2019年2月8日金曜日

CO2レーザー その10(初カット)

その09」でソフト「K40 Whisperer」ってのをInstallしたので、
やっと初カットであります^^;

ただ、「K40 Whisperer」は、Moshi系ボードでは動作しません。
マーティーのボードは、
「LiHuiYu STudiO LabS」のLIHUIYU系の「HT-XEON」ってのです。
右上に「MODEL:6C6879-LASER-B1」とありますが、
ソフトの設定を[LASER-B1]にするとキャリッジが暴走します。
「HT-XEON」の名前が、有効みたいで[LASER-M2]に設定しています。
そして、今頃になって気づいた品番!
コンソールパネルにこんな大きな文字「JK-K3020」が!(-_-;)

では、まずは、テストカット用の20mmの円をInkscapeで描きます。
ソフト「M40 Whisperer」で、Cutは、赤にすることになっています。
この時点は、ページサイズが、デフォルトの A4です。
[Resize Page to Selection]して
ページサイズの周辺を除去して図形に合わせます。
SVG形式(Vector)で保存します。
G-Codeに変換しなくて良いのは、いいのかどうか?
先にK40 Whispererを起動しているのですが、特に連携しないですね~?
まだ開発途上のようで、結局、[File]から開かないといけません。
左上の原点基準に赤の円が出ます。
K40 Whispererでは、
:Raster Engrave(面加工、ディザ階調)
:Vector Engrave
:Vector Cut
のルールがあり、色分けしていれば、同一ファイルで加工可能なのです。
レーザーパワーは、本体のコンソールで設定して固定なので、
夫々スピードだけを指定できるようになっています。
念願の透明アクリルカットに行く前に、
ダイオードレーザーで苦労した1mm厚程の透明のCDケースでやります。
まずは、「みら太な日々」師匠のブログを見て、感で設定します。
3mm厚のアクリル、5mA、300mm/min辺りの2Passだと思われます。
CDケースの材質はわかりませんが、薄いしアクリルより融点が低そうなので
5mA、300mm/minだと確実とは思うんだけど
試しに、出力30%の600mm/minに下げて始めます。
CO2レーザー その03」で出力50%では、高圧電流:5mAでした。
CO2レーザーのエネルギー変換効率≒10%とすると、30%で3mA
実質レーザーパワー:3mA x 10KV x 10% = 3W でしょうか?
10.6μmの遠赤外線なので行けそうな気がするんですが?
[Vector Cut]:600 mm/minにして、
出力は、コンソールで30%にして
透明のCDケースをハニカムパネル上に置いて
[Vector Cut]ボタンで開始します。
この時やった、ブルーLD(450nm)や近赤外線LD(808nm)と違って
波長 10.6μmなので表面から溶けていますが、貫通してはいません。
ゴーグルもしていますが、煙と臭いもすごいのでマスクもして、
幸い今日は、暖かいので窓は、全開です。
出力40%にセットして、
さっきの横をカットしたいので
・赤枠部にX:30、Y:0 として[Move To]すると
 キャリッジが移動して、横のPreview Windowの円も移動します。
・Preview Window上の原点をドラッグして移動すると
 図形移動と同時にリアルタイムでキャリッジも動きます。
・[Unlock Rail]してキャリッジを手で移動させて
 そこから開始することができます。
と3つの方法で開始点の変更が可能なのです。
JOG矢印の中央と4コーナーのボタンは、まだよくわかっていません。
では、40%、600mm/minを動画で
音がすごいんです。古いのでまさかのフルや1/4のステップなのだろうか?
40%、600mm/minで切れると嬉しかったのだが、やっぱ切れないですね~
600mm/minと比較的速いのに周辺の溶けがひどいです。
CDケースは、融点が低いようですね~
出力は、左:30%、右:40%
右側の溶け巾、2mm近くありそうです。
ひょっとして焦点距離があってないのかな?
焦点距離:50mmのハズなのです。
今頃確認すると、レンズからハニカムパネルまで約70mmもあります。
薄い板を手で上下させながら、TESTボタンでプシュプシュやると
やはり、50mm辺りが一番光って合焦ポイントのようです。
合ってなかったのです(´-﹏-`;)
このキャリッジ(第3ミラー&レンズ)は、フォーカス固定なので、
取り急ぎ、その辺にあった20mm厚の板を敷いて、ハニカムパネルを乗せます。
右の丸い大きな焦げ跡は、前所有者の名残です。
CDケースの向きを変えて置きます。
開始点を色々変えて、ここで始めて気づいたのが、
座標系、Y軸は、手前がマイナスなんですね。
なので、結局、CNCや3DPと同じになります。
ただ、加工方向が、原点から、X軸:+方向へ、Y軸:-方向へ行くのです。
X:30、Y:-30で[Move To]すると、Preview Windowの円と、
キャリッジが、原点(赤矢印)から右:30mm、下:30mmに移動します。
あ”~っ! 水冷ポンプをONするの忘れてました(-_-;)
冬で水温が低かったからよかったものの夏だったら...恐ろしや~
確実にまたやらかしそうです。
早いとこ、水流検知センサーをポチっておかないと^^;
しかし中国は正月休みだ~
水冷ポンプ電源を主電源SWから取って連動させる事にします。

