2018年11月10日土曜日

3Dプリンタ その28(額縁の製作)

久しぶりに製作日誌です。
ある作品を飾る額縁を作りました!
とは言うものの、この手のモデルを自作するスキルはないので
随分探してよさそうなのをthingiverseのここで見つけました。
オレンジの帯に「Hey! This thing is still a Work in Progress... 」
まだ未完成のようなのですが、どこが未完なのかわかりません。
フル版と分割された8つのパーツがあります。
金色に塗装した写真も載っていて、探していたイメージに近いのです。
ダウンロードします。
「Ornate_picture_frame.zip」を解凍すると
9つのSTLファイルが入っていました。
「rohmen4.stl」が全部合体されたものです。
大きさが異なるのでプリント倍率で調整するとしても
分割しないとGeeetech I3 Pro Bのベッドには乗りません。
でも8つは、分割しすぎだな~

ということで
Fusion360に「rohmen4.stl」をアップロードします。
メッシュモデルを読み込むと「メッシュ」モードがでるんですね~
[修正]-[分離]ってのがありました。
しかし、メニューボックスは、これだけ?
原点の平面を出しても選択できないのです。
メッシュモデルを全選択してもメニューボックスに変化はなく
[OK]するとボディがコピーされるだけです。
半分選択して[OK]してみると
一見、半分に分離されたように見えるのですが、切り口が変なのです。
ならば、[修正]-[切断面]でやってみます。
まだ、[平面]を選択していないのですが
なんだかカットできているようです。
所が、102mmにして中央間近でカットされるので
ぴったし中央でカットしようと、103mmにすると、エラー(´-﹏-`;)
色々やってもどうしても中央でカットしてくれないのです。
どうゆう判定基準なのかわかりません。
意図した位置ではないですが、一応、カットはできます。
完成後にわかったのですが、[平面]でオフセット平面を選択すると
スパッと切れました^^;  手探りで使うのはいけいないですね~
切り口もキレイになります。
早く作りたいし、面倒になってきたので、
8分割されたパーツを使うことにします。
所が、[メッシュからBrep]でモデルに変換しようとすると
メッシュが多過ぎてできない。と怒られました。
実は、オリジナルモデルの裏は、凹んでいるので
ここを埋めたいので、一旦「メッシュからBrep」に変換したかったのです。

色々イジっていると、メッシュのままできる事がわかりました。
まず、裏を普通のBrepモデルで埋めてボス穴をつけます。
ストレートパーツ側にボスをつけて接続時の位置決めるためです。
両側の底を埋めてボス穴もできました。
この状態では、元の上側は、メッシュモデル
埋めた下側は、普通のBrepモデルなので
埋めたモデルを[Brepからメッシュ]してメッシュボディに変換します。
追加した下の2つのボディを選択して
曲線はないので[リファインメント オプション]:中 でいいでしょう。
追加した下の2つのBrepボディがメッシュボディに変換できました。
元のメッシュボディと下の2つのメッシュボディで
全部で3つのメッシュボディになっています。
元のBrepモデル2つは、非表示になっています。
メッシュモードで[ボディを結合]します。
これは、一度に2つしか結合できないので、2つずつ選択して結合します。
まずは、上と左下のボディを選択
なぜか結合したら左下のボディの色が変わっていますが、
これで結合できて1つのボディになっているのです。
右下がまだ結合していないメッシュモデルなのです。
同様に右下のボディも結合します。
メッシュボディが1つになりました。
これも下側の色が変わっていますが、ボディは1つになっています。
[STL形式で保存]します。
残りの3つのコーナーパーツも同様に処理します。
こちらのストレートのパーツも
裏は、こうなっているので
下側にBrepモデルを追加して、両側にボスを付けます。
これでコーナーパーツの角穴に入って接続できる手はずです。
ここで全体版の「rohmen4.stl」を開いて寸法を確認します。
STLは、Fusion360で読み込むと10倍になります。
中に入れる作品は、160 x 210mmなので縮小するとして、
そのままでは、アスペクト比が微妙に違うので
短手方向(X軸):長手方向(Y軸)=100:97になるように縮小します。
3%の差なので特に模様に不自然感はでません。
プリントに取り掛かります。
まずは、TOPのストレートパーツから
Cura V.3.5.1でサポート付けてスライスします。
2h 37minか~結構かかりますね~
Repetier-Host V.1.6.0でプリントします。
フィラメントは、Geeetech PLA White
かなり無理のない動きになっているように感じます。
ノズル:200℃、ベッド:55℃ です。
先週、EEPROM Settingsのの[Travel Acceleration]:6000 から
3000 に落としているのです。
無事、一発で成功しました!
サポートの外し方が少~し分かってきたような気がします。
カッターの刃をちょうどいい所に入れてやるといいみたいです。
それでもヤスリで整えないといけませんが
次のTop Rightコーナーパーツは、
3h 27min !
この調子でいくと
コーナー:3.5h x 4   ストレート:2.5h x 4   なので、
連続でやっても8パーツで24時間ということになります(*_*)
気長にやり続けるしかありません。
これも無事できました!
これは、サポートの隙間がキレイにできているようです。
わりとキレイにサポートが取れました。
ストレートパーツとコーナーパーツを繋いでみます。
いい感じです。
続いて、TOP LEFTパーツをやると、1stレイヤーで中止しました。
またZレベルがズレてたので、M851 Z-2.45に修正。
なぜだろう?途中でフィラメントが突っ張っていたからかな?
フィラメントがリールにキレイに巻かれてないので、時々固いのです。
横について時々ほどいてやらないといけないほどです。
Zレベルは、毎回やった方がいいようだけど、面倒だな~
そもそも、エクストルーダーの金具強度が薄くて弱すぎますね~

