2017年8月12日土曜日

TQFPアダプタソケット製作(中編)

前回に続き「中編」になりました。
アダプタの下に基板を付け水晶発振子なども付けて
Arduino Unoのシールドにしたいのです。

回路図は、
ここの(水晶発振子あり)を参考にさせていただきました。
で、これは、パッケージがDIPなので
TQFP 32pinの回路図を起こします。
Bootloader書込機にしたArduino Unoと
ターゲットのATmega328P-AU 32pin TQFPとの接続です。
何で描いたかは内緒です。(ヒント:Pで始まる)
基盤の作成にとりかかります。
EAGLEは、まだインストールしておりません。
使い慣れた?Fusion360で描くことにします。
前回のアクリルの台座の穴位置に合わせ易いという言い訳です。

スケッチです。
う~ん、やはりFusion360はパターン向きではないようですね~
左右の四角群は、Aiduino Unoのピンヘッダ位置合わせ用。
Fusion360のスケッチでパターン考えるのは慣れません。
最後の方でやっと描き方に大分慣れてきました。
オフセットとフィレットを使うと
箔間距離を保ちつつ、曲線も早く描けますね~。
ひとつのスケッチ面に沢山描いていくので
だんだん重たくなってくるのがわかります。
最後の方は、1本の線をトリムするのに5秒位かかります。
モデルで銅箔パターン部を0.1mmプレスアップします。
凹んだ部分を切削すれば銅が削れパターンができるという戦法です。
もう一枚
モデル厚は、1.5mm、銅箔部を0.1mmプレスアップするので
板厚1.6mmになります。
選択状態にしている青が凹んだ部分です。
左の白部は中央の四角穴。
で、出来上がったモデルはこれです。
外径 50 x 54mmです。
穴が半月になっている所はご愛嬌ということで。
ドリルの穴開けはこれでも大丈夫なのです。
ジャンパーで飛ばす所が1箇所。
ピン間に細~いパターン通したくなかったし
0.6mエンドミル 1本でやることにしたので。
その内、Vカッターと0.6mmの2本/2工程で
細~いパターンもやってみようかと思います。
では、
CAM設定に行きます。
1.穴開け(0.6mm)

 [ドリル]使います。
 
刃径:0.6mm、軸径:3.175mm ドリルビットです。
今回は、溶着しないので一気に掘っていいでしょう。
[サイクルタイプ]:「ドリル-早送り退出」
で一気に底まで掘り込んでいきます。
500rpm(50% Duty)です。
[切り込み速度]:5mm/min(弱腰です)
後で見直すと、
[退避送り速度]:50~100mm/minがよかったです。
何も考えずに[切り込み速度]と同じにしていたら
退避位置から表面への移動が遅すぎて無駄な時間がでました。
2.穴開け(0.8mm)
 [ドリル]
 刃径:0.8mm、軸径:3.175mm ドリルビットです。
 0.6mmと同じです。
3.パターン
[2D]-[2D]
[3D]-[ポケット除去](2017.10.1修正) m(_ _)m
以前にPCBを切削した時、最大0.3mm程も反っていたので
モデルは、0.1mm掘り込んでいます。
HeghtMapができればいいのですが壊れています。
様子を見て、削り残しが出れば
これを繰り返そうと思っています。
パターンの最小間隔 0.7mm
外周の縁も銅箔を少し削ります。
切削設定はこれです。
4.中四角の縁削り
中心四角部は、穴を開けるので縁の銅箔を少し削ります。
5.輪郭(内側)
6.輪郭(外側)
エンドミルと切削条件は同じなのですが
タブの間隔を変えるので別々に設定します。
ポスト処理(Gcode吐出)は、一緒にします。
内側
外側
切削条件はこれです。
シミュレーション結果です。
真上から(銅箔面)
Fusion360のモデル上は真下からです。
切削開始です。
まずは、0.6mm穴開けから
0.6mm穴開け
掘り込みスピードが遅すぎました。
表面は銅だし、ビットが1本しかないので慎重に!
紙フェノールなのでMDF並だとは思うのですが。

