は最小に抑えられていたかも(~_~)

モーターブラケットの後部のボルトを外します。
なかなか作業し難いです~

ありゃりゃ~!
ボルトのすぐ下にも強烈な亀裂だ~!!!(@_@)
予想を遥かに超えた重症であります(~_~)

ボルトを緩めると
破片が落ちてくる始末(>_<)
横は、埃ではなくて、
ロッドにオイルを吹きかけた時に飛び散ったもの(^^ゞ

後部のこちら側のボルト2本も外します。
この辺は、大丈夫のようです。

モーターブラケットを全て外しました。

外すと、亀裂が少しだけ狭まってます。
左下のは、単なる擦り傷でした。
黒は、写真撮るのが難しいですね~
ストロボ焚くと諧調が潰れるので、
+2EVして、ストロボOFFで
なので、白飛び&ちとブレております(^^ゞ

裏側
見事な亀裂です(>_<)

さっき、後部のボルト外してる時に見つけた亀裂を表側から
完全に割れてます~(~_~)

拡大

その裏側
ボルトを緩めてた時(ブラケットが付いた状態)よりも
亀裂がかなり狭まっています。

さて、どうやって修復しようか?
モーターを所定の位置に置くと
後の壁(ガントリー)とに15mmほどの隙間があります。

その隙間に8mmのアクリル板(外したモーターブラケット)が
余裕で入ります。

が、8mm厚のアクリル板は、持ち合わせがないし、高価です(~_~)
このサイズの3mm厚アクリル板なら10枚ほどあるのだが
修復部分の採寸しながら考えるかな(^^ゞ

そうだ!
かなりの部分を採寸して、モデルを描いてました。

周りのパーツを非表示にして、ガントリーだけします。
これは、一体ものでして
割れてるのは、赤枠の所なのです。

割れている赤丸部、実物は、これですが

当時の改造では、この部分の詳細が必要なかったので
四角穴も上の写真のボルトの上下のは描いてなく~

ここまでスケッチの寸法があるので
なんとか流用したいものですね~

右下を拡大
左の方の形状が最も欲しい所ですが
ス~っと同じ高さで伸びています。

分解せずに採寸するのは、なかなか大変でしたが
それにしても、上の図面とかなり違ってました(^^ゞ
当時のモデルには、重要でない部分だったから
本体は、分解しないと採寸が難しいので
ブラケット側を採寸して、本体の採寸を省略してたようです(~_~)

ここに補強板を入れようと思うのですが
そうすると、モーターブラケット側面板を短く加工する必要があり
CNCで加工するにしても、外した元のを
正確に位置合わせして削るのは、なかなか難しいので

このアクリル板から削り出そうかと模索します。
両側の三角のがモーターブラケット側面板
割れてるモーターブラケットも新調しなければですね~

その8mm厚のアクリル板は、途中で思い出したのですが
右のオリジナルから左のアルミ製へ変更した時の余り物です。

中央から削り出すのは、勿体ないので
できるだけ端から取りたいのです。
が、穴が沢山開いてるので避けるのが・・・これもダメだ~

こんな風にしか取れないな~
8mm厚のアクリル板は、貴重なので大事に使いたいのであります(^^ゞ

このアクリル板の残りで
ガントリー横幅の半分ほどまで補強できれば、いいのだが~

ガントリーの割れが進行してはいかんので
ひとまず、でかい長尺のFクランプで挟んでおります。

そうすると
亀裂が、目視では判らないほどに塞がります。

裏側も

ひとまず、これで接着しておいた方がいいですね(^^)

成分は、二塩化メチレン(ジクロロメタン)です。
アクリル板を溶かして着けるので、
まあ強力に着くのではないかと(^^)

テーブルクロスに垂れるといけないので、アルミ箔を敷いてますが
反射して見え難いですね~
Fクランプを少し緩めて、亀裂の口を開けておいて
付属のスポイトで流し込みます。
水のような粘性なので、下まで入り込んでいきます。

素早くFクランプを締め付けます。
見え難いので、アルミ箔の上に白紙を置いてます。
少しはみ出てるので、うまく入り込んでいるようです。

それにしても
Fクランプで挟んだまま動作させれるといいのだが
と、全体や

ここを眺めていると

挟むのではなく引っ張ればいいんじゃない?
この手があった!
針金(ステンレスワイヤー)の出番ですね(^^ゞ

まずは、これの亀裂も
二塩化メチレン(ジクロロメタン)で接着します。

拡大

乾燥したので
はみ出たやつを削ります。

裏側も

このモーターブラケットも
プラパーツのヒビ補強でやった様に
ワイヤーで補修することにするので
周囲の溝を掘る所にカッターでケガキ線を入れます。

中心は、ダメでした~(^^ゞ
ボルトが入ります!
マーティーの頭、気づくタイミングが遅くなっております~(~_~)

ボルトの両側にケガキ線入れました。

外は、とても寒くて手が悴んで細かい作業がきないので(@_@)
テーブルの上に段ボール箱置いて、中でやります(^^)

小型リューターにヒートシンクを付けていますが
放熱の為ではありません。

この様に置いて作業するのです。

丁度いい厚みの木切れを重ねて
ケガキ線と切削ミルの高さが合うようにしているのです。
まあ、横型フライス盤の超簡易版というところかな(*^^)v

低速で回してるので溶着も起こらず
思惑通りに進んでおります(^^)
溶着すると切削ミルが目詰まりして大変ですからね~

ミル・コレクション、左から小・大・中

ステンレスワイヤーより少し大きめの
大の丸型ミルを使っています。

終了!
なかなかの切削屑ですが、
粒が大きいので、箱内に収まっております(^^)

いい感じに溝を掘れました。

ステンレスワイヤーが隠れる深さです。

次は、この自作ドリルを使います。
ビット Φ1.5

突起の根本にΦ1.5で穴開け中。

ステンレスワイヤーを通してみます。

真上から
溝の深さ、良さげです(^^)

ワイヤーを巻き付けていきます。

先端を捩じって締め付けていきます。

いい出来栄えです!(^^)!

突起の所、ワイヤーは、はみ出てない様子、かな?

次は、このモーターブラケット側面板
左右の2枚を重ねると

こんなにも斜めにカットされています。
CO2レーザー加工特有とはいえ、酷過ぎますね~(>_<)
レーザー光がレンズの中心からかなりズレたまま加工してるようです。
作り直したいのは、山々ですが
ワイヤー巻き作戦に確定したので、またの機会にします(^^ゞ

側面板は、補修の必要はありませんが
ワイヤーが通る溝を掘ります。

このコッピングソーを使います。

突起の根元に溝を入れました。

上側の突起の両サイドに2列

さて、本体の方
中央下の緑丸の2ヶ所に3mmほどの穴を開けたいのです。
左に壁があるので、少しばかり長いドリルがいいのですが

まずは、センターを決め打ちしたいので
先端が尖った木工用のΦ3.2を使います。

先をできるだけ長くするために
ドリルビット根本の噛みを浅くしてるので
先端がブレてないことを確認して~

先端がすぐ溶着して固まりが着くので、やや手こずりました。
いい位置に掘れたかな(*^^)v

次は、Φ3.0のロングを

でかいドリルに付けて~

左の壁に鏡の様に写り込んで、見え難いですが
貫通させて、穴を少し広げたので

これを入れます。

ステンレスワイヤーがちょうど入ります。

さっきの穴に挿入します。
これ入れるので、Φ3でなく、Φ3.2まで必要だったのです。

管の長さ7mm、壁の厚み8mmです。
細いワイヤーだけよりも
圧力が分散されるといいかな(^^)

X軸&エクストルーダーモジュールの右側
宙ぶらりん状態で左側が変形するといけないので
Fクランプで支えた状態で作業しております。

本体へのワイヤー作戦の準備が整ったので
ステッピングモーター部を元通りに取り付けていきます。
ホントは、ステッピングモーターを後から入れるのですが
ドライブケーブルを結束バンドで留めてるので
先に入れております(^^ゞ
ドライブケーブルをコネクタに挿し込んで

モーターブラケットを組み立てて

ステッピングモーターが先におられるので
この角ナットが落ちないようにテープで付けておきます。

ここの角ナットが落ちると
また最初のテープ固定の所に戻ることになります。
短いワイヤーで角ナットを少し引き上げて
ガントリーの後ろ側からボルトを締めます。
何とか一発でうまく行きました(^^)

反対側のモーターブラケットの側面板も裏側からボルト締めします。

ステッピングモーターの取付終了!

モーターブラケットの側面板の下側と
本体に開けた下側の穴にワイヤーを通します。

その裏側
ワイヤーが見え難いですが
中央部に妙なものを付けております。

拡大
ワイヤーがない時のショットですが

訳あって
袋ナットとワッシャーで
ワイヤーを引っ掛けるようにしています。

表側からのショット
中央下のボルトにも袋ナットを付けています。

下側の穴から通したワイヤーを
裏の上側の穴から通して表に戻し

最初に通した表(右側面)の上側から出してきて
捩じって締め付けていきます。

当てている金属板は、
事前に作っていたものです。

先月の「ダルトン扇風機の修理とメンテナンス」で
底部分を使った残りで
ステンレスだったので取っておいたのです。

長方形にカットして

10mmちょいの幅

鏨(たがね)で折り方をつけて~

ヤットコで折り曲げます。

両側を1mmほど折り曲げて
8mm厚のアクリル板に嵌るようにしたものです。

締め付け圧がワイヤーの所に集中して
その部分のアクリル板が割れては、元も子もないので
上のステンレス板を添えて圧を分散させてるわけです。

さて、ステッピングモーターをボルトで固定しますが
上側の軸受を外したので元のボルトでは長過ぎます。
逆に手持ちのこれより短いのは、届かないので、
途中にナット付けて深さを測ります。

