2018年6月9日土曜日

小型工作機CNC2418 その53(JoystickコントロールBOX製作)

前回、GRBL ControllerのCandleのJoystick Controllerのスケッチが完成したので
その筐体を造ります。

Joystick!中心が分かり難く、3D Model作るの複雑そうで面倒だなあ~
と探してみるとここにありました!
但し、User登録しないとDownloadできません。
Licenseには、非商用のみ許可する旨が書いてありますので
登録してDownloadしました。
色んなファイル形式で入っていますが、
Fusion360で読み込めるのは、STEPファイルだけでした。
Arduino Pro MicroもあったのでDownloadします。

Fusion360にJoystick 2個とSparkFun Pro Microを挿入して
どんな形状にしようかな~
と思案していると、こんな空きボトルが転がっておりました。
いい感じに丸みを帯びて持ちやすいかも?
ちなみにマーティーは髪が薄いのでこんなもの必要ありません^^;
厚みは、約40mmで手のひらに当たる部分が丸いので
持ち易いですが、根元の方がちょっと
反対にしてみます。
おっ!根本が細いと、何となくしっくりする感じです。
丁度Joystickが2個並びそうな幅だし、
これを基本形状にしてモデルを描いていくことにします。
それと、これは、忘れてはいけない一品です。必ず参考にすべきでしょう!
流石に操作しやすいPS4のコントローラー!
ボタンの所にもう一つのJoystick置いても丁度よいです。
Joystickは、真横よりも、親指の付根を中心にした円弧状にあった方が良いみたいです。
さんざんこだわりと見せておいて、できたのは、安易なものに^^;
両面切削で曲線美を出そうかとも思ったのですが、
どうも集中力悪く、上下は間違えないのに、左右を間違えること4~5回(-_-;)
ようやくできたのがこれ!
裏返して正確な位置決めする手段をまだ考案してないので片面加工だけなのです。
角のフィレットは、手加工を予定しております(-_-;)
透明モデル
アングル変えて
シェーバーって感じもしてきました。
真上から。
右利き専用です。薄い所は配線用の空洞です。
実は最初は、分厚いので木材で作ろうかと
下から蓋をするだけの構造にしていましたが
以前使ったポリエチレンの抗菌まな板(10mm厚)が残っているのを思い出し
急遽、3枚構成に分解したのです。
加工するために底面を合わせて横に並べます。
よーく見直すと弱そうな所や逃げ穴忘れがあるので修正していきます。
パーツはこの様に取り付きます。
Joystickの基板がいつの間にか円形にカットされちゃってます(-_-;)
ひっくり返すとこんな感じ
この様に組み立てます。
実際は白なのでこんな感じかな。
最後に手加工で丸みを帯びさせる予定です。
真ん中の穴は、鼻と口ではありません、SparkFun Pro MicroのLED用です。
何だか、とぼけたロボットの顔みたいにも見えてきた...
ポリエチレンの抗菌まな板を3ブロック同時に加工したいので
CNC2418のステージに収まるように配置を考えます。
赤枠がステージの外形です。ギリギリで入りました。
左下の円は、前に加工してくり抜いた部分、縦線は、CNC2418のステージの溝部です。
では、Fusion360 CAMに行きます。
設定は、この時の表のPE(ポリエチレン)を使います。
設定表:<PVC・アクリル・ABS・ポリエチレン>
 エンドミルタイプ:スパイラル・タイプ(Flute:1or2)必須

D[mm]0.60.81.01.21.52.02.5 3.175
 切削送り速度 
Vf
[mm/min] 
 2000rpm PVC 100 130 160 180 200 230 240240
 3000rpm アクリル
ABS
150190230270300340360360
 4000rpm PE190260310350410460480480
深さ[mm] 0.3 0.4 0.4 0.5 0.6 0.6 0.70.7

<1>各ブロックを合体するためのビス穴とLED用の穴から
[2D]-[円形]でΦ2.0mm 1-Flute PVC用スパイラル エンドミル
深さ:0.6mmずつです。
<2>TOPブロックの木ねじの先端をねじ込む穴。
ここは、[ドリル]で[深穴ドリル-完全退避]を使います。
0.5mm掘る毎に上がってきて屑を出します。
溶着防止のためです。
CAMの設定では、ドリルビットを使いますが
実際には、Φ2.0mm 1-Flute PVC用スパイラル エンドミルをそのまま使います。
<3>BOTTOMブロックの基板足避けの穴
[3D]-[ポケット除去]
Φ2.0mm 1-Flute PVC用スパイラル エンドミル
深さ:0.6mmずつです。
<4>BOTTOMブロックの輪郭段差
[2D]-[ポケット]
3.175mm 2-Flute PVC用スパイラル エンドミル
深さ:0.7mmずつです。
<5>TOPブロックのJoystickノブ穴、下の方は球形傾斜で、穴径が小さくなります。
[3D]-[ポケット除去]
3.175mm 2-Flute PVC用スパイラル エンドミル
深さ:0.7mmずつ、傾斜部は、球面状なので深さ:0.1mmずつです。
<6>MIDブロックの中面取り
[2D]-[ポケット]
3.175mm 2-Flute PVC用スパイラル エンドミル、深さ:0.7mmずつです。
全体を3.0mm 面取りします。
<7>MIDブロックの深い堀り
[3D]-[ポケット除去]
3.175mm 2-Flute PVC用スパイラル エンドミル
深さ:0.7mmずつでパーツが入る部分を掘ります。
<8>MIDブロックの細かいボスなど
[3D]-[ポケット除去]
1.5mm 2-Flute PVC用スパイラル エンドミル
深さ:0.5mmずつで、3.175mmで切削できなかった所をやります。
<9>MIDブロックの基板が入る窪みの角の掘り残しを整えます
[2D]-[輪郭]
0.8mm 2-Flute PVC用スパイラル エンドミル
深さ:0.6mmずつです。
<10>全ブロックの輪郭掘り出しの最終工程。
[2D]-[輪郭]
2.0mm 1-Flute PVC用スパイラル エンドミル、深さ:0.6mmずつ。
この部材は柔らかいので、高めのタブを付けます。
全部通しでシミュレーション!
ん~ん、ぶっ通しで3:30:54とでていますね~
Fusion360の自動バージョンアップで
「G28 Safe retracts」はDefaultの「はい」に戻っているので
ポスト処理する前に必ずここを確認して「いいえ」にします。
これを忘れると、何故か、最初に下がりながら移動して不意な切削筋が入るのです。
全10行程です。
エンドミルは、2.0 ⇒ 3.175 ⇒ 1.5 ⇒ 0.8 ⇒ 2.0mmの交換です。
同じエンドミルは、合体してポスト処理してもいいのですが
工程ごとに確認しながらやりたいので、個別にポスト処理します。
工具交換回数を減らしたいので順番を変えて
最初の2.0mmエンドミルの加工を後ろに持っていくことにして
3.175 ⇒ 1.5 ⇒ 0.8 ⇒ 2.0mmの交換にします。

さーていよいよ切削ですが、
久しぶりなのでモリブデングリスを塗ります。
部材は、銀イオン配合の抗菌まな板、ポリエチレン 320 x 200 x 10mmです。
食品衛生法にも適合しています。
3ブロックをレイアウト印刷した紙をまな板の上において位置決めします。
セット完了!
手前の丸穴が、以前使った部分です。
GRBL ControllerのCandle v1.1.7を立ち上げて切削開始です。
ちょっと無理している様な音なのでSpendle Speed 120%に上げます。
工程<4>約9分で完了。
工程<5>24分
工程<6>32分
これは、アクリルに比べてちょっと粘りがあるようですが、溶着は起きにくいようです。
Spindle 130%、Feed 110%にしています。
GRBL v1.1fのOverridingは、便利です。
1-Fluteは、面取りでは、筋が多くてキレイにならないですね~
2-Fluteでやるか、もう一回、方向を変えて切削するのがいいかも?
支障はないのでこのままです。
あっ!位置合わせの失敗です。
赤枠の所がギリギリ、ここは3mmないといけなかったのですが
もう少し部材全体を手前にセットしないといけませんでした。
続いて最も複雑な所、工程<7>1時間もかかりました。
ステッピングモーター、ドライバがかなり熱くなっているので休憩です。
んっ?何だか浅いぞ~
3mmの深さのはずの所が2mmもありません?
もう一度Fusion360 CAMを確認しますが問題ないのです。
切削中にCandleの画面を見た時もちゃんとZ軸-10mmまで掘っていたし
まさかと思いCandleで「$$」して設定を確認してみると

何と!!! $102=495.000になっています。Z軸のstep/mmの設定です。
この時にXYZ較正して、$102=793.388  にしたはずなのです。
いつ変わったのだろう?しかも、なぜこんな変な値なんだろう?
実験するとしても半分近い値にするハズもないし、不思議でなりません。
そういえば、「495」の数字、前回のJoystickのスケッチ作成中に使いました。
CNC2418と接続してCandleでスケッチの動作確認をしている時に
Arduino IDEのシリアルを立ち上げていなかったので
Candleの方に数値が吐き出され、この数値が入り込んのではないかと考えらます。
でも$102=とセットじゃないと設定されないはずですが
Keyborad.write命令と合わさって偶然書き換わったのでしょうか?
気をつけないといけません。
さて気を取り直して、$102を設定し直します。
他の設定は、大丈夫でした。
幸い浅めだったので同じ所を再度掘り直します。
ついでに2-Flute PVC用に変えます。
同じGcodeを使ったので、途中までFeed200%で早送りして進めます。
手前の最初の深さ3mm溝。今度はOKです。
次の穴もちゃんと下まで貫通しました。
最初の時にこの穴で浅いのを気づくべきですが、なぜか...(-_-;)
Candle画面の深さが-10mmだったので安心していたのです。
次の工程の切削状況を動画で!
3.175mm 2-Flute スパイラル・エンドミル
深さ-0.7mm Spindle:5200rpm、Feed:530mm/min
エンドミルに白く溶着しているように見えますが
これは、部材のクズが糸状になって巻き付いているのです。
時々、集塵機で吸い取られてなくなるのがわかります。
この動画は、最後の貫通時の様子です。
最後の方は、深さ0.7mmずつ切削した余りで0.1~0.2mm程に薄くなっています。
部材のポリエチレンは、柔らかいので薄くなるとこんな感じです。
まさに厚めのポリエチレン袋をちぎった感じなのです。
ここまで終わった瞬間にUSBケーブルに当たってしまいOfflineに!
あ~あっ!座標が!行方不明になる~~っ _| ̄|○
幸いCandle上に最後の位置が表示されていたので、何とか原点に復帰できました。
3.175mmで掘り残したボス部を1.5mmでやります。
ステージに固定した状態でJoystickを入れてみます。
クリアランス0.2mmにしていたので、ギチギチのピッタリです。
角を0.8mmエンドミルでの仕上げるつもりでしたが不要のようです。
この後、左端から、右端の原点に復帰中にX軸が途中で停止しました!
Y軸は動いているのにです。
過去にも1時間コースの切削やりましたが、止まるのは初めてです。
熱の性かも? 特にステッピングモータードライバは、触れられないくらいです。
その内、何とかせねば...
今度は、座標が完全にパア_| ̄|○
今日は、なぜか災難続き???原点の再設定に一苦労です。

