2018年4月14日土曜日

小型工作機CNC2418 その50(スパイラルVカッター自作への挑戦-前編)

これは、スパイラルVカッター自作への挑戦です。
この際、成功か失敗かは、置いといて、ここ1ヶ月程の長~~い奮闘記録です。
右往左往の記録、後で読み返すと意外と面白いので...

少し前の小型工作機CNC2418 その46(外部SW用PCBの加工)の時に
偶然見つけたこのYoutube(※1)、0.4mmピッチですが、切れ味が格段にいいのです。
ドリルとVカッターの融合みたいで、ずっと気になっていました。
(※1 元のURLが消えた、下のショットと違うが、後半にでてくる。2019.3.24)
もう一度、見ると、0.4mm PITCHというのは、中央のチップのPIN間のようです。
なので最小箔間・箔幅は、0.2mmじゃないかと思います。
WEGSTR CNCさんのYoutubeのスクリーンショット
wegstr.comって所に売っている「30° - spiral carbide engraving bit」※2
(※2 2019.3.24 URL更新)
「Product Code: 30° - spiral carbide engraving bit」で
5本組 €15.6 (Ex Tax: €12.9)意外とお手頃価格!
と思っていたら...
改めて見ると、何と1本の価格でした(´-﹏-`;)
こりゃ~手が出せませんね~
出所:wegstr.com
それで、2.0mmのドリルビットの安いのをポチっていたわけでして
10本でUS$ 2.99!

届いたので、これでスパイラルVカッター(モドキ)を作れないかな~と。
CNC2418のスピンドルのコレットに装着します。
このグラインダーの右側のダイヤモンド・ソー・ブレード使います。
スピンドルは、DC電源で12Vで回しながら削ります。
逆回転がいいでしょう!
1本1~2分で、削り終わりました。
これは、回している状態です。
3本作りました。
一番上は、削っていないもの
下3本です。同じ長さに削るのは難しいですね~
拡大します。
改造前。普通のドリルビット、2.0mmです。
改造No.1
改造No.2
 改造No.3
先端が尖ってないので、砥石で研いでみます。
包丁を研ぐための砥石は、
左下から#120、#250、#800、#6000 と他に#3000があります。
#250で軽く研いだ後、#800で研ぎ、#6000もやってみますが、
砥石だけがすり減って、研ぎ汁は全く出ません。
(中程の色が薄くなっている所)
ダイヤモンドシャープナーってのを使うことにします。
荒目と仕上目があります。
CNC2428のスピンドルに装着して6Vで低速・逆回転で研ぎます。
仕上目で研げましたが、先端のエッジが全然立っていませんね~
研いだ面は、最初よりキレイになっています。
ちょっと回転させて~
グラインダーのダイヤモンドソーが荒かったのかカゲって(下側の刃)います。
こうなるのは、予測できたので反対回転したのです。
切削で使用するエッジは、カゲっていない方(上側の刃)なのです。
3本目のNo.3が、意外といいかもしれない。
この先端をもう少し研いでみます。
彫刻刀に付属してい砥石にオイルを染み込ませて、5分ほど研いでみました。
ん~ん、少~しエッジがキレイになったかどうか?
指で触ると先は結構尖っているのです。
ちょっと、普通のまち針の先を同倍率で見ると
まだまだ尖らさないといけないですね~
もうちょっと研いでみることにします。
彫刻刀に付属していた砥石と研ぎ用のオイルを使います。
10分間研ぎ、更に#6000の砥石にもオイルを塗って5分間。
どうしても先っぽが尖らないですね~
よーく見ると、先っぽが少~し滑らかになっています。
角度を変えると、これ意外といい方向にいっているかもです?
下のスケールのメモリは、最小が0.1mm
テーパーを大きめにして研いでみます。砥石側のすり減りが速いです。
#6000なので研ぎ面は、なめらかにはなっていますが
砥石では、この辺が限界ですね~
そういえば、庭の砂利の中に石英があるはずです。
ちょっと石器時代に戻ろうかと思いましたが
あっ!アルミナってのが頭に浮かびました!
昔~~し、使っていたロングサイズ調整ドライバーの先っぽがアルミナのハズです。
モース硬度:9らしい。石英:7らしい。お~石英より硬い。
タングステンカーバイトの8よりも固く、シリコンカーバイトに迫るようです。
その調整ドライバーの先っぽ。
ちなみにさっき拾ってきた石英っぽい石に傷がつけれます。
石英っぽい石の角でこすっても全く傷が入りません。
いいかもしれない!
砥石として機能するかどうかわかりませんが、期待に胸を膨らませて、いざ!
試しにNo.1のやつをCNC2418に装着して、外部電源で逆回転させて
ほんの数十秒、アルミナを当ててみました。
アルミナの表面が金属色になります。
いい兆候です。
あれだけ先を尖らせるのに苦労したのに
ものの数十秒でこれです。
アルミナさん、素晴らしい~!!! アルミナ側はびくともしていません!
No.1の360°回転を動画で
No.3のアルミナ研ぎ前
砥石でここが限界だったのが
No.3は、もう少し研ぎたいので
まずは、ダイヤモンドシャープナーの仕上面での研ぎ中を動画で。
アルミナで仕上研を研ぎ中を動画で
アルミナに金属が付着していくのがわかります。
一番できのいいNo.3 手回しで360°回転動画。
No.3尖りました!
ここまで先を尖らせるのに夢中でやってきましたが、頭を冷やして考えるに
先は尖ってはいますが、刃があるわけではないのです。
先端から0.3mm位にやっと刃らしきものがありそうです。
これでは、パターン切削するのに0.3mm以上深くしないといけないし
押し付ける事になるので切削できませんね~
もう一度、これを見返すと(わかり難いので背景を青にしました!)
シングルフルートで捻れているようにも見えますね~?
やっぱ構造が違うのかなあ?
自作は無理か~?
出所:wegstr.comのを拡大
No.3をブルーバックで
かなりいい感じなんですがね~
マイクロスコープの写真で先端を観察します。
テーパーは、感にしては、33° いい線いってます。
直径が2mmであることを目安に先端に0.1mmの線を引いてみます。
やっぱし、先端は、0.35mm辺りまで単に尖っているだけで刃がありません。
これでは、切削できませんね~
で、最初に立ち返って
ドリルの先端を眺めます(直径2.0mm)...見事な刃先です。
この先端を直径0.2mm残して細くできないだろうかと
そうすると結局は、単なる0.2mmのドリルビットと変わらないのでダメか~
AliExpressにこんな写真が!
ドリルはこうやって作ってるんですね。ドイツ製のマシンらしい。
出所:AliExpress
そこでFusion360でモデルを作ってみることにします。
細長い円柱モデルをここでやった「コイル」作成機能で
2つのコイルで円柱側面を「切り取り」してドリル状にし
先端を「面取」してテーパーをつけてできたモデルがこれです。
チタンでレンダリング。
Fusion360さん、すばらし!
先端の拡大。
モデルを斜め前から。
先のNo.3の先端。
Fusion360のモデルにかなり近いです。
先端を真正面から
で、カットモデルを作りました。
溝が二重螺旋なので、マーティーの頭では、この構造が想像できなかったわけで
最初にこれをやっておけばと、後悔しています。^^;
根元付近の断面。
実際のドリルは、刃の所がもっと鋭角になっているような。
ドリルにも、奥の深さを感じてきます。
それを削ってテーパーを付けた所は、
先へ行くほど、刃が鈍角になっていくんですね~
これでは切削能力ありません。
Fusion360で別の作り方をしてみます。
2.0mm x 10mmの円柱。
75°で面取りして、テーパー角、30°にします。
60°に傾けた円柱で切り取ります。
「切り取り円柱(赤いハッチ)」の側面
「被切削円柱(灰色の円柱)」の中心を通るようにします。
モデルができました!
似てきたけど違うな~
これが目指している本物。
出所:wegstr.comのを拡大
それでは、こう作ったらどうか
テーパーに沿った傾斜平面を作成して、それに垂直な平面に円を描きます
それを[押し出し]て[切り取り]します。
さっきと違うのは、
押し出した円柱の中心を、被切削円柱にわずかに食い込ませた点です。
モデルができました。
真正面から
先端部の断面。
いい感じの三日月状です。
これなら切れるかも!
レンダリング
デフォルトの[鋼-サテン]のままでした。
まだ諦めませんよ~
ものづくりは最後のあがきが大事なのです!^^;
使えそうな予感がしていたので多めに注文していたら
諦めかけた時に届いたのです。
PVC用の1フルート・スパイラル・エンドミル 1LX3 1512の1.5mmのやつです。

