2019年1月8日火曜日

Muliti-Function Tester TC1

本年も宜しくお願い致しますm(_ _)m

年末年始は、半田付けはしたものの、ぼ~っとしておりました(-_-;)
正月明けて「Multi-Function Tester TC1」ってのが届きました!
冒険してAliExpressの最安値の店からです。
当然、化粧箱などはついてなく、帯電防止袋に入っているだけ、
Manualもなしです。



上記リンク切れなので、売れ筋の店のを追記しました(2020.5.14)

早速、Startボタンを押すと
LCDがこんなに傾いています(´-﹏-`;)
さすがに最安値の店だけありますね~
Amazonで買った方が良かったかな~
まあ何とかなるでしょう~ と、ケースを開けると
LCDは、固定具などなく、ケースを被せる時に技がいる構造なのです。
更に上下のケースを留めるボスの長さが、緑部と赤部で違っています。
緑部と後ろの2つは、同じ長さなのです。
基盤の厚みに対して赤部の隙間が狭いです。
上蓋だけ
 赤部のボスを少し削りました。
LCD基盤を接続しているヘッダーピンもこの様に傾いています。
何とか真っ直ぐにしました。
寧ろ、反対側に傾けた方が上蓋のLCD窓に合うくらいなのです。
折れるといけないのでこの辺にしておきます。
部品数がとても少ないメイン基板。
メインチップは、ATMEGA324PA
測定精度は、基準電源・Clock・10bit ADCに全権委任されているのでしょう。
個別に最低限のキャリブレーションはされてると思いたいです^^;
(キャリブレーション手順は、最後にわかるのですが)
それと、赤丸部の接点だけが正常に開閉しないので
両サイドのネジを取って蓋を開けて修正しました。
しかし、その後が大変!蓋がすんなり入らないのです(´-﹏-`;)
接点の隙間に針金を入れておいて
蓋をかぶせてから針金を引き抜くという戦法でようやく完了(^^)
やっと、まともな製品になったわけであります。
無事動いたのでOpen Disputeしませんが、★3つしかあげてません。
さてと、右下の[Start]ボタンで起動します。
セルフテストで「Testing...」がでて
何も接続していないので、この「?」画面になります。
測定端子には、1、2、3、A、K、があります。
2端子のデバイスは、1-2-3のどれか2つ、3端子のデバイスは、1-2-3に
同じ番号の端子でなければ、どこに挿してもいいのです。
同じ数値の端子を使うと「?」がでます。
左下のK、A、Aは、ツェナーダイオード測定用でした。
[IR]の赤外線受光部に、リモコンを当てると波形がでてきます。
Panasonicのは、TVもエアコンもダメでしたが
東芝のTVでこの波形がでました。
まあ、使うことはないでしょうが...
さて、ここの秋月電子のDE-5000と比較していきます。
まずは、1MΩ ±1% 金属皮膜抵抗器
0.9928KΩ(-0.72%)(DC測定)
容量成分:0.1pF(測定周波数:1KHz)
TC1では、 988.6KΩ(-1.14%)
さすがに並列容量成分はでませんが、一応4桁表示です。
茶黒青の10MΩ たぶん±10%
9.196MΩ(-8.0%)(DC測定)
TC1では、9.022MΩ(-9.8%)
0.3Ωの巻線抵抗器
0.37Ωになっています。
抵抗測定の範囲は、0.01~50MΩらしいです。
フィルムコンデンサ  474:=470nF
TC1では、 458.2nF ESR=0.23Ω
ESRもでるので、劣化したコンデンサなども確認できますね~
DE-5000 測定周波数:10KHzで
473.2nF ESR=0.23Ω
DE-5000では、測定周波数:100、120、1K、10K、100KHzと切替できます。
測定周波数:120Hzでは、ESR=6.5Ω となりました。
TC1は、測定周波数:10KHz近辺なのだろうか?
330μF 25Vの一般的な電解コンデンサ
321.2nF ESR=0.20Ω とでました。
DE-5000では、317.8μF ESR=0.2Ω(測定周波数:120Hz)
ちなみに測定周波数:1KHzでESR=0.14
意地悪テストで3pFのセラミックコンデンサ
TC1では、測定不能でした。
コンデンサ測定の範囲は、25pF~100000μF(0.1F)らしいです。
DE-5000 測定ケーブルオープン
[CAL]ボタンでキャリブレーションしています。
測定周波数:10KHzで2.97pF
電気二重層コンデンサ 0.10F
測定に30sec程かって、50.50mF  ESR=29Ω
DE-5000では、100Hz測定でも 3.03mF と大きくズレています。
