2020年10月10日土曜日

Closed Loop Current Sensor(磁気平衡式・電流センサー)が凄い!

随分前にAliExressを散歩してると
こんなのが目にに入りました。

最初に見つけた店は、高かったので、リンク貼ってませんが
「クローズドループホール電流センサ」というもののようです。

たかがパーツの試用記録ですが、されどパーツですね~
面白かったのと、ちまちまと拘って、久々に長~くなっております^^;

「HCS-LTS」という品番を頼りにググってみると
ちと形状が異なりますが、CORETECHのこのPDFのようです。

たぶん、AC onlyで直流はダメだろうな~
と、PDFの下の方を見ていると、
おっ! DC~200KHzだ! しかも「-3dB」じゃなく「-1dB」!
これは、期待が持てます(^^)

「06A」ってのが最高感度のようです。

三本足が両側に出てる使い方が下の方に載ってます。
その足の結線により
「06A」は、±6A、±3A、±2Aと三段階に切り替えできるんです。
表の一番下は、コアに3T巻いた結線になるわけです。
これは、面白そうです。

とても欲しくなってきたので、最安値の所を見つけてポチッ!
ちなみに、後で説明しますが、ここよりいいのがありました。
ここは、お店の写真が間違ってるんです。
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・・・そして、実際に届いたのはこれ、「BCHCS-LPS-06A」の刻印
三本足ではなく、一本足です(T_T)
写真と異なるものが届いちゃうと、色々面倒ですね~(´-﹏-`;)
一応、一本足としての動作はするので、これも実験しております。

予定のものが来なかったので、ちと疲れて、
別の店で、三本足の6A品をポチッと!
なぜか足が3本になると、送料の方がぐっと上がります(´-﹏-`;)
この店からは、ちゃんと写真通りの三本足が届いております。
これも、後で説明しますが、これよりお薦めのが見つかりました。
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実験の前にというか、ポチる前に調べてるので、
「クローズドループホール電流センサ」の概略から。

タムラ製作所のここの図がわかり易いので、
ちょっと借用しようとしてましたが(-_-;)
ん?Fusion360で角棒にコイル巻けるかな~と挑戦したくなり、
[コイル機能]では円形コイルのみだったので(T_T)
[3Dスケッチ]機能をONにして頑張って描きました^^;

入手したものとは、内部回路は異なりますが、
タムラ製作所のを模写した動作モデルの概略図です。
ホール素子を使用する方式は、次の2種類あるようです。

<オープンループ(磁気比例式)>
以前、「電流センサモジュール(ACS712)」でテストしたのは、
磁性体コアがないですが、この方式に該当します。
オペアンプでかなり増幅するのでノイズが多いのです。
ACS712では、ステッピングモータの階段波が
ノイズに埋もれて観測できないほどでした。
コアがあると、ノイズは少ないのかもしれません。

<クローズドループ(磁気平衡式)>
被測定電流によるホール素子の検出磁界がゼロになるように
2次巻線にフィードバック電流を流して、電圧出力を得ます。
磁性体コアの磁束密度がゼロに近い条件でBHカーブの原点付近で動作する為、
コアの非線形性等の影響を受け難く、高精度だそうです。
マルチ計測器株式会社のここには、
特徴
・広範囲で非常に高い精度を実現します。
・直線性、温度特性が良好である。
・外部磁界の影響を受けにくい。
・出力ノイズが非常に少ない。
とあり、購入前からとてもワクワクしてました(^^)

もう一つ「フラックスゲート方式」ってのが載ってますが、
ホール素子を使わず、代わりに極高透磁率材料のプローブコイルを使う
クローズドループ方式だそうです。
精度と温度安定性が非常に優れた電流センサが実現できるらしい。
どうもこの辺りの電流センサは、
ハイブリッド車やEV車の技術とともに進化してるようです。

さて、2種類のタイプが入手できました。
既に三本足のは、最高感度になるように結線してます。

では、三本足ので実測していきます。
最初に見つけたDatasheetのこのPDFには、この図があって
どうやら外付けのRMなる抵抗が必要みたいです。

06Aでは、RM:100Ω にすればいいのかな~と

こんな感じで100Ωを外付けして
まずは、被測定電流:0 で出力電圧を測ると

ん?ちょっと低すぎるようだな~
先のPDFには、電流ゼロでは、2.5 ±0.02V って載ってるんだが...?

