2017年11月4日土曜日

小型工作機CNC2418 その40(めがねの修理)

またCNC2418の出番です!

折りたたみ式の老眼鏡が壊れたということで修理依頼が来ました。
この真中の所が折れ曲がるのですがジョイントが折れているのです。
拡大すると、これは、CNC2418さんで作れそうです。
ビスを外して、折れたパーツを取り外し、瞬間接着剤で接続します。
これでは、強度が全然足りません。
測定するために接着したのです。
横幅:16.26mm
 縦幅:4.93mm
厚み:2.80mm
う~ん、デジノギいいです。
穴は測定できないので
ドリルは、この1.1~2.0mmのセットの中から探します。
この1.5mmが、ほぼピッタリです。
両サイドは、1.4mm と 1.6mmです。
インクジェット複合機で1200dpiでスキャンします。
画像処理ソフトで傾きを修正して
更に周辺を透明にしてPNG形式にします。
周辺を透明にするとFusion360に取り込んだ時に作業し易くなります。
これをFusion360の[挿入](山アイコン)から取り込みます。
XY面を指定して、[イメージを選択]ボタンを押して
メガネパーツの画像を開きます。
この様に張り付きます。
取り込んだ画像は、正しい寸法で張り付かないので
測定した外径寸法の長方形をスケッチで描きます。
取り込んだ画像の寸法をFusion360上で測定すると13.985mm
16.26mmからだいぶ小さいです。
ここで画像の[フィーチャー編集]をします。
実際の寸法:16.26mm
Fusion360取り込み時の寸法:13.985mmなので
16.26÷13.985=1.16倍にすればいいです。
フィーチャー編集の[Xの尺度指定]と[Xの尺度指定]に
「1.16」を入力します。
この矢印をドラッグして画像を移動します。
最初は、ステップが大きいですが、画像を拡大すると移動ステップが小さくなります。
スケッチで描いた 16.26mm、4.93mmの長方形(水色エリア)の
片辺に画像の端を合わせます。
かなり拡大して0.1mmステップで移動します。
片側を合わせて、反対側を見るとほぼ合っています。
後は、外径と穴をスケッチでなぞって厚み分プッシュしてパーツができました。
裏から
Fusion360のCAMに行きます。
まずは、穴の設定、[ドリル]の工具設定です。
溶着しないように回転はかなり遅めです。
[サイクルタイプ]:[深穴ドリル - 完全退避]
ベック深さ:0.5mm
これで0.5mm掘る毎に退避位置まで上がって屑を排出します。
Fusion360 CAMの「深穴ドリル - 完全退避」説明はいつも便利です。

外掘は、[2D]-[輪郭]です。
アクリル板なのでPVC用エンドミル使いますが、2.0mmしかありません。
工具設定はこれです。
以前のQFPGアダプターの切削での経験値です。
タブを付けます。
複数深さにして、0.3mmずつ、均等切り込み、です。
シミュレーションします。
ポスト処理します。
[G28 Safe retracts]を[いいえ]にします。
Fusion360がバージョンアップされた後は、ここが「はい」に戻るようです。
まず穴のGcodeをCandle v1.1.7 に読み込みます。
アクリル板?をセットします。
ドリルは、この1.1~2.0mmのセットの1.5mmです。