これだけは、TC1に軍配が上がりました。
ESR=23.9でこれは、TC1と同じくらいです。
インダクタ 緑青黒 56μH
0.05mH、2.09Ω
インダクタ測定の範囲は、0.01mH~20Hらしいです。
55.7μH 1.81Ω(測定周波数:1KHz)
こういう3端子のポテンショメータも測れるのは嬉しいです。
ちなみにDE-5000のManualには、
抵抗一つとってもこんなに詳細に謳ってあります。
TC1には、Manualすら同梱されてなく、精度に関しては・・・かな~
と、同じものをTC1とDE-5000で5回測り比べをしてみました。
(実は、キャリブレーション後にやっております)
勝敗は、標準偏差σで判定することにすると
100KΩ・・・DE-5000の勝ち
1MΩ・・・DE-5000の勝ち
470nF・・・お~っ!TC1の勝ちだ~
どちらが正確なのかわかりませんが、TC1・・・意外と良い奴です!
ついでにDE-5000の中も覗いてみると
カスタムLSIで 上:DM5000-1C、下:DM5000-2C-02 ですね~
たぶん、回路構成と測定原理は同じだと思われます。
Made in Taiwanでした。
受動部品はこれくらいにして
ここからは、本命の能動部品です。DE-5000にはできないことです。
小信号用シリコンダイオード 1S1588
ゲルマニウムダイオードと言えばこれ! 1N60
Vf=699mVと高めです。
一般に300mV位のハズですが...どうゆう測定条件かわかりません。
秋月電子の新品を何本か測ったけど同じくらい。
ショットキーバリアダイオード BAT43 30V 200mA
これは、Vf=351mVになっています。
Ir=78nA!nAも測れるとは、なかなかです。
コンデンサ単体は、3pF測定できなかったのに
ダイオードの容量は、C=3pF と測定できています。
ツェナーダイオードは、1~3の測定端子に挿すと
単なるダイオードと認識されます。
専用のA、K端子に挿すと、VZ=5.95Vとでました。
VZ=30Vまで測れるらしいです。
P6KE6.8CA もやってみます。
静電気などから回路を保護する両方向ツェナーダイオードです。
ツェナーダイオードなのでA、K端子で測定します。
片方向ツェナー VZ=7.19Vの表示です。
さすがに両方向ツェナーのシンボルはでてきませんが、
A、Kを入れ替えて再測定すると
片方向ツェナー VZ=7.18V とでました。
ツィンダイオード FMG26S
さすがにVf 揃っています。
シリコントランジスタ 2SA1018
どこに挿してもECBを自動認識してくれて
これだけの項目を表示してくれます。
これは、かなり嬉しい機能です。
貴重なコレクションのゲルマニウムトランジスタ 2SB22
VBE=160mV とても低いです。
ゲルマニウムTrは、漏れ電流などが大きいので更に多くの項目がでています。
J-FET 2SK30A Y
Power MOS-FET 2SK1034
ちゃんとNch Enhancement MOSとでています。
Depletion MOSは持ってません。
シンボルが正確に描かれているのも嬉しいです。
NEC A2BGTとあります。
古すぎて検索してもでてきませんが、TRIAC だとわかりました。
これは、素晴らしい。
これまた古い、2SF102というもの。2SFなのでサイリスタであります。
有名なTRIAC NEC AC10Fは、5個、測ってみましたが
うまく認識してくれません。
後で調べると、IGT(Gate Trigger Current)6mA未満じゃないとダメで
AC10Fは、IGT:7mA~20mA(@20℃)だからのようです。
IGBTもいけるという情報があります。
どうしてもIGBTのシンボルマークを見たくなったので
この前、分解したIH炊飯器の基盤からIGBTを2つ取り出します。
左:TOSHIBA GT60N321、VCES:1000V、Ic:DC60A
右:TOSHIBA GT50N321、VCES:1000V、Ic:DC50A
左のGT60N321から
付属のケーブルで接続しますが、IGBTと認識してくれません。
ケーブルを色々入れ替えても結果は同じなのです。
炊飯が焦がれるので買い替えたので、IGBTは、死んでないハズです。
後で調べると、このIGBTは、VGE≧5V ないとONしないもので
1-2-3pinの測定最大電圧:4.5V では、ONさせることができないからのようです。
右のTOSHIBA GT50N321も同じ結果でした。
IGBTは、認識できず、シンボルんマークを見れませんでした。
う~~っ残念
さすがに3端子レギュレータは、エラーでした。
まあ、ICですからね~

で、今頃、マニュアルを探すのであります(-_-;)
ここにカラー版がありますが、フランス語です。
こっちは、同じものの英語版ですがモノクロ版です。

簡単にまとめると
・抵抗:0.01~50MΩ
・コンデンサ:25p~100mF
・インダクタ:0.01m~20H
・ツェナーダイオード:0.01~30V
測定周波数とかは不明です。

<キャリブレーション>のやり方が載っておりました。
手順をまとめると
1. pin1-2-3を全部ショートして[Start]ボタンを押す。
2. 「Pls Isolate Probe」と表示されたら
 pin 1-2-3を全てオープンする
3. 「Selftest End」がでたら終了

最初に1-2-3をショートしないといけないので
ミノムシクリップで3つ又治具を作ります。
まあ、付属のケーブルでもいいのですが...
1-2-3に挿してレバーを倒して
[Start]ボタンを押すと
「Selftest Mode」と表示され
約15sec後、22%まで進んだところで
「Pls Isolate Probe!」とでるので、
1-2-3をショートしているピンを外すと、
(ボタンは押さなくても先に進む)
また「Selftest Mode」とでて、%バーが進んでいきます。
%バーが100%になると
「Selftest End V2.12K」とでて終了です。
V2.12Kは、FirmwareのVersionでしょう。
約1分30秒もかかったので、結構、真面目にやっているようです^^;
ちなみに、DE-5000には、CALボタンがあり
測定端子をショートで開始、途中でオープンするという同様の方法です。
その後、通常の起動と同じ様に
「Testing...」で始まって
通常の起動画面になります。

<AUTO POWER OFFの時間変更>ができるようです。
右下の赤枠部のパッドを半田付けする必要があります。
このP1、P2の処理によってAutonomic Shutdown時間が変わるのです。
デフォルト:20s
つまり、P1:1、P2:0 ということなのだが、
どうみてもパッドは、両方共OPENですね~
確認してみると、測定完了後、10secでShutdownしました。
マーティーのは、P1:1、P2:1のようです。
たぶん、内側パッドは、Pull-Upされていて外側のリングがGNDなのでしょう。
ということで半導体の検査には大いに活躍してもらえそうな一品です。
特に半導体を選別して特性を揃えたい時などにも重宝しそうです。
YYさん、なかなか面白いものを教えていただき、ありがとうございましたm(_ _)m

2019.1.8 追記
ここに、元祖らしき回路図などがあります。(と、YY氏より追加情報)

5 件のコメント:

昔青年 さんのコメント...

測定器もピンキリですね。あまり安値を重視すると痛い目にあいますね。(経験者は語る)本年もよろしくお願いします。

マーティーの工房日誌 さんのコメント...

こちらこそ宜しくお願いします。
まあ、どうせ開けたでしょうから...^^;
価格の割には、重宝しそうな気もしています。

匿名 さんのコメント...

Autonomic Shutdown時間を長くしようとP1とP2を外側のリングに半田でブリッジしましたが全く変化なしです。どなたか変更できた方はいるでしょうか

匿名 さんのコメント...

最新盤のTC1とこのブログのTC1は基板の部品配置などの相違点がいくつかありますが、メインチップは同様なものを使っているのでしょうか?もしわかったらご教授願います。

マーティーの工房日誌 さんのコメント...

コメントありがとうございます。
その後、色んなタイプが出ているようですね。
新モデルを持ってないので全くの推測ですが
メインチップは専用チップではなく汎用マイコンなので
似たような外観のものは、同じチップのままソフトだけで
機能アップしているのではないかと思います。