三本足の測定端子に1A流すと、

オシロの波形は、ノイズが少なくキレイですが、

僅かに増加して 2.545V・・・思ったよりかなり低いですね~
差は、0.289V

電流ゼロ時の出力電圧、
300Ωでも1KΩでも低いけど、100Ωの時よりは、高いのです。
一気に、10KΩにすると、

やっと、電流ゼロで、2.512V
±0.02V に収まってるし、よさそうです!

1A流すと、2.833V
差は、0.321V・・・ちょっと増えたけど少ない気がします?

どうもCORETECH社のCloneじゃない別のやつだな~
幾つか探してみると
外形がかなり違うけど、このLEM社のPDF Datasheetが、近そう。
内部回路は、これで、
フィードバック電流⇒電圧変換用の抵抗:RIMは、
内蔵されているタイプです。

負荷抵抗 RL ≧ 2KΩ とあります。

帯域も同じですが、詳しい記述になって
ー0.5dBでは、DC~100KHzとあります(^^)
まあ、これのCloneだと確定したわけではないですが...

入出力特性は、これですが、
PN と IPM があります。
PN がやけに強調されてるような...

PN の所が、6Aなんですね~

改めて、最初のCORETECHのを見直すと
これは、HCS-LTS-25A の特性で、±25A で±0.625Vの出力なのです。
最大で±80A測れることになってます。

特性グラフを6Aタイプに書き換えました!
てっきり、±6Aで±2.5V出力かと思ってら、違うんですね~(-_-;)
±6A で ±0.625Vの出力になるのか~
すっかり思い込んでて、今頃気づくマーティーであります(-_-;)
最大で±19.2Aを測定できますが、
ACCURACY DYNAMIC PERFORMANCEの諸元を満足できる範囲が
±6A で ±0.625Vの出力の範囲の所ということなのだろうか?

で、「HCS-LTS」には、3対の足があって
この様に結線すると、3Tとして測定することができます。

測定範囲は、±6.4Aとなり
±1Aでは、±0.3125Vの出力になります。
最初の実験で、1A流すと、出力が、0.321Vだったので
ほぼ特性通りだったことが、やっとわかったのであります(-_-;)

やっと素性がわかってきたので、実験を続けます^^;
中央に穴が空いているということは~
リード線を巻いても、直流から測定できるんじゃないかな~
6T 7T巻きのを作ってみます。
***2023.12.1訂正***
単純なアホ勘違いをしておりましたm(_ _)m
コアには、7本通ってるので7Tでした(-_-;)
匿名さんご指摘ありがとうございます。
ということで、これ以降、6Tの所を全て7Tに訂正しております。

うまくいけば、特性はこれになるハズなのです。
***これは、6Tなので使いません***

***こっちが、7Tの特性(2023.12.1追加)***

ずっとこんな雑な状態でやっております(-_-;)

電流を流さない状態の出力
5V単電源なので、OFFSETが2.5Vあります。

ノイズはほとんどないです。
下から1DIV目がGNDです。

負荷抵抗 15Ω3Wを2本並列にして7.5V程印加して
1Aの電流を流します。

出力:3.257V
電流ゼロで2.511Vだったので
3.257-2.511=0.746V/A
標準特性は、1Aで0.625Vのハズなので19%のズレです。
***2023.12.1訂正***
1Aで0.729Vのハズなので僅か2.3%のズレです(^^)

少しノイズが出てるようですが、とても少なそうです。
まあ、内部のオペアンプの増幅率は一定で、巻数とは無関係だろうから
沢山巻いても変化はないと思われます。

電流ゼロでノイズを観てみます。
負荷抵抗10KΩ、オシロ最高感度の AC 50mVレンジ!
とても少なくていいですね~
オシロ自体のノイズに埋もれてます(^o^)
ACS712 Range ±5A品のは、185mV/Aだったけど
これは、6T 7Tで746mV/A で、このノイズの少なさは、雲泥の差です。

そのACS712、以前の「電流センサモジュール(ACS712)」を見返すと、
チップで決まっていて3種類あり、一番高感度の
ACS712ELCTR-05B ±  5A 185mV/A では、この状態でした。
上と水平・垂直とも同じレンジです。
控えめに見て50mVp-p、185mV/Aなので0.27Ap-pもあって
波形の確認には使い物になりませんでした(T_T)

帯域を狭くしようと
外付けのフィルタコンデンサを CF=100nF=10μF にしても
ノイズの高周波分が減っただけで振幅は一向に減らなかったのです(T_T)

ACS712のDatasheetには、
5A品のノイズは、CF=47nFで 21mVと載ってますが、
今回のタイプは、CORE TECHのHCS-LTS、LEMのLTS 6-NP
のどちらのDatasheetにもノイズについて何も記載がありません。
文句を言わせない小ささと言うところでしょうかね~
しかも、帯域(-1dB):DC~200KHzもあるのです。

では、ステッピングモーターの電流を観ることにします。
今度は、「BCHCS-LPS-06A」の刻印がある1本足のやつに
6T 7T巻きを2つ作ります。
コアに巻く分には、三本足のと特性は同じでしょう。

この1本足の「HCS-LSP」の6A品のDatasheetは見つけれませんでした。

CORETECHのこのPDFには、20A、25A品だけのようです。
3本足と基本の使い方同じなようですが、特性グラフは載ってなくて、
20A品は、±20Aで出力 2.5±2Vのようです。 

このCheemiTechnology社のは、品番がだいぶ違ってますが、
6A品があり、感度が高いようで、±6Aで±2Vの出力です。

「BJHCS-LSP」の刻印で探すと、このPDFが見つかりました。
シリーズカタログで、20A、25A品しかないようで、
詳しい仕様は、載ってません。

Tech Power Electronicsってとこに、
「BJHCS-LTS」シリーズが見つかりましたが、
冒頭のCORETECHのと全く同じのようです。

で、ステッピングモーターに合わせて、2.54mmピッチの4pin使います。
MIX BOX US$ 2.54(-11%)!

ピンのカシメは、これの下側のを使ってます。
SN-01BM: Crimping Range: 0.08-0.5mm2   AWG28-20
上側の「SN-01C」は、上のコネクタピンに合いません。
US$ 10.64(32% OFF)

A相、B相を同時に観たいので2つ準備したのです。

一応、インダクタンスを測っておきます。
1KHzで1.6μH

100Hzで2μH、100KHzで1.350μH
ステッピングモーターの数mHに比べ十分小さいです。

ステッピングモーターは、箱で休暇中のこれ。
17HS8401、本体長48mm
1.8°/step、59N・cm、2.0A/phase、48mm、1.4Ω/phase、3.0mH/phase

CNC2418の予備のWoodpeckerで駆動します。
ちなみに、作業台にしてるリビングのテーブル
テーブルクロスはいつだったか新調しております^^;

ステッピングモーターは、負荷をかけない空回し
CandleでFeed:500、100mm移動にしてGO!

お~っ!波形の歪は置いといて、きれいな電流波形が捕れました!
1/16 Microstep、800step/mmに設定で、
1回転(1波長)で16step x 4 = 64step なので、
周波数[Hz] = F値mm/min ÷ 60sec x 800step/mm ÷ 64step/回転
電流波形の周波数は、
  F500 : 104.2Hz = 9.6msec
・・・計算と合ってます^^;
4.2DIVp-pってとこなので、4.2DIV x 0.1V/DIV ÷ 0.746V/A ≒ 0.56Ap-p
仕様上は、0.625V/A  0.729V/Aだけど、
DC実測値:0.746V/Aだったので。
A4988のVRで電流増やせばよかったのですが
実験中は気づかず、黙々と続けるのでありました(-_-;)

ch Aとch BでX-Y表示させて
リサージュを表示してみました。
ほんとは「リサジュー」が正しいのかな?

スピード上げて、F2000、移動距離100mm
ステッピングモーターは空回しの状態ですが、

最速付近では、こんなに酷い波形が~(T_T)
後で調べると、ここにモーターのBEMF(逆起電力)の波形だと。
(BEMF:Back Electro Magnetic Force)
周波数[Hz] = F値mm/min ÷ 60sec x 800step/mm ÷ 64step/回転
  F2000 : 416.7Hz = 2.4msec
ですが、これは、3.6msecなので、F1333辺りのショットでしたね~

ちなみにリサージュ図形はこうなります。
Full StepやHalf Stepがこんな図形だったような(-_-;)
高速回転では、Microstepの意味がどんどん無くなるってことですね(T_T)

ついでにF100でやってます。

ん~ん?F500のより歪んでる感じもしますね~
Decay Modeの切り替えが上手くいってない感じもしますが、
この歪の原因を探してみるも、見つかりませんね~(T_T)