色々やっては見ましたが...
CDケースは、周りがあまりに溶けて見栄えが良くないのです。
意外とこの材質は、難しい部類なのかも?
或いは、黒い保護シートとか貼ってやるといいのだろうか?
ひとまず、こいつは、中断して
次は、ベニヤ板(3mm厚)でやってみます。
数々の焦げは、レーザーダイオードで格闘した残骸です。
まずは、出力40%、300mm/min!
それにしても、この炎は、いかんです。レンズ直撃しそうです。
上の動画の出力40%、300mm/minは、貫通せず。
次の50%、150mm/minで、もうちょっとみたいなので、
50% 80mm/minまでSpeed落とすと、貫通しました!
ポロッと落ちる程ではなく、皮一枚繋がっている感じです。
3種類のテストの跡。
裏側は、
青丸:出力40%、300mm/min・・・なぜか部分的に貫通している。
緑丸:出力50%、150mm/min・・・少しだけ切れている所がある。
赤丸:出力50%、  80mm/min・・・ほぼ切れています。
最後の50%、80mm/minのは、少し力を入れると、外れました!
まあ、いいんじゃないでしょうか!
5WのBlue Laser Diodeでは、10pass以上で切削幅1mm以上だったので
1passで切れると、とても感動ものです。
切口は、なかなかいいですね~
それにしても、木の場合は、炎がすごいです。
ベニヤ板カット動画の1コマですが、
これなんか、レンズ直撃しそう、というかしてるかも(´-﹏-`;)
口で吹いてると炎は消えます。
だから先端からエアブローで消火しないといけないんですね。
ひとまず、レンズは大丈夫のようです。
とりあえず、レンズに鏡筒付けて
裏から位置が大丈夫か確認して
アルミなので、これで少しは、下からの熱を防御できるでしょう!
普通は、このエアホースを鏡筒部分に取り付けできるハズなのですが、
このモデルには、取り付け場所がありません。
ホースを付けれる鏡筒を3DPで作るかな~
或いは、上のアルミ筐体に横っ面に穴を開けホース繋ぐかな~
エアホース系は、パーツが揃ってないのでAliからの到着待ちです。
それとも、やっぱ、これがいいのかな~ 約$30だもんな~
右下の小さなパイプにエアブロー用ホースを付けれるようになっています。

