2019年8月3日土曜日

小型工作機CNC2418 その77(アルミでリングネジ製作)

前回、その76でフレキシブルカプラーに雌ネジを切ったので
蓋になるリングネジ状の雄ネジになる方です。
ホントは、CO2レーザーカッターの改造パーツなので
タイトルに悩んでしまいます。
まあ、CNCで特殊な加工に成功したということで!^^;

ZnSeレンズは、素手で触ると命に危険がありますので
ラップで包んで
デジタルノギスで測ります。
これは、中央部の最も厚い部分
ラップの厚みは、1x μmのようなのでほぼ無視できます。
端の方は、ほぼ2.0mmでした。
レンズのモデルを描いて
レンズマウントに乗せます。
メニスカスレンズ f=50.8mmなのですが、ほぼ平坦なのですね。
レンズが僅かに飛び出しますが、
上側は、第3ミラーマウントとの間に1mm空間があります。
リングネジ状のレンズカバーを付けると、この様になります。
断面、
この状態で第3ミラーマウントの隙間は、0.2mm
レンズ径:12mm、カバー穴径:10mmです。
レンズカバーは、これ!
今の所、アルミ板で作ろうかと思っています。
厚み 2.2mmなので、ちと中途はんぱ、2.0mmでも大丈夫そうですが...
切削は、逆さまにしてやるのですが、
TAPミルの底が盛り上がっていて0.3mm余裕をみないといけないので
一番下から切削することができず
赤丸部のように溝の始まりが切れてしまいます。
で、下に1mm程度のもの(灰色)を敷いてやれば、
上側のカバー(青)のネジ山は、途切れることなくキレイになります。
上のモデルのネジ切り設定です。
嵌合がよく分かるように、モデルもねじ切りします。
さて、簡単には加工できないので、加工のやり方を整理しておきます。
Fusion360のCAM(製造)に行って
中央の穴と段差を切削します。
予定加工時間:1時間51分34秒
やっぱしアルミは、時間掛かるな~
ここで、MDFで作っておいた、これを使います。
直径:13mm、内径:4.5mm、厚み:3mm
最初に作っておくのを忘れないようにしないといけません。
まあ、正確なものでなくていいので、手作業の作品でいいのですが...
さっき切削した穴に嵌め込んで
M4ボルトとスライドナットでステージに固定します。
1mmの2-Flute トウモロコシタイプのエンドミルで外径カットします。
スピンドルモーターは、Duty 100%の約10000rpm
F120、深さ:0.07mmずつでいきます。
この時、周辺も固定しておき、タブを付けずに下までカットします。
カット後に周辺の固定具を取って、周りの残板を取り去ります。
20分49秒
んで、本命のネジ切りです。
この最外周を「雄ネジ」にします。
外径:16.84mm、高さ:3mmです。
回転速度は、Duty 100%(≒10000rpm)です。
1000rpmで、生成されるGCodeがS1000になります。
[円形状面の選択]でネジ溝の山部(直径:16.84mm)を選択
TAPミル底の盛り上がり分を避けるため、ボトムは、0.3mm余裕を見て
3-0.3=2.7mm
モデルトップから-2.7mmにします。
中央の固定ボルトの頭を避けるために
[退避高さ]:6mmと高めにします。
これは、前回その76で仕様を出しました。
[ねじピッチ]:0.6mm
ネジ山深さ:0.455mmなので
[ピッチ円直径オフセット]:0.91mm
[複数パス]にチェック入れて
[切削ピッチ]:0.05mm
0.455 ÷ 0.05 = 9.1 なので
[切削ピッチ回数]:9
最初の切削は、0.055mmですが、まあ大丈夫でしょう。
ここは、自動設定のまま。
工具形状も合ってます。
進入・退出で工具の刃が当たらないか、真横から確認します。
この水平位置で侵入しているので大丈夫です。
所要時間:26分23秒
シミュレーション完了後、真横から
溝の位置は、大丈夫そうです。
実際のミルでは、V字に切削されます。
フレキシブルカプラーで作ったレンズマウントに
リングネジを入れた完成予想モデルです。
残念ながら色は付けれません(-_-;)
裏側は、M12タップ
一応、第3ミラーマウントの最下部と
レンズホルダーの最上部が当たってないかカットモデルで確認します。
赤矢印部は、0.24mm隙間があるので大丈夫かな!
よし!これで切削に行こうとしたら
2.2mmのアルミを持ってた気がしていたのだが、夢だったようで(-_-;)
アルミ板のヒートシンクの2mm厚のアルミ板しかないのです。
下に6mmのMDFを敷いてやろうかな。

で、材料が、アルミ2mm厚、MDF6mm厚に変わったので
間違えそうなので、再度、加工シミュレーションします。
まず、アルミの下にMDFを重ねて
電動ドリルで、中心付近に5.5mmの穴を開けます。