ちょっと先端を拡大してみます。
ちょっと回転して
先端の斜め正面から。
お~!明らかにドリルのそれとは、違います。
溝を形成している円が中心部まで食い込んでいます。
これにテーパー付けたらイケそうな気がしてきました!
ほぼ真正面
ん~ん、いいかも?!
救世主になるのか!?
さっきのFusion360のモデルと似ています。
CNC2418のスピンドルに装着して
まずは、切削前の形状の360°回転を動画で。
スピンドルを12V駆動で逆回転して
ダイヤモンドシャープナーってのを使うことにします。
荒目でテーパーを付けていきます。
こんな感じで削っています。
削りすぎないようにマイクロスコープで先端を確認しながら。
ダイヤモンドシャープナーは、強くは当てられないので
削れるのが遅いですが、ミルは熱くはなりません。
動画で
いい感じにテーパーがついてきた感じです。
削った屑は、大半は下に溜まっています。
右のライトは、マイクロスコープのLED。
アルミナで仕上げ研ぎ。
白いのが調整ドライバーの先のアルミナ。
ちょっとやっては確認を繰り返すこと30分位かな。
この辺で止めときます。
これ以上先端を尖らせると前と同じになってしまうので
先端に元の刃を残して尖らせないようにしています。
先端幅、0.3mmを下回って、0.25mmというところかな?
1メモリ 0.1mmです。
赤矢印のラインは、わりとエッジが立っていて
MDFを当て、手で回すとこのように切り屑がでます。
これは、いいかも。
命名:Marty's 1-Flute Spiral V-Cutter 30° 0.25mm
後編に続く。。。

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

初めまして、古い記事へのコメントで申し訳ありません。
スパイラルVカッター、こちらで売ってます。5本で$16.83です。
https://ja.aliexpress.com/item/3-175-60degree-0-1-cnc/32970003469.html?spm=a2g0s.9042311.0.0.60d84c4d00euG8
動画もあります。

実は注文済みでそろそろ届く予定です。
こんなに上手く削れる訳はあるまいと思いつつも少しだけ期待しています。

マーティーの工房日誌 さんのコメント...

情報ありがとうございますm(_ _)m
先端60°と大きいのが気になりますが、似てますね~
あっ!このビデオ見たことあります。
wegstr.comのを使ったビデオをパクっていますね~
基板に"wegstr.com"って掘ってるし、
先端も60°じゃなくて30°位で、明らかに商品とは違うもののビデオですね~(T_T)
でも、この形状のは、よく切れるのかもしれません。
試されたらぜひ感想をお待ちしております。

匿名 さんのコメント...

動画はパクリでしたか。期待値が更に縮みました(笑)
この刃を注文した理由はあの動画で0.5ピッチのQFPの端子の間に線が一方通る程の狭い幅の溝だったのですが・・・・・(そこまでは必要ないのですが、0.5mmピッチに対応したいのです。)
まぁ、いずれにせよ物が来たら感想をお知らせします。

マーティーの工房日誌 さんのコメント...

期待を縮ませてすみませんm(_ _)m
側面はよく切れそうなので、0.5mmですといいかもですね~