ベニヤ板カットは、良しとして
次は、本命の透明アクリル板 3mmのカットテスト
ありがたいことに、師匠から、研鑽積むようにと、こんなにいただいたのです。
テストでカットするだけは、もったいないのですが、
20mm厚の板とハニカムパネルの上にアクリル板を置いて
まずは、50%、50mm/min、1pass でどうだ!
実質レーザーパワー ≒5W
排気していないので臭気と煙が半端ないです。
マスクは、ほぼ効果なく、基本、息を止めねばなりません。
終了後すぐに窓を全開にして換気!ちょっと部屋の外へ退避します。
ギリギリ、僅かに貫通していない所がありますが、少し強く押すと外れました。
ついに念願の透明アクリルカットができました\(^o^)/
一発でここまでいけると、気持ちいですね~感無量であります。
カット面は、キレイです。
2-Passでやってみます。
[Settings]-[Advanced Settings]すると
Pass回数を設定できるようになります。
出力50%、100mm/min、2passにします。
一旦、原点に戻って2pass目が始まります。
ちょっと速すぎて、貫通しなかったので、
出力50%、60mm/min、2passでどうだ!
切れました!
持ち上げただけでポロンと抜け落ちます。
ちょっと強すぎなのかな?
分厚いアクリル板が、こんなに簡単に速くカットできるなんて、すばらし!
ポンと置いて、スパッとカット! CNCとは別の新しい道が開けますね~
でも、プラスチック系は、とても体に悪そうな臭いや煙がひどいので
早く設置場所を確定して、排気をきちんとやらないと不味いですね~
断面は、僅かに斜めですね~
レンズの手前で3mm程のスポット径が、50mmで合焦するわけですから
この傾きは、tan -1(1.5 ÷ 50)= 1.7° かあ~
無限遠の焦点距離じゃない限り、この斜めは、でます。
レーザーでカット面が斜めになるとは、このことだったのか~
今の今まで、頭から抜けていたのであります(-_-;)
高価なモデルは、筐体の高さが倍位以上あったりするので
たぶん、レンズの焦点が、100とか150mmとかだと思われます。
切削面が斜めなので、なかなか測るの難しいのですが、
表側の表面ギリギリの径を測ると、19.76mm
同様に裏側の表面ギリギリの径を測ると、19.63mm
表と裏で0.13mm程違います。
2つ上の表側のX軸方向: 19.76mm
Y軸方向のこれは、19.61mm
XY軸の差:0.15mm
このソフト、サイズ調整は、step/mmではなく、
[Settings]-[General Settings]の
X Scale Factor、Y Scale Factorで比率を調整するようになっています。
切代があるので、内側/外側のどっち取るか、
パワーやpass数で切代巾も変わるし、その辺の調整は難しいですね~
もはや中のモノは、XYわかりませんが、
径が一番広い所なので、たぶんX軸:19.47mm
X軸の外側と内側の差は、19.76 - 19.47 = 0.29mm
径の狭い方のたぶんY軸は、19.34mm
XYの差:0.13mm
さっきの抜け穴のXY差:0.15mmとほぼ合います。
Y軸の外側と内側の差は、19.63 - 19.34 = 0.29mm
すごっ!同じになった。我ながら大した測定技術かな? 偶然ですね^^;
外側と内側で0.3mm近くあります。
昨年末に「みら太な日々」師匠宅で見たのより、どうも切削幅が広いような...
「みら太」氏のカットは、持ち上げただけでポロッとじゃなくて、
ちょっと指で置してポロッという絶妙な加減なのです。
あの時、何気なくツマミを設定されてましたが、あれが師匠の技だったんです!
こんどお邪魔したら盗み見しよっと!

いや~!ベニヤ板も3mmのアクリル版も切れたので、感激であります(^_^)

みら太師匠、前所有者の神様、ありがとうございましたm(_ _)m

最後にメインボードを見直すと、
ステッピングモーター・ドライバは、TEA3718S(SGS THOMSON)
なんと「HALF-STEP AND FULL-STEP MODE」だけなのです(´-﹏-`;)
道理で轟音なはずです。
ただ、2モーターなのに4チップあります。
この辺のDatasheet見ると、1チップでフルブリッジ1回路しかないなので
1モーター2コイルで2チップ必要なのです。
ついでに、Y軸のステッピングモーター
品番は「17HW4410N-03AD-Z」
GitHubのここにPDFの仕様書がありました。
STEP ANGLE:0.9° とあるので、400STEPだ~!
まあ、マイクロステップ動作ではないですから...
タイミングプーリーのギアの最外周をノギスで測ると、12.5mm
概算すると、1回転で
12.5 x 3.14 ≒ 39mm
400stepで1回転なので、1STEP
39 ÷ 400 = 0.0975 ≒ 0.1mm/STEP
の精度ってことになります。
ハーフステップで駆動しているとすれば、半分の 0.05mm/STEP
まあ、2012~13年のマシンですからそんなところなのか
レーザーのカット巾(切代)もパワーやPass数で変わるので
このモデルでは、あまり精度を追求しても~  というところでしょうか?
それと、気をつけなるポイントがあったので記録しておきます。
その03」の時に見つけたCO2レーザー管の特性があるサイトのここ
レーザー管の扱い方が載っています。

「1.」には、
「設置する時は、light spot and power が最良の状態になるまで、
 チューブを少し回転させてください」
といった記述があります。
新品のレーザー管で最初だけやる儀式なのだと思われます。

「2.」には、
「冷却水の温度は約18〜15℃。 30℃を超えるとレーザパワーが徐々に低下します。」
ってことが載っています。
夏は、30℃未満ってのは、厳しいです。
冷却水に氷を入れて冷やしてから使わないといけないようです。
コンソールに水温も表示したい所です。

8 件のコメント:

ybjack さんのコメント...

おお、とうとう稼働しましたね〜!おめでとうございます。

昔青年 さんのコメント...

初カット成功おめでとうございます。
CO2レーザーでのカットを動画で見るのは、初めてでした。
ダクトは必須のようですね。
臨場感あふれるリポートありがとうございました。

マーティーの工房日誌 さんのコメント...

MTさん、ありがとうございます。
まだ、5mm厚は、やっていません。
8mm厚カットは、簡単にはいかなさそうです。

マーティーの工房日誌 さんのコメント...

昔青年さん、ありがとうございます。
臨場感あるでしょ!
私なんか、この動画見ると強烈な臭いまで蘇ります(笑)

みら太/mirata さんのコメント...

ファーストライトおめでとうございます。
これでガンガン切れますね。
お楽しみください。
あ、まずは排気系を作りましょう。アクリル酸の臭気は体に良くないです。
あと、trotecやuniversalの加工機も基本は2inch焦点のレンズを使っています。universalはオプションで1inchのものもあります。
焦点距離が長い側はビームウェストも長くなりますが、ビームウェストの絞り径が太くなるといういやらしいトレードオフがあります。
太いビームを単焦点レンズでぎゅっと絞ると焦点は非常に小さくなり、細いビームをだらだら長焦点レンズで絞ると焦点が大きくなります。
この辺をご覧ください
http://laser-navi.com/laser_technology/technical_qa/kakouqa-q2-5/

マーティーの工房日誌 さんのコメント...

排気系とエアブローもですね!
色々古い機材があるので、まずは分解して部屋の片付けからです(-_-;)
やっぱし大きいレンズは駄目なのか~
収差の方が支配的で良くなると思ったのです。
最後のサイトは、他のも読んでる所で、とても参考になります。

三池 さんのコメント...

CDケースはポリスチレン製ですね。成形温度はアクリルより低いので、尚更エアで冷やしてやらないと再溶着するのかも知れないです。

スラスラと計算が出て来て凄いですね。
計算値よりも実際の角度は狭い様ですね。(計算サイトで計算しました ^^;)
3mmの板を1.5mmずつ高さを変えてカットすれば、寸法差は半分以下になるかなー…なんて妄想が読んでいて浮かびました。
水温についても…そんな温度だったのですね。あまり温度が低いと出力が弱い感じを受けていたので、勘で30度程度の水を流した方が良いかと思ってました。
しかし、水温だけ指定しても、水量とか圧力で大分冷却効果は変わるんですけどねえ。


マーティーの工房日誌 さんのコメント...

三池さん、見ていただきありがとうございます。
エアは、火消しだけでなく、3DPのノズルファンみたいな役目もあるようですね。
まだ、エアができないのと、Z軸も固定なので、当分先になりそうです。
水温については、レーザー管作ってるメーカーが言っていますが
あまり低いとパワー落ちるんですか~
夏は、氷を入れ過ぎないようにします。
なかなか難しいですね~