M5ボルトとワッシャーとスライドナットでステージに固定します。
ここは、後で固定するのですが、先に位置決めしておかないと、
これを締め付ける時に部材の位置がズレるからです。
それから周辺の固定具を付けて
一旦、中央のボルトを取り外します。
で、アルミを切削してΦ10の穴を開けます。
更にΦ14で深さ1.5mm切削します。

ここで、中央のボルト+Φ13.5ワッシャーとスライドナットで
ステージと固定します。

Φ16.84の外側を1mmミルで深さ2.5mmまで切削します。
アルミ板の周辺を切り出したいので、タブを付けずにカットして
周辺にも固定具を付けていたのです。
ここで周辺固定具を一旦外して、カットしたアルミの周辺を取り除きます。
周辺固定具をもう少し外側に移動して固定します。
アルミの周囲のMDFをΦ26、深さ0.5mmで掘ります。
TAPミルがアルミ底面より深い所から始めるためのスペースです。
これでネジ溝を切削する準備が整ったので、
アルミ下0.5mmの所からネジ溝を切削していきます。
ひょっとして、アルミの周辺を外した時点から、周辺固定具は不要ですね(-_-;)
固定具とMDFを取り除けば、完成です。
2mm厚のアルミ板にネジ溝が3つできるはずです。
CAMに行って、この方法でGCodeを吐き出すことにします。
さ~て、かなりウダウダやりましたが、今度こそ、切削本番です。
まずは、M5ボルト用の穴開けから。
2mm厚のアルミ板の下に6mm厚MDFを重ねて、一番下は当木。
どうせ少しぶれて大きめの穴が開くので5mmのドリルビットで
電動ドリルなのでセンターもしっかりズレていますが、ここは想定内です。
このアルミ板は、2年以上前に作った鍵のあまり切れです。
あまりも記念に取っておいたのです。
で、開た穴にM5ボルトを入れ
裏にスライドナットを付けて
M5ボルトとスライドナットで部材を固定してから
両側をステーで固定します。
それから、中央のボルトを外します。
中央の穴を広げた後で、またボルト固定しますが、
その時にボルトを締めてもセンターがズレないようにするためです。
最初は、電動ドリルで開けたΦ5 ⇒ Φ10 にします。
2-Flute・トウモロコシタイプ・3.175mm
10000rpm、深さ:0.07mm、半径方向:0.3mm、F180
目視のセンター合せなので、クリアランスをみて
Φ4.5から広げる設定です。
Feed 150%(F270)でも大丈夫です。
外周が薄くめくれ上がっているので
フレキシブルカプラーより柔らかそうですが粘っこい感じもします。
最外周はFeed 100%(F180)がちょうど良さそうです。
切削屑が結構溜まっています。
遠くには飛ばないので助かります。
28分10秒
切削くずを吸い取って
次!同じミルで
Φ10の穴の周りを、Φ14の深さ1.5mmに掘り下げます。
これも
10000rpm、深さ:0.07mm、半径方向:0.3mm、F180
これもFeed 150%(F270)で通しました。
最初の1周目で最外周が薄くめくれ上がった所があります。
やはり柔らかめのアルミなのかな?
ヒートシンクだったので、純アルミに近いものだろうか?
終わりました!
切削屑がだいぶ溜まっています。
28分4秒
集塵機で切削屑を吸い取りました。
やはり、フレキシブルカプラーとは、違う感じがします。
次は、外径カットです。
輪郭は、1.0mm トウモロコシタイプミルを使います。
おっと!危ない
このまま外径カットするとタブを付けてないので
中央部が抜けてしまうところでした(-_-;)
スライドナットをスケールの上に乗せてそっと右から差し込んでいきます。
これには、ちょっと苦労しました。
スライドナットが少~し斜めになるので
スケールで上に押し上げてステージに当てながら差し込むとうまくいきました。
上からM5ボルトを付けて締めます。
[切削送り速度]120mm/minですが、
輪郭切削は、いつも最初に降りていく時にゴリゴリ音が大きいので
ちょっと弱気で
[ランプ送り速度]:50
[切り込み送り速度]:20
にします。
深さ 0.07mmずつにしていますが、
これも弱気でFeed 50%(F60)から開始します。
音を聞いてると上げれそうにないです。
振動がややひどい感じ
最後までいけるかな~(´-﹏-`;)
切削屑も吸いながらやった方が良さそうです。
Feed 80%(F96)まで上げてみたが
ちとヤバそうな感じ、50%(F60)に戻します。
15分でやっと半分(T_T)
深くなると
ミルがたまに引っ掛かった感じになり、深さ1.4mm付近、
40%(F48)に落としてみたりとややヒヤヒヤです。
最後の方を動画で!
動画では、実際よりも静かで、もちょっといけそうに感じます。
が、そばで見てると結構ヒヤヒヤなのです。
最後の一周はFeed 20%(F24)、さすがに振動は安心できるレベルです。
鍵を作った時は、0.6mmミルで0.05mmずつのF100でやったけど
あの時は、コレットでなくカプラーだったので
振動でイモネジが緩むほどでした。
径が1mm、深さ 0.07mmにUPで、かなり負荷が増える感じです。
34分34秒
やっぱアルミは、時間かかるな~
あれっ?MDFの茶色が見えない
おっと、底まで切れてません(T_T)
深さ 2.2mmまでカットしてるはずなのに、均一に切れてません(T_T)
Zゼロ調整をミスったか、CAM設定ミスったか?
ひとまず、周辺の固定具を外します。
ちょっと力技で何とか外せましたが
センターがズレたかも?
面倒くさがらずにGcode作ればよかったと、後の祭り(-_-;)
3.175mmで外周を掘ります。
TAPミルがアルミ底面より0.5mm程、下から切削を始めるからです。
Fusion360モデルだと、こんな感じに外壕をつくります。
下の方にアルミが残っているのと
センターが僅かにズレたかもが心配です。
一応、MDFなので3.175mm トウモロコシで深さ 0.5mmずつ、F300です。
最初は、外側、
次に内側を周回するようにしています。
やはりセンターが僅かにズレていました
右手前の方が、アルミの外周も少し削られましたが
アルミの切削屑から見て、たぶん0.05mm程度だと思われます。
2mm厚のアルミを削ってる事になるので、10%(F30)に落とします。
なんとかうまくいきました!
4分33秒
では、本命のタップ建てです。
TAPミルが入らないと思ったら、軸径4mmでした(-_-;)
コレットを換えて、TAPミルに交換します。
TAPミルは、雌ネジの時と同じこれ!
TRS-P0.5-P0.8-H4(ピッチ0.5~0.8用)シャンク径 4mm
US$ 19.8(45% OFF、送料 $ 2.11)ポチるのにちと勇気いりました^^;