ちょっと波形の歪が気になってきたので
0.22Ωの抵抗をシリーズに入れて両端の電圧を観測してみます。
A4988の出力側をオシロのGNDにして、

上の写真と同じ F500です。
スパイク状のノイズがとても多くて
Microstepの階段波なんて見れたもんじゃありませんね~
でも上下ピーク部分の段差はなさそうな感じもします。
2.6DIV x 0.05V ÷ 0.22Ω = 0.59Ap-p

上下ピーク部分の段差がどんどん気になってきました~
センサー内部の回路に起因するものかもしれません?
ひょっとしたら6T 7Tは巻き過ぎかな?
キレイな正弦波電流で観てみるしかないですね~
マーティー工房に正弦波発振器があったハズですが見つからず(T_T)
宝箱から適当なACアダプターを探してきました^^;
9V 350mAか~ちと少ないですね~

殻割りして~

ダイオード4本なので2次側はシングル巻の全波整流ってことになります。

基板の裏側。

整流前の2次側直からリード線を引き出します。
マーティー工房は西日本なので、
60Hzの正弦波電源になるはずです。

15Ωを2個並列の負荷を付けて、アナログテスターで^^;
負荷掛け過ぎなので、だいぶ低いですね~
両端電圧:AC 4.7Vrms
電流:4.7V ÷ 7.5Ω = 0.63Arms
定格の2倍以上ですが、数秒しか流さないので大丈夫でしょう^^;
ACなのでPeak:0.89A、Peak to Peak:1.77A

では、電流波形を観ることにしますが
小型工作機CNC2418 その69(CT電流センサ)」の時のこれと比べます。
1000:1のCT(Current Trans)の電流センサで、穴にリード線を通します。
OP-AMPで増幅され、青のVRで感度 1.0V/Aに調整してます。
トランスなのでDCは、見れません。

あれっ?
2つのセンサーで位相がこんなにも違うのか?!
どっちが本物に近いのだろうか?
黄色:CT型電流センサー 1.0V/A 
水色:Closed Loop電流センサー(6T 7T)0.746V/A 

では、電流を抵抗の両端電圧で観測して比較します。
抵抗の両端では、電圧と電流は位相はぴったしのハズです。
まあ、純抵抗だったらですが、酸金抵抗に60Hzなので...                             

お~っ!こんなにぴったし合うのか!?
黄色:7.5Ω 両端電圧 
 7.5Ω両端を2V/DIVで観てるので、0.266A/DIV
水色:Closed Loop電流センサー(6T 7T)0.746V/A 
 0.746V/Aを0.2V/DIVで観てるので、0.268A/DIV
A/DIVが、偶然の一致でビックリです。
このセンサーの位相特性はいいですね~
この波形を観る限り、ステッピングモーターの電流波形の歪は
センサー側に起因するものではないと考えられます。

今度は、CT型センサーの出力と抵抗の両端
60Hzでも位相がこんなに進んでたとは!
頭冷して考えると(-_-;)
検出コアは、断然インダクタンス成分が支配的だからですね~
黄色:7.5Ω 両端電圧 
 7.5Ω両端を5V/DIVで観てるので、0.667A/DIV
水色:CT型電流センサー 1.0V/A 
 1.0V/Aを0.5V/DIVで観てるので、0.5A/DIV

もうちょっと複雑な波形を観たくなりました^^;
このTRIACの位相制御のコントローラーを使ってみます。
掃除機をCNCの集塵機として使う時にパワー調整してるものです。
US$ 1.62(45% OFF、送料 $1.56)
最近は送料無料が少なくなってきてます(T_T)
AliExpress.com Product - 2000W High Power Thyristor Electronic Volt Regulator Speed Controller Governor

一応、全景です。
リビングのテーブルを徐々に占領しています^^;
夕食の時間にはサッとどけないといけないのですが...