掘り込みスピード(Z軸)はFeedで変わらないのかあ?
と思いきや、変わっていました。
あまりに遅くしていたので変化が目視でわからないのです。
掘る時間を測ると早くなっていました。
結局、Feed:200%で
5mm/mim ⇒ 10mm/minです。1穴14秒!
20mm/min位でも良さそうです。
間もなく終了。
こんなに時間がかかってしまいました。
次は、0.8mm穴開け10本です。
これもFeed:200%ですが、ノロノロでした。
さて本命のパターン切削です。
というかパターン外堀切削ですが。
0.6mm トウモロコシ エンドミル使います。

退避位置から表面へ
Z軸が降りるだけで削っていないランプ部分が
あまりにも遅いのでCAM設定を変更してGcodeを作り直します。
削り方の規則性がよくわかりません。
広い所からあちこち動き回って削っています。
初めての基板作りなので
動画を3本。
深さは0.1mmのはずです。
反っていなければですが。
最後のはちょっと長いです。
見てたら面白いので調子に乗ってしまって
箔間距離0.7mmを0.6mmのエンドミルで切削しているので
基本的には同じ所を2回通っています。
エンドミルより溝が細いとツールパスができないんです。
パターンは終了して
外枠の銅箔削りに移っています。
削り残しはないようなので
もう1回削らなくて大丈夫そうです。
上の写真の様に
PCBの長手方向の辺を全面的に固定したのがいいのか
ゼロ点調整を端っこでやったからだと思います。
見た目、PCBの反りは、4角の4点固定よりは
少ない感じがします。
たぶんX軸方向の中央部が浮いていると思われます。
写真ではわかりませんね~
まあわからないくらいの反りということで。
終わりました。
元のGcodeは、S700、F100です。
Overridingは、Feed:120%。
最後のタブ付き輪郭です。
切削中~
エンドミル1.0mmだと随分早くできそうです。
と思ったら、慎重すぎて1回の切削深さ0.2mmにしておりました。
だんだんFeedを早くしていって
結局、Feed:200%で200mm/minになりました。
状態を見ながらジワジワ変えられるのはいいです。
完了です。
タブもいい感じに付いています。
下に敷いていたベニヤ板も均等に掘られています。
アップ。
思うに
もはや”PCB:Printed Circuit Board”ではなく
Cutted Circuit Board:CCB
なんか響きが良くない気がする。
Milling cutted Circuit Board:MCB
と言った所でしょうか?
素晴らしい時代を感じさせます。

先に作ったTQFPアダプタ台座部の金メッキ線を基板の穴に通します。
穴位置ピッタリなので
全32ピンを入れるのは思ったより簡単でした。
別アングルで。
部品面から。
一箇所
箔間0.6mm未満になっている所があって
そこだけ削られてなかったのでカッターで切ります。
金メッキ線を通す時に気づいたから良かったものの
気づかなかったら、大きな被害になる所でした。
5VとGNDがもろショートでした。
他もじっくり眺めて点検します。
改めてFusion360のツールパスを見返すと
ツールパスがないですね~
ここは
[工具制限境界]は、通常「工具中心境界」ですが
「工具内側境界」にすると良かったみたいです。
説明を読むと
”中心境界"より"内側境界"の方が
狭い所でパスができないような気がしますが
「工具内側境界」にしてみると
ちゃんとツールパスができています。
これを利用すれば、箔間0.6mm未満でも
0.6mmのエンドミルで切削できますね。
基盤ができたので
パーツをはんだ付けしていきます。

銅箔に指紋がついて錆びそうなので
手で持つ四隅をこのポリイミドテープで
取り敢えず、適当に保護します。
こんな感じに
周りの足をハンダ付け終了。
全面に張って、レーザーでランドだけカットできないかなあ?
ブルーレーザーでは切れないだろうな?
試してみる価値はあるかもですが。
切れたとしても位置合わせ難しそう。
パーツを準備します。
チップ部品は持っていないので
アキシャルリード品ばかりです。
全部品のハンダ付け終了。
Arduino Uno、台座、蓋を並べます。
Arduino Uno(ブートローダー書込機)に
シールドとして台座を装着!
更に蓋をかぶせます。
ATmega328P-AU 32pin TQFPアダプタシールドの完成です!
一応、赤マジックで1ピン目印つけました。
いい感じ、上出来!
自己満足に浸って、しばし眺めます。

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