再度やると、3時間半もかかったのに、Y軸が何だかズレています(T_T)
途中で気づかなかったのです。
上から見た目は、わからないのですが、使えません(T_T)
どうもステッピングモーターのトルクが弱くて脱調しているようなので
Y軸のステッピングモータードライバの半固定VRを45°上げます。
VREF:1.05Vでした。約30%UPしたことになります。
Rs:200mΩなので
Imax = VREF ÷( 8 x Rs)= 1.05 ÷(8 x 0.2)= 0.66A
3つ目のTOP LEFTパーツは、3回目です。
プリント中に温度上昇を確認しました。
Y軸のステッピングモーター・ドライバ:28℃
隣のZ軸のステッピングモーター・ドライバ:33.8℃
このドライバの半固定VRは、MAX状態で、1.568V
Imax = VREF ÷( 8 x Rs)= 1.568 ÷(8 x 0.2)= 0.98A
これを2台のモーターに分配するので0.49A/台
Y軸のステッピングモーター:49.8℃
ん~ん、ぎりぎり許せるところかな。
夏場が心配ですね~
ヒートシンクつけようかな~
3つ目のTOP LEFTパーツ、やっとできました!
繋いでみました!
だんだん形になってきます。内側の寸法は、バッチリでした。
また、Zレベルが変わっています。M851 Z-1.45に修正。
RIGHTパーツでは、[Enable Support Roof]のチェックを外して
「サポートTOPの埋めなし」にしてみます。
サポートは、ZigZagです。
サポートの最上部に薄いルーフを1層分作るようです。
できました。
サポートのルーフなしは、境目が分かり易いですね~
カッターの刃が入れ易く、サポートも取り除き易くなりました。
続いて、Bottom Rightパーツもできました!
LEFTパーツできました。
ベッドが、40.9℃でパリパリッと音がして軽く取り外せました。
百均の防犯フィルムは、とてもいいです。
これもサポート部(左下)が分かり易い。
BOTTOM LEFTパーツ完了!
サポート部。
最後のBOTTOM、できました~っ!
所で、取り除いたサポートです。
これ、ノズルの先のダマとかタレを拭うのにとても便利なのです。
フィラメント同士なのでダマやタレが簡単にくっついてくれます。
意外な発見でありました!
さて、組み立てに行きます。
ストレートパーツにボス、コーナーパーツにボス穴を付けています。
裏側、一応パーツ名を書いています。
裏側をガムテープで仮合体しました。
繋ぎ目は、どうしても目立ちますね~
ホントは、段差を削ってパテで埋めたりするのでしょうが、省略!
接合面を軽く平らに削るだけにして
平らな台の上で、この「GPクリヤー」ボンドで張り合わせます。
成分は、これです。
一晩乾燥させて、塗装作業をします。
塗装にもってこいの完璧な秋晴れです。
ピカピカの金色ではなくて、少しくすんだ金色がいいということで
乾燥中にホームセンターで半額セールのを買っております。
キャップも金色とはほど遠い、薄茶色に近いのです。
実は、右のブロンズ色が、どうも気になって買ってしまいました^^;
で、失敗したパーツに塗ってみました。
左の安い金色ですが、くすんだ感はなく、結構キラキラしています。
右のブロンズ色というか、銅色もなかなかいいのです。
結局、金色にしました。
作品を中に入れてみます。
こりゃ~なかなかいいです。
ここでやっと「未完」の意味がわかった気がします。
中央の上下とかちゃんと盛上処理されていない模様があるみたいです。
裏の留具をプリントします。
これは、Repetier-Host V.1.6.0のCuraEngineでスライス
小さいので6層で13m 28s
ほどなくできました。
Φ2 x 10mmの木ねじを使います。
中に入れる作品と同じ高さになる丁度いい厚さの板が転がっていたので、
細長くカットして枠にしてボンド「GPクリヤー」で付け、
一晩乾燥させています。
プリントした留具で固定します。
ダンボールで仮の台座を作ってみます。
いい感じじゃないでしょうか。
丸穴は、指を入れて持ち上げるためです。
傾き加減もこのくらいで丁度良さそうです。
台座のモデルをFusion360で描きます。
高さ150mmにしました。
材料費削減で穴をいっぱい開けています^^;
Cura V.3.5.1でサポートなしでスライスして、
Repetier-Host V.1.6.0にLOADします。
レイヤー0.25mm、高さ150mmなので3h 39m 32s
台座は、初めてのWood Filament(Geeetech製)にします。
大物なので、ちょっと、本番に行く前に、別のモデルをテストプリント!
このフィラメントは、プリント中にとてもいい香りがします。
取り分け、キャラメルマキアート!って感じかな?
前々から作りたいと思っていた三重環であります。
これ、裏表がわかるようにTOPがないのだと思い込んでいました。
後から気づくに、最後の数層がフィラメントが出てなかったのです(-_-;)
1st、2ndレイヤーがくっついていたのでカッターで切って
ちょっと力を入れると回るようになりました。
しばらく回しているとかなり軽くなってきました。
単純な構造ですが、なかなか不思議な、面白い、何かに使えそうな...
しばらく三重環で遊んで
いざ、本番の台座のプリントを開始すると、フィラメントが出てきません(´-﹏-`;)
エクストルーダーをばらして、掃除棒で突いてもなかなか出てこず、
220℃に上げてやっとドバっと詰まりが出てきました。
フィラメントは、触ると繊維が多い感じで、高めの温度にした方がいいようです。

ということで、造作物が大きくて室温も低くて心配なので
ダンボールで軽く囲うというか、立て掛けております^^;
フィラメントは、プリンタ本体の後ろに置いていたのですが
どうも突っ張ってエクストルーダーに無理な負荷がかかっているようなので
スプール・スタンドを作りました。
額縁をプリントしている途中だったし、プリントすると数時間コースなので、
その辺にあった木材を手ノコでちゃちゃーっと作っております。
軽い集成材で、なかなかいいです。早く作ればよかった。
できました~
糸引きだらけで~す(-_-;)
温度高めがよさそうで210℃で開始。
糸引きが多いので、途中で205℃に下げて買い物に行ったら
その部分だけガタガタ(下側の緑枠部)
が、その後、観察していると、どうも温度と関係ないようなのです。
糸引きが多いのもリトラクトと関係している様子なのです。
リトラクト時にコクっと音がしていて上手くリトラクトできてない様子で、
短いプリントが続くリトラクトが多い、穴の所で発生しています。
穴の上の方では、良くなっているのです。
エクストルーダーのギアは、キレイに掃除して始めたし、
Woodは、リトラクト量を少なくした方がいいのかな~?
上の方の緑枠部も穴の中央付近でプリント品質劣化しています。
穴の中央部だけ発生しています。
プリントする長さより、プリントしない穴部が長いと発生するように思えます。
最後の2cm位は、200℃まで下げたのにキレイなのです。
カッターで糸引きなどを取り去りました。
ノーマルのWhite PLAより加工し易いですね~
硬さといい、表面のざらつき感といい、MDFに近い感じもします。
積み上げのムラが、木材の木目っぽくて、逆になかなかいい感じであります。
横から
前から見上げて
台座の前の引っ掛かり部は、フレームの下の形状に合わせているので
ピッタリ嵌ります。
パーツのつなぎ目は、近くで見るとかなり目立ちますが
よいものができたな~! と自画自賛^^;
全面には、1mm厚の透明アクリル板を嵌め込んでいます。
ちなみに、中身の作品は、「テンペラ」という美大生の課題作品です。
「油絵」は、顔料をで混ぜたものですが、
顔料を卵黄で混ぜたものを「テンペラ画」と呼ぶそうです。
木材の板に薄く石膏を塗って、更に膠(にかわ)を塗って
その上に卵黄で溶いた顔料で絵を描いているそうです。
なので、作品は、ラップで保護しています。
肝心なデザインは、自作ではありませんが、
プリント時間が長かっただけに大物を作った感じです。
なかなか良いものができて家族からも絶賛を受けました\(^o^)/

2 件のコメント:

昔青年 さんのコメント...

なかなかゴージャスですね。3Dプリンターで箱物を作るのは結構むずかしいですが、額縁の完成度を見ると挑戦してみたくなりました。

マーティーの工房日誌 さんのコメント...

昔青年さん、早速見ていただきありがとうございます。
そうなんです。ゴージャスなのは唯一これしか探せませんでした。
CNCで切削すると相当難しそうです。
拡大するとよくわかりますが、近くで見ると接続面が段々と気になってきます。
挑戦されるなら、大きさにもよりますが、
メッシュモードの[修正]-[切断面]で2つか4つへ分割をお薦めします。
ご検討を祈ります。