こういう時の為に長いのは、沢山持っておりまして

このボルトカッターがあるワイヤーストリッパーで
カットすれば、好きな長さのが作れます(^^)

その内、左側のにも使うので
ボルトを8本を所定の長さにカットしました。
破片の数は、数えないように(^^ゞ

その内の4本で
ステッピングモーターを固定しました。

写真の関係で説明が前後しておりますが
あの妙なボルト造形物には

この様にワイヤーが乗ります。

下の方の袋ナットにも引っ掛けて
ベッド裏のスライドブッシュ(左上のやつ)が前後する時に通るので
接触しないようにワイヤーを避けているのです。
もう少しワイヤーを張りたいのですが
今一弛んでますね~(~_~)

その裏側から
赤丸部に穴があり、左側に抜けています。
こっちもワイヤーが今一弛んでますが
まあ、3Dプリンタを持ち上げて移動する時だけ注意すれば
プリントには支障ないでしょう。
その内、恒久対策をしないと
いつになるか分かりませんが(^^ゞ

Repetier-Host Ver.2.3.2を起動して
左右上下の動作に異状ないことを確認して~
Z軸のゼロ点を調整するので
ノズルとベッドの高さを0.5mmにセットして

ノズルブロックを左端、右端に移動して
ベッドとノズル先端の隙間が0.5mmになるように
隙間ゲージでチェックしながら
Z軸の左右のリードスクリューを手で回して調整します。
前後の傾きは、ほぼない様子なので、
ベッド4隅の高さ微調ボルトは、調整しないでおきます。
ただ、中央が0.3mmも浮き上がっています。
FR4(ガラエポ)213 x 213mm 3mm厚のに交換していますが
5年以上もの寒暖の差で反りが出たのかも?
昔は、G29でのオートレベリングにしてたのですが~

3D Touch Sensorは、
辺りで一時的にご機嫌は良くなったものの
ジワジワと調子が悪くなりボツ(~_~)

次に、
画期的でメチャ調子良かったのですが
これも急にだったか、ベッド表面の認識精度が極端に悪くなって
遂に使い物にならなくなったのであります(~_~)
動作はしてるのに精度だけ悪くなって、原因不明なのです。

結局、現在は、オリジナルの
1点計測のメカニカル・リミットスイッチ方式に戻しています。
ベッドが真っ平なら全く問題ないのですが
歪みが出てくると、これでは、補正のしようがないですね~(@_@)
あれから5年近くも経ってるので、新方式のセンサーないかな~

あまり大きな声では喜べませんが(^^ゞ
ひとまず、「取り急ぎ修理」終了です!(^^)! 
久々なので、修理後の記念ショットでも(^^)
正面から
Z軸は、構造上、左右2機のステッピングモーターで制御してます。
その内、左側も右側と同じ付け方に変更する予定です。
X軸ブロックは、大幅改造

X軸&エクストルーダーブロック
長編の「その38~41」に渡っております。

下方から
フィンが付いたスロート部は、

3Dプリンタ その42(スロート・ラジエータ製作)」で
完全手作業で製作したこれです。
熱伝導率の高い銅製なのでスロートの冷えが非常に良くなり
プリント品質が格段に向上しています。

修理した右サイド
電源ユニット(出力12V 15Aの180W)とその右に
ベッドとノズルのヒーター制御用のPower MOS-FETモジュール。
メイン基板のPower MOS-FETではON抵抗が大きく
特にABSでベッドを100℃にすると
発熱大でコネクタが溶けたという報告があったので、
ここにON抵抗の小さいMOS-FETを追加しています。

後面やや上方から
かなりのゴチャゴチャ配線ですが(>_<)
ベッドが前後に大きく動くので~
固定できないリード線が多々ありまして~
まあ、いまだ改造が進行中ということで(^^ゞ

左サイド
メイン基板が付いています。
ここも、いまだ改造の途中ということで(^^ゞ

ステッピングモーター
X軸:1、Y軸:1、Z軸:2、エクストルーダー:1で
そのステッピングモータードライバが4つ
1モーターにつき4本の配線。
Z軸のドライバが特に発熱するので
それを中心に空中から小型ファンで冷却しております。
他に、XYZのリミットスイッチの配線、
ベッドとノズルのヒーター制御線、
LCDパネルのフラットケーブルというところで(@_@)

トップに自作のフィラメント簡易リールフォルダーを付けてます。
リールフォルダーの滑りを良くしても
フィラメントのモツレは硬いので、手で解くしかなく~
というか、硬いモツレを自動で解く構造を考えれれば
プリント中にずっと傍に居なくていいんですけどね~
では、久々のプリントが待ってますので
また~(^o^)/

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