2.0mmエンドミルに交換して、3ブロックを取付用のビス穴です。
ランプで回りながら降りてくる切削モードになっていたので
15個で21分もかかってしまいました。
最後は、外形をタブ付きで掘り出しです。45分。
全行程完了です。
朝から始めたのに夜になっています。
全体風景。
左のは、1年程前に作ったサイクロン集塵機、ホースはFREE!手持ちが便利なのです。
右のは、ここで作った緊急操作ボタンボックス。
ステージから取り出しました。切削面。
裏面
タブをカットして取り出します。
どんどん顔に見えてきます。
家族からも「骸骨を造っているのか」と言われてしまいました。
左端は、「ムンクが叫び終わった後」だとか(笑)
それにしてもこの部材は、溶着しにくい代わりにやたらと屑ヒゲが多いです。
まあ、ぴったりの嵌合には驚いてもらえました。
でパーツを組み込もうと思ったら
あっ!穴あけ忘れ発覚! 途中で2回も原点喪失したので焦ったようです。
このブロックだけ原点を変えてポスト処理し直します。
これもランプで回りながら降りてくる切削モードになっていたので、19分も。
幸い、パーツの足を逃げるためなので穴位置は多少ズレても大丈夫です。
やっと、JoystickとSparkFun Pro Microを装着!
Joystickの5ピンコネクタ位置が僅かにずれて当たっているのと、
ProMicroが、クリアランスの内側を切削していましたので入らず^^;
少ーしカッターで修正。柔らかくてカッターでの加工はやり易いです。
きっちり入りました!
ひっくり返して
きっちりピタッとハマっているので、持ち上げても落ちません。
下ブロックの上に乗せます。
本来なら下側に位置決めボスをつけてパーツを乗せる構造がよかったですね~
当初、下側は、単純な蓋の構想で始めたのでこんな構造になったわけです。と言い訳。
ここは、外周壁で入れ子構造にしています。
のでピッタリ!
クリアランス0.2mmで無理なく入るしガタはありません。
QFPGアダプタソケットの時の経験が活きております。
あの時は、クリアランス 0.1mmでかなりギチギチだったのです。
上ブロックは、片側だけ加工なので、入れ子にできず、かぶせるだけです。
Joystickノブの傘部が入り込むので穴は球形状になっています。
仮組み終了!
いい感じです! 悪くはないでしょう!
下ブロックの裏側から皿頭の木ねじで3ブロックを固定します。
皿ネジの頭部分を凹ますためザグリ加工します。
これもさほど精度を要しないので
原点穴と遠くの穴の2点の座標が合うように固定して加工します。
こんな感じで木ねじが入ります。
さて、操作感のチェックです。
薬指の角を手加工でフィレットつければ、なかなか良さそうです。
Joystickノブとケースのスレは、全くなく、スムーズな動きです。GOODです!
参考にさせて頂いた3D Modelがバッチリだったお陰ですm(_ _)m
自作していたらズレていた可能性大です^^;
下の方からUSBケーブルがでてくる予定です。
上の右スティックの方が、微妙なXY操作がやり易そうなので
左側は、Z軸用にしよう!
Candleの画面とは逆になるのでちと心配ですが。
数々の失敗^^;とトラブルがあり想定外の時間と気力を使い果たし
配線、実働確認にまでこぎつけませんでした~
改めてメカ屋さんの凄さを実感です!
一度、この様な設計の基本を勉強した方がよさそうです。
TO BE CONTENUED~

3 件のコメント:

昔青年 さんのコメント...

CNC2418も重装備になりましたね。
リミットスイッチや回転計は備える必要はあまりないですか?

昔青年 さんのコメント...

戦艦大和並みの重装備になってきましたね。(例えが古い)
当方は、猛暑日に迫る暑さの中で、太公望的境地でいます。

マーティーの工房日誌 さんのコメント...

回転計は、無負荷のグラフしか作っていないので
実切削中は、あったらいいなあと思うことはあります。
私の場合、大抵がステージの中央付近で
毎回原点を設定して加工をするので、ホーミングもしないし
XYのリミットSWは、必要性を感じないです。
むしろ、可動域内で急停止したい時は多いのですぐ横に操作ボックスを作ったわけです。
Z軸は、たまにガガ~ってやっちゃうので、その内、つけねばな~と思っています。