穴開け開始。
穴開け終了。
2分17秒です。
エンドミルに交換します。
PVC(ポリ塩化ビニル)用 2フルート 2LX3 212(Φ2.0)です。
プラスチックはこれがいいです。
Candle v1.1.7 にGcode読み込みます。
終わりました。2分3秒。
屑が絡まっていますが溶着はしていません。
どうもアクリルより柔らかそうな感じ、アクリルじゃないのかな?
裏側です。微妙にタブ以外も残っています。
ずっとアクリル板と思っていた板、数十年前に購入してたと思うのですが
切削状態を見ていると、どうもアクリルより柔らかそうな感じなのです。
この”笠井産業 カピロンプレート”ってのを調べてみると
PVC(塩ビ)とABSがあるということですが、実物に何も書いてありません。
マーティーは、触ってわかるほどのプラスチック通ではないのですが
PVC(塩ビ)ではないかと思われます。
ABSは削ったことないのでよくわかりません。
アクリルより弾力があって今回の用途には返ってよかった気がします。
カッターでタブを切って取り出しました。
左:オリジナル      右:今回製作
オリジナルの厚みは、2.80mmです。
掘り出したものは、3.09mmなので、サンドペーパーで削って薄くします。
2.81mmになりました。
取り付けます。
一発でピッタリというのは、気持ちいですね~
拡大。
色が違いますが正面からはわかりません。
真上から。
広げたところ。
裏側から。
実はこれ百均のだということです。
最初は新しく買えばいいと思ったのですが、CNC2418で部品を作りたくなったもので。
全部折り畳むとここまでなります。
こんな風に。
 片方を広げて
広げて
広げて~ 
こうなります。
百均を甘く見てはいけませんね~
よくできています。
ということで修理完了!
いや~CNC2418は便利です。Fusion360様々です。

6 件のコメント:

昔青年 さんのコメント...

今晩は
いやはやなんでも作ってしまうマーティーさんの面目躍如といったところですね。
Fusion360の手順の紹介ありがとうございます。
当方は、Fusion360を勉強するなかで、これは、3Dプリンターで使うしかないと思い込みました。(じつは、購入のための理由付けですー笑-)
某中華格安キットを手に入れ、本日初プリントまでこぎつけました。
CNC2418組み立てでの経験が非常に役立ち、面だし(ベッドの水平だしと言うらしい)も比較的スムーズに行きました。
CNCと違って、先人の3Dデータ(STLをGcodeに変換して利用)が色々とアップされているので、ソフト見習い中の当方には、まことにありがたいかぎりです。

マーティーの工房日誌 さんのコメント...

昔青年さん、こんばんは~
マーティーの最も不得意なのは、国語であります。
"面目躍如"・・・熟語は特に???です(^^ゞ
"めんもくやくじょ"って読むのかあ~、ふむふむ勉強になります!
3Dプリンター買ったんですか!羨ましい。
私も欲しいですが、どうしても置き場所がないのです。
3Dプリンターだったら静かなのでリビングに置けないかな~?
臭いがするんだろうか?などと模索中です。

昔青年 さんのコメント...

臭いは、ノズルの温度設定を適切に行えば、気になりません。
初心者の当方の所でも気になるほどの臭いはしていません。
ただ、ランニングコストが結構かかります。
フィラメントが1Kgあたり2千円から3千円(安いもので)します。
まあものは考えようです。(趣味にコストパフォーマンスを持ち込むのもどうかと?)

マーティーの工房日誌 さんのコメント...

おっ!臭い、気になりませんか!朗報です!
年金生活にはコスパは重要です!(笑)
と言いながらなんやかんや買っていますが...
前々回の水栓修理で見つけた、抗菌まな板
ポリエチレン 320 x 200 x 10mmが600g弱です。
1Kgで約2枚分、どれ位のものが作れるか想像できました!
3Dプリンタは、CNCみたいに加工面をあまり考えなくていいし、夢が広がりますね~

昔青年 さんのコメント...

追伸
造形物は、その密度を変えることができます。
通常は、20%程度で十分なようです。斜め格子文様で積み上げていく等々です。
ちなみに、STL-Gcode変換(フリー)ソフトでも材料(樹脂)の価格データ等を入力すると完成所要時間、重さ(グラム)、費用まで、LCD表示されます。

マーティーの工房日誌 さんのコメント...

内部を格子状の巣にできることは知っておりましたが
通常20%程度ですか!それはすごい!
どうしてもまな板が浮かびますが(笑) 10枚分も
1枚100~200円、いいですね~
情報ありがとうございました。