なかなかの一致です。素晴らしい~\(^o^)/
黄色:7.5Ω 両端電圧 
 7.5Ω両端を2V/DIVで観てるので、0.266A/DIV
水色:Closed Loop電流センサー(6T 7T)0.746V/A 
 0.746V/Aを0.2V/DIVで観てるので、0.268A/DIV

TRIACの位相をずらすと、こんなリンギングが!
2msecで3波長位なので、1.5KHzってとこです。
抵抗両端の電圧波形とぴったし!素晴らしい~
黄色:7.5Ω 両端電圧 
 7.5Ω両端を2V/DIVで観てるので、0.266A/DIV
水色:Closed Loop電流センサー(6T 7T)0.746V/A 
 0.746V/Aを0.2V/DIVで観てるので、0.268A/DIV

ということとで、
クローズドループの電流センサは、なかなかの性能っぽいので、
上と同じ波形でCT型のと比較してみます。

ありゃ~(´-﹏-`;)
今までCT型でこんなに狂った波形を観て喜んでたのか~(-_-;)
黄色:CT型電流センサー 1.0V/A 
水色:Closed Loop電流センサー(6T 7T)0.746V/A 

これも同じ波形のハズなんですが~
CT型電流センサーでは、全く様相が狂ってます。
1.5KHzのリンギングの所は、振幅が大きくなってるし、大暴れ(T_T)
黄色:CT型電流センサー 1.0V/A 
水色:Closed Loop電流センサー(6T 7T)0.746V/A 

で、クローズドループの電流センサ、気に入ったので
追加でポチろうとしてた時、見つけたのが、本命のこれ!
最初、テストしたのと同じと思ったけど、よ~く見たら
「2.5 ±2V」だったのです!!!
これまで実験してたのは、2.5 ±0.625V だったので
3倍以上高感度なのです!
最安値の店を探して、ここの6A品をゲットしました。
US$ 3.59(10% OFF、送料 $0.74)
2個だと送料 $3.45なので、翌日また1個と、地道にポチッ^^;
注文は1日差でも到着は1週間もズレました~(-_-;)
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実は、もう1店、同じ価格の店がありました。
店主は同じ人かな?
US$ 3.59(10% OFF、送料 $0.74)(2個だと送料 $3.45)
AliExpress.com Product - HCS-LSP 06A 10A 15A 20A 25A 30A 50A Hall Current Sensor

店のサイトには、この特性表が載ってて、

品番「06A」は載ってませんが、2.5 ±2V になってます。

このPDF Datasheetが、近そうです。
品番がちと違うけど、±6Aで±2Vの出力だし、内部回路も同じようです。
外形は酷似ですが、刻印がかなり違います。
この内容からすると、先の±0.625Vの範囲で使用しないと精度が落ちる
という考えは、間違ってたようですね~
出力:2.5±2Vなので、0.5~4.5Vの範囲で高精度のようです。

そのCloneだとすると、
帯域:DC~200KHzですが、最初の「-1dB」ではなく
「-3dB」とあるので少し落ちるかな~
まあ、これかどうかは定かでないし、大きな構造の違いはないだろうから
神経質になるほどではないでしょう。
ただ、入出力特性グラフが載ってないんです。

・・・待つこと2週間!
届いたものを、本体の端子で実測してみると
1A流しても出力は、2.5Vのまま微動だにしません(T_T)

もしかして、死んでる?、紛い物?、不安が過ぎりながらも
穴にリード線を通して、それに電流流すと、

出力が出ました。
1A流すと、2.668 ⇒ 3.020V 
なので、差:0.352V@1A・・・仕様:0.333V@1Aと5.7%のズレ!
何度やっても本体の端子では、ダメなので不良品かもですが、
リード線通せば、正常に動いてるので、まあいいや^^;

特性図をきれいに描いてみます。
1T(つまり穴にリード線通すだけ)はこの様になります。

3T巻にすると
1.0V/Aになり、なかなか使い易そうです!

***この後、3Tのつもりが、コアに4回通ってたので訂正(-_-;) 2023.12.1***

その3T 4Tで
1V/Aなので、0.5V/DIVで観ると、0.5A/DIV
1.33V/Aなので、0.5V/DIVで観ると、0.376A/DIV
立上りピーク:ほぼ2DIVなので、1.0A 0.75A
DCなのでOFFSET 2.5Vあります。

時間軸を拡大していって、

時間軸 4.2DIV程・・・420μsec で2DIV(1A 0.75A)立ち上がってるので
0.35 ÷ 420μsec = 833Hzかあ
もっと高速な波形を観たいな~

ノイズもオシロ自体のノイズに埋もれ、電流流しても増えません。
いいっ!