切削開始!
ネジ山というか溝が見えてきました
が、右下には、溝ができていません。
右下は、外堀する時に多めに切削されたのだろうか?
少しでも早く終わったほうがいいので、
浅い所は、Feed 150%、深い所は、Feed 50%と可変しながら進めます。
これも半径方向:0.05mm、F100でしたが
Feed 50%(F50)に落としました(-_-;)
やっぱし、高価なミルや細いミルは、弱気になりますね~
最後の方を動画で!
最後の1周です。
いい感じで刃が当たっているようです。
慎重にやったので、38分14秒も
ネジ溝がちゃんとできてるようです。
さ~て、固定ボルトを外します。
ちょっとドキドキです。
できてます!
ピッチ0.6mmのネジ山(ネジ溝?)です。
ヒゲがでてるので、ちょっとバリ取りをする必要があります。
裏側。
前回のその76、フレキシブルカプラーで作った雌ネジの方に入れてみます。
うおっ~~!
入ります\(^o^)/
ジワジワとねじ込んで、バッチリです。
とても気持ちいいです\(^o^)/
時計とか作られてる方の凄さを垣間見た瞬間でした。
で、やっとできたのでレンズを入れるわけです。
が、またもやアホなことをしでかしました(-_-;)
このモデルを描いた時に、レンズ径:12mmに対して
蓋の方の凹みの径を14mmにしていたのです。
なぜレンズ径に近いのにしなかったんだろう?
レンズを取り付ける時に中心に付けるのが大変です。
隙間を埋めるアダプターをCNCや3Dプリンタで作るのは
面倒になったので、ゴムリングと小さなハサミで
外径 16mm、内径 12mmのOリングゴムを
半径方向に半分に切りました。
流石に汚い(-_-;)
ZnSe(セレン化亜鉛、ジンクセレン)は、素手で触ると命の危険があるので、
ラップで挟んでます。
ラップは、一応、水蒸気の透過度が低いポリ塩化ビニリデンです。
カットしたOリングゴムは、リングネジの蓋にうまいこと嵌りました。
ラップで包んだレンズを嵌めてみます。
上になる側、いい感じです。
よし!
これでラップ外してレンズ入れちゃおっと!
実は、だいぶ前に気づいたのですが、
この時の最後の方で、凹凸を逆にしておりました(T_T)
凸メニスカスレンズなので、
レンズに、小さく映り込む:凸面大きく映り込む:凹面
上側(レーザー側)が凸面下側(対物側)が凹面です。
これでレンズ固定は、完璧になりました\(^o^)/
レンズの写真写りがいいので寝かせてます。
下側から
ちょっと眺めていると
やっぱ、仕上げはこれかな!
1mmのドリルビットで凹みを作って、ピンセットで回せるようにしました^^;
Φ1の2つの凹み
ピンセットで回せるようになりました!
いかにも光学部品の感じがでてきました^^;
なかなかいいものができました!
これで完璧でしょう\(^o^)/

0 件のコメント: