2017年10月28日土曜日

小型工作機CNC2418 その39(キッチン水栓の恒久修理)

CNC2418で実用がでた時は、この表題になります。
それと、よい素材を見つけたのであります。

MDFで応急修理して早2週間過ぎようとしています。
MDFも水を吸い始めていると思うので急がねばなりません。
下手な溶接とアナログ加工を駆使して特殊レンチが無事できあがったので
キッチン水栓のガタガタの修理をします。
さて、水栓のナットを外す前に、裏の当て板を作っておかないといけません。
どうしようか?木は論外なので
アクリル板の 3mmか5mmを重ねようか、堅いゴム板にしようか
ホームセンター GooDayでウロウロ物色していると
10mm厚のまな板が目に止まりました。
重さからして中は巣になってないと思われます。
店内でまな板を光に透かしていたので変なおっさんと思われたかも?
銀イオン配合の抗菌まな板、ポリエチレン 320 x 200 x 10mmです。
今回は関係ないですが食品衛生法適合しています。
裏の当て板の大きさは、シンクの上から決めれます。
Fusion360で外径:Φ62、内径:Φ35 高さ10mmを描きます。
以前、塩ビのパイプの切削の時に
トウモロコシ型エンドミルで溶着を起こしていたのを
このPVC(ポリ塩化ビニル)用エンドミル 2LX3 212(Φ2.0)に変えると
トウモロコシ型エンドミルよりも良好であることがわかっています。

今回は、塩ビパイプより溶着しそうな感じがするので
1フルートのエンドミルを使ってみます。
”フルート”とは、先端の刃の数です。
当初はこれ、"フルート"の使い分けも知らず
特に溝が、かっこよくていかにも切れそうなので買っていたのです。
Φ2.0のこれを使います。
   MODEL      SHK     OVL  CED  CEL
1LX3.212     3.175     40      2     12
昔の塩ビパイプ切削では、
2フルートでS200 Feed:200mm/min 切削深さ:0.5mmでうまくいってたので
今回のCAM設定は、1フルートでS400 Feed:200mm/minにします。
1回の切削深さ:0.5mmです。
GRBL v1.1fなのでCandle v1.1.7にGcode読み込みます。
CNC2418にまな板ごと固定しますが、大きいので固定に一苦労。
エンドミルが固定具に接触しないように
予め加工の最外周円をマジックで引いています。
では、内側の穴切削を動画で
これは、いいですね~!
柔らかいのでサクサク削れます。
エンドミルのねじれ方、切削屑の排出を考えての溝だったんですね。
飛び散りが激しいのは、仕方がないですが。
手持ちの集塵ホースはご愛嬌ということで...
やっとフルートの使い分けがわかってきたかな?
すばらしい削れかた。エンドミルでこんなに違うとは驚きです。
深さ設定を0.5mm過剰にしてタブができず、内側が最後の方で動いたので止めます。
危なそうな気もしていたので最後手で押さえていてよかったです。
貴重なエンドミルを折らすところでした。
中を取り出します。
外側だけのGcodeを作り直して再開します。
S400 Feed:200mm/min 切削深さ:0.5mm
途中からS:118% Feed:150%にしたので
S480 Feed 300mm/minでも大丈夫ということになります。
外側切削を動画で
できあがり~!
10mmは分厚いです。
これは、思いのほかいい素材を見つけました!
中は巣が全くなくぎっしり詰まっています。
プラスチック界のMDFと言ったところかな?
今度は、裏のタブがうまくできています。
取り出しました。
まな板は、Lサイズもありますが、Mサイズだとなんとかステージに固定できます。
Mサイズで530円。
10mm厚なので、重ねたりして色んなものに使えそうです。
切削屑が沢山くっついています。
でも切削屑を取ると、端面はスベスベです。
ちょっと調べると、これはたぶん高密度ポリエチレンだと思います。
ABSと比較して伸び率が10倍以上高いようですが、衝撃性はいいです。
耐アルコール性は、ABSより良いようです。
耐酸、耐アルカリ、耐食用油も良好。
まさに、まな板の様なキッチン向き素材のようです。

それでは、いよいよ水栓のナット外しに取り掛かります。
レンチがナットにピッタリなので楽に回せます。
が、作業するにこのホースが邪魔なので外します。
小物用シンクがあるのでそこからの排水のためのホースです。
手で回して直ぐに外せました。
シングルレバー混合水栓なのでお湯用と水用の蛇口を閉めます。
水栓とは、ここで接続されています。
調べると、このタイプですね~
簡単に脱着できるタイプでラッキーでした。
出所:三栄水栓
ですが、水の方が、かなり錆びています。
応急修理の時にKURE 556を振りかけていたのですが、大丈夫かな?
お湯の方は錆がないのでパイプも手で簡単に外せました。
水の方も留め具は、手で外せましたが、
やはり錆びて固くなっていたのでプライヤーでジワジワと外します。
無事ナット一式が外れました。
ボロボロになった木が落ちてきます。
右下の黒いのはパッキンゴムの欠片のようです。
この3つで止められていました。
ゴムのパッキンもありましたがバラバラになっていました。
応急修理のMDFを取り去ります。既に随分水を吸っています。
短い間ですがご苦労さんでした。
この際、水栓レバー裏側等の水垢などをきれいに洗っておきます。
ガスケットというかOリングも買ってきております。
このOリングも20年経っているので、新品に取り替えます。
家のは、Oリングは、1個でした。4つ買ってきてしまった。
このパッキンのリングゴムも買ってきています。
水栓取り付けの上側のパッキンも取り替えます。
元のよりやや分厚いです。
径がギチギチなので先に入れておきます。
ボロボロになってた下側のゴムパッキンも新品に取り替えます。
ポリエチレンまな板をCNC2418で作った当て板を入れます。
ナット止めうまくいきました。
きちきちレンチでなかなか締めやすい。苦労して作った甲斐がありました。
当て板はもうちょっと大きい方がよかったかな?
水栓からのホースを接続して止め金具を装着します。
修理完了です!
ごく普通のシングルレバー混合水栓です。
取り外したついでにレバーの中の水垢も洗ってたのでレバーが柔らかくなりました。
水道シリーズは、これで終わりです。
残った"ポリエチレンまな板"で何か作りたくなってきました。


キッチン水栓の特殊レンチ製作(その2)

前回(その1)では、作りが悪くナットを緩めることができませんでした。
乗りかかった船!できるまでやります!

まずは、車で10分、GooDayへでかけ部材を物色します。
53mmの角ワッシャー(\74)にしました。
厚み、奮発して 6mm!
鉄だから何とか切れるでしょう?
Fusion360でこんな図面を出して
見えにくいですが、ケガキを入れます。
さて、この年代物の金切り鋸で切っていきます。
分厚い鉄なので長期戦になりそうです。
思ったよりよく切れてくれます。
右側の縦切り終わり、左側へ
左側も間もなく終了。
ゆっくり切ると有酸素運動にもなっているかな?
穴に鋸刃を通して
横斜めに切っていきます。
"U"字型に切れました。
角が僅かにつながっているだけなので
手で折り曲げて分離します。
この厚みを手動鋸で切ったのです、我ながらよく頑張りました。
グラインダーできれいに整えます。
レンチらしい形になってきました。
開きは、37.5mmより広く、37.7位あります、いいでしょう!
公称ナット径38mmなのでいい感じだと思います。
角も切り落としました。
レンチ部が完成ー!
アンカーボルトの腕を取り付けるため、またナットを溶接します。
針金で仮固定。
裏庭の臨時溶接作業場の全景です。
草刈りはまだです。
う~ん、よろしくないですね~
前回と打って変わって最悪か~
裏側。
スラグを取って、2回目。
悪い箇所に盛り込んでいきますが、なんか汚いんですよね~
裏側は、まあまあかな?
おっと、極性を間違えていました。
ふとソケットの下の説明を見ると!「+」と「-」が逆です。
アースを「-」にするのは、薄板の時でした。
恥ずかしながら、今まで逆で覚えていました。
(その1)では、偶然、+とーを間違えてうまくいったようです。
改めて調べてみると
ここ溶接人さんの溶辞苑って所が分かり易いです。
ここで「ほ」から「棒プラス」と「棒マイナス」を見ると
こういうことだったんですね。
今頃気づいたマーティー(´-﹏-`;)

厚いものを溶接するので棒マイナスにして、3回目!
ダマになっている辺りに盛ります。
やり易くなった感はありますが、もはやきれいには修復できません。
強度的には大丈夫になったかという感じ。
裏側
スラグを取りましたが、接合部に溝などあります。
もう一個作る元気はないのでこれで良しと!
裏側は、ちと盛り過ぎ。
盛り過ぎている所をグラインダーで削って形を整えます。
実は、針金での仮固定が緩く、ナットがセンターからズレています。
このアンカーボルトをナットで固定します。
完成~!
ん~ん、できあがるといいですね~
ワッシャーで作ったとは思えない感じ! しばし一人で酔いしれます。
シンクの下に潜り込んでナットに合わせます。
きちきちでいい感じです。
拡大。
右の方もピッタリです。
ちょっと回してみると滑らずにすんなり緩みました。
ボロボロになっている当て木を交換しないといけませんが
当て板を作ってないので、ナットは、まだ外しません。
所で、これを買っていたのを今頃思い出しました。
眼を凝らしてノギスのバーニアで読むのが苦になってきたので
デジタルノギスをモノタロウさんから全品15%引きの日を狙って購入。
最大200mmです。
内径:37.72mm
ちょっと狭めですが、ナットには、ピッタリだったのでいいでしょう。
目に優しい~デジタルノギスいいです!
さて、特殊レンチができあがったので、ようやく水栓の恒久修理に移れます。
長くなってしまったし、当て板の製作と修理編は別にします。

水栓の事を調べている内にこんなものに出くわしました。
シンクの下に潜って特殊レンチで面倒な施工しなくてもいいように
こんな構造の水栓がありました。
出所:三栄水栓
上から取り付け工事ができるようになっています。
出所:三栄水栓
同様の構造ですが、こんなのもありますね~
出所:LIXIL
次、水栓が壊れた時には、これ買うことにしようかな。
古いのを外す時は、特殊レンチを使わねばなりませんが
その前にキッチン全体を改装しなければならないのかも?