そうだ!
小型工作機CNC2418 その79」で登場したこれ使おう!
10~60V 20AまでできるPWMコントローラーです。
20A、ほんとか?という気もしますが
そのままでは、スイッチング周波数が高すぎるようなので、
Gateから220Ωで引っ張り出して、ATtiny85の方形波発振器を接続します。
使うといっても点線内の出力段だけです。
モーター用なのでMBRB30H60Gが付いてます。
今回は抵抗負荷なので不要なのですが、付いてるので^^;
DC電源は、普通の可変電源です。
***この図もコアに4Tですね~(-_-;) 2023.12.1訂正***

ちなみに、ATtiny85の方形波発振器のスケッチです。
*********
//*************************************
// 2020.4.10 ATtiny85
// ADC2(PB4)(pin3):VR1でFreq可変(DUTY固定)
// ADC3(PB3)(pin2):VR2でDUTY可変(Freq固定)
// PB1(6pin):PWM OUTPUT
// Timer1 Clock:CPU、Clock:8MHz(internal)
//*************************************

#define PWM_OUT 1 // PB1(pin6)
#define Freq_VR A2 // ADC ch2(pin3)(PB4)
#define Duty_VR A3 // ADC ch3(pin2)(PB3)

short Freq_Cont = 128;
short Duty_Cont = 128;

void setup() {
  // initialize
  pinMode(PWM_OUT, OUTPUT);  //PB1(pin6)
  pinMode(Freq_VR, INPUT); // ADC ch2(PB4)(pin3)
  pinMode(Duty_VR, INPUT); // ADC ch3(PB3)(pin2)
  
  // timer1 の設定
  TCCR1 = (1 << CTC1) | (1 << PWM1A) | (1 << COM1A1);

  //timer1 Prescaler 1/8・・・OCR1C=128で約10KHzにする
  // CS13 CS12 CS11 CS10
  //   0       1       0      0     CK/8 
  TCCR1 |= (0 << CS13) | (1 << CS12) | (0 << CS11) | (0 << CS10);
}

void loop() {
  Freq_Cont = analogRead(Freq_VR);
// OCR1C = Freq_Cont / 4;  // VR MINのOCR1C=0でOUTPUT:DC5Vになる
   OCR1C = (float)Freq_Cont / 4.046 + 2.0; // Freq_Cont:0~1023 で 2~255にする
// Freq CPU Clock 8000KHz / (OCR1C+1) / Prescaler
  Duty_Cont = analogRead(Duty_VR);
  OCR1A = (float)Duty_Cont / 1024.0 * OCR1C; // Duty比 OCR1A/OCR1C
    if (OCR1A == 0) {
      OCR1A = 1 ;
    }
}
*********

全景です。
Arduino UNOは、OLEDに周波数とDUTYを表示するためです。
***判り難いですが、コアに4T通ってます 2023.12.1追記***

10KHzでDUTY(HIGH期間)を短かめにざっくり調整して、

まずは、15Ωパラ(7.5Ω)の両端電圧
ATtiny85で直ドライブなので、立上りが鈍ってますが、まあいいかな^^;
ピーク:3.8DIV程なので、ほぼ1.0Aです。
GNDを共通にできないので、電流センサ出力と同時に観れないのです。

横軸 10倍!
Power MOS-FETのドライブが足りないというか、
・最初の速い立上り:Gate Capacityの充電期間
・次の遅い立上り:Mirror効果期間
がきれいに現れた波形です。と思います(-_-;)
Gateの220Ωの抵抗で定電流ドライブに近い形になってます。

では、HCS-LSP 06Aのコアに3T巻 4T巻の出力
1A/DIV 0.38A/DIVです。
OFFSET:2.5Vあるので、DCでは、垂直軸はこれ以上拡大できません。

オシロの入力をAC結合にして、水平・垂直軸を拡大!
0.2V/DIV・・・0.2A/DIVなので、1.2A程あります。
・・・0.15A/DIVなので、0.9A程あります。

同時に観測できないので、上の写真と
2つ上の抵抗両端波形の写真をGIMPに取り込んで、重ねてみました。
立上り・立下がりは、かなり一致してます\(^o^)/
Datasheetに、OP-AMPのSlew Rate相当の di/dt > 50A/μsec
とあるんです。
最初の1μsecで約3DIV=0.6A 0.45A立上がってます。
立下がりはもっと速い傾斜も観られます。
50A/μsec あれば、余裕で追従するわけですね~

もっと速い立上りのを観たくなってきました^^;
最も簡素なSEPP(Single Ended Push-Pull)でGateドライブ!
デジタルなのでトランジスタのバイアスなしです。
Gate抵抗、10Ω入れときましょうかね^^;
2SC1317、2SA719は、世に出てそろそろ半世紀かも?
***この図もコアに4Tですね~(-_-;) 2023.12.1訂正***

リビングのテーブルにセッティング完了!

まずは、負荷の抵抗両端波形
いいんじゃないでしょうか!

前のSEPPなしの波形がこれでしたからね~
かなり速くなってるのがわかります。

横軸を拡大!
立上り・立下がりとも、きれいなコンデンサ充電の過渡カーブです。
2V/DIV x 4DIV = 8V なので、1.07Aということになります。

前のSEPPなしで220Ωドライブの時は、同じ横軸でこれでした。

HCS-LSP 06Aのコアに3T巻 4T巻の出力、1A/DIV 0.75A/DIVです。
OFFSET:2.5Vで、DCレンジは、これ以上拡大できないので、

オシロをAC結合にして、0.2V/DIV、横軸も10倍に拡大!
0.2A/DIVのハズなので、平坦部≒1.2Aになります。
0.15A/DIVのハズなので、平坦部≒0.9Aになります。
抵抗の両端で計算したのと違うな~
「ハズ」が間違ってそうですが(-_-;)
まあ、電流値は置いといて、応答スピードの方を観ていきます。

前の黄色の波形の縦軸を引き伸ばして
上の波形に重ねました。

まずは、立上りの方から拡大!
7.5Ω両端の電圧波形。

HCS-LSP 06Aのコアに3T巻 4T巻の出力
立上り途中までキレイな直線になってるので、
di/dt(Slew Rate)による限界だと考えられます。
1μsecで5DIV=1.0A 0.9Aってとこなので、
1A/μsec 0.9A/μsecのSlew Rateってことになります。

また、黄色の7.5Ω両端の電圧波形をGIMPで縦に引き伸ばして
上の写真と重ねます。
立上りの最初が、明らかに追従できてません。

7.5Ω両端の電圧波形の立下がり
最も傾斜してる所、0.1μsecで2DIV程なので
2V/DIV x 2DIV ÷ 7.5Ω ≒ 0.5A
0.5A ÷ 0.1μsec = 5A/μsec ということになります。

HCS-LSP 06Aのコアに3T巻 4T巻の出力は、
Slew Rateで制限されたキレイな直線傾斜ですね~
1μsecでほぼ5DIV降下してて、縦軸 0.2A/DIV 0.15A/DIVとすると
0.2A/DIV x 5DIV = 1A/μsec
0.15A/DIV x 5DIV = 0.75A/μsec
のSlew Rateになるので立上りと同じですね~
Slew Rateは、内蔵アンプ後段の性能でしょう。
これは、コアに3T巻 4T巻いてるから
コアに通すだけの1Tでは、3A/μsec 4A/μsecになると思われます。

黄色の7.5Ω両端の電圧波形をGIMPで伸ばして重ねます。
立ち下がり開始のタイミングが合ってるかわかりませんが
大きく差が出ました。
水色は1A/μsec 0.75A/μsecしかないからですが、
黄色は、抵抗両端の電圧波形を水色に合わせてるので
実際の電流も、このスケールだと考えると、
最も傾斜が急な所、0.1μsecで0.7A程なので、7A/μsecになります。

いや~、これはいいものに出会えました!

やっぱCNC2418のステッピングモーターの電流波形も観るかな^^;
またコアに巻いてコネクタつけるのは面どいので(-_-;)
再び、これに登場してもらいます。

最後の感度のいいのでやればよかったんですが、面倒くなって
最初に届いた±6Aで出力2.5±0.625Vの「BCHCS-LPS-06A」
のコアに6T 7T巻いて作ってたのをまた使います^^;
6T 7T巻くと仕様からの計算で、0.625V/A 0.729V/A
実測値で、0.746V/A だったものです。

上の写真のやつを
CNC2418の基板WoodpeckerのX軸のコネクタに取り付けます。
CNCの上方から裏をみたところです。

久々の登場なので前からも^^;
この日は、切削はしてませんが、ずっと動かしてなかったので
XYZ全部を端から端まで慣らし運転しました。

では、F500で左右を移動させて、
X軸のステッピングモーターの電流波形を観ます。

えっ!何!このノイズ!?
もしかして、実機ではノイズが乗りまくって使いないのか?

と思ったら、電流センサーの電源OFFでした~(-_-;)
ポータブルのリチウムイオン電池から摂ってます。

電流センサーの電源ONすると、
お~っ!なかなかきれいな波形が!
このCNC2418のステッピングモーターは、
 17HS1352-P4130は、1.8°/step、2.1Ω/phase、2.5mH/phase
最初の階段波のピーク部の歪があったのは、
 17HS8401、1.8°/step、1.4Ω/phase、3.0mH/phase
巻線抵抗値の差が影響してたのかな~?

以前「小型工作機CNC2418 その69(CT電流センサ)」で観た波形です。
電流設定とか変えてないので、条件は変わってないハズ。
ほとんど同じに観えますが
上のClosed Loop電流センサーの方が階段部が明瞭に観えます。

Closed Loop電流センサーの波形を拡大していきます。

リサージュ!
上の波形の水色がX、黄色がYです。
ちょっとオニギリっぽいです(T_T)
ゼロ付近の歪のせいだと思われます。

更に時間軸を拡大すると
お~っ!Decayの様子を捉えることができました!
いつものハンディオシロ DSO QUAD DS203なのです。

更に横軸を2倍に拡大!
凄い!
ノイズが観えず、帯域が数百KHzあるので、ここまで観えるんですね!
水色のギザギザで約30KHz
黄色の小さなギザギザで約40KHz ってとこでしょうか。
振幅は40~50mAほどかな。

F100でやってみます。

なかなかきれいな階段波です。

リサージュは、上下はほぼ均等になりましたが
左右が右伸びですね~

HOLDするの忘れたので、波形がブレてます。

これもHOLD忘れで
トリガがブレて多重で写ってます。

横軸を更に拡大!
幸いこれは、HOLDして撮影してました(^^)
Decayの細かいギザギザを捉えることができてます。

「クローズドループ・センサー」とても気に入りました(^^)
DC~200KHz辺りまでをこの価格で観れるのは、とても魅力的です。
まともなカレントプローブは、数十万円もして高価で買えません(T_T)
まあ、帯域はもっと広いですが。
コアに穴が空いているので、どこまでいけるかわかりませんが、
もっとリード線巻いて、感度を高められそうです。
まあ、巻き過ぎると、Slew Rateが落ちるので、その兼ね合いですが^^;

3種類を並べてました。
上:2.5V ±2V @±6A       、1本足、HCS-LSP-06A
中:2.5V ±0.625V @±6A、1本足、BJHCS-LSP-06A
下:2.5V ±0.625V @±6A、3本足、HCS-LTS-06A
色の違いは写真では分かり難いですが、
上と下は同じ色、中央がやや薄いくすんだ青です。

順番は上の写真と同じです。
3本足のは、穴形状が異なってます。
リード線を巻くの前提なら、穴が大きい上2つがいいですね。

ちょっと欲が出てきました^^;
コアへのリード線の巻数で出力感度を調整できますが、
正確なV/Aに調整したいし、更に増幅したりしたいですね~
ちょっとOP-AMPで回路考えようかな~
電流波形を観て喜ぶだけという気もしないでもないですが(-_-;)...

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

6Tで19%の誤差の件ですが、画像を見ると7T(リード線がコア中心を7回通過)になっているようです。

マーティーの工房日誌 さんのコメント...

間違いを教えていただき誠にありがとうございますm(_ _)m
あ~~っ!なぜコアの中の線数を数えなかったんだろう?
分っているのに、こういった超アホな間違いをよくするんですよね~(-_-;)
十分に見直して、後日、修正させていただきます(^^;

匿名 さんのコメント...

自分もステッピングモーターの電流を見ようと最初ACS712を試しましたが周波数特性やノイズでPWM波形が見えませんでした。その後、こちらでクローズドループタイプの使用例を見させていただいたので同種の電流センサーを入手しPWM波形がハッキリ見えるようになりました。こちらこそありがとうございました。

マーティーの工房日誌 さんのコメント...

ご返信ありがとうございます。
微力ながらお役に立てて良かったです。
いや~修正してたら、自分でも呆れるほど間違いだらけでした~(-_-;)
ちなみに、間違いだった「19%」すら計算間違いでした(T_T)
この様なご指摘を受けると記憶に刻まれるので助かりますm(_ _)m