Oリングゴムを入れて、レンズを付けて、
レンズが入るとこんな感じです。
が、逆さまにするとレンズがポロッ!(T_T)
その74で、下側にM12タップ建てる時に、折れてしまって
アルミロー付けしましたが、その熱の影響ではなくて、
そもそもOリングゴムとレンズの嵌りが甘いのです(-_-;)
これは、まずいです。
(写真撮り忘れなのでモデル)
対策は、もっと簡単な方法も考えられますが、
0.5mmピッチのネジ山を建てて、リングネジで固定したくなりました。
実は、少し前に発覚したので、これをポチっていたのです。
結構な、価格ですが、一度やってみたかったのです。
「タップ ミル」というのでしょうか?
商品説明には、「replace taps」とあります。
TRS-P0.5-P0.8-H4(ピッチ0.5~0.8用)シャンク径 4mm
US$ 19.8(45% OFF、送料 $ 2.11)
買ったのは、一番上の「TRS-P0.5-P0.8-H4」
ピッチ0.5~0.8mm用、シャンク径 4mm
寸法情報は、これだけしかありません(T_T)
L1:16mmなので、これ以上の高さ(長さ)のネジ山は作れないことになります。
真横からは、こんな形状です。
タップようにV溝を彫れる4枚刃です。
高価なだけあって、ケースに入っています。
ずっと前に、木ネジ作りに成功して以来、
アルミで本格的なネジを作ってみたかったので、いい機会なのです。
Fusion360のカスタム工具は、最初にこれやってみました。
切削形状が、最も似せれるんですが...
[2D]-[ネジ切り]では、ツールパスができませんでした(T_T)
木ネジの時と同じく「スロットミル」にします。
工具の新規作成、古いVeisionでは、数値を入れると、
形状がリアルタイムで変化して、とても解り易かったのですが、
今のVeisionでは、何も変わってくれません(T_T)
右側の空欄に出てきそうで出てこないし、デグレしてます(T_T)
Fusion360の新規工具作成で寸法情報が足りないので
先端の刃部分:3.91mm
刃の後ろの軸部分:2.78mm
この径で軸長≒16mm、その後ろの根本は、4mm径の軸です。
刃の出っ張りは、(3.91 - 2.78)÷2 = 0.565mm の計算になります。
寸法図を探しても見つからないので
写真上で測定するしかありません。
このUSB マイクロスコープで拡大します。
0.01mmのスケールプレートが付属しているのです。
最小目盛:0.01mm
左右の刃の尖った部分で、幅3.9mmになっています。
でも先の方は軸が太そうなので
写真上で軸の径から線を引いて測っていくと
実質的に刃として使えるのは、薄緑でハッチした部分になり、
径方向:0.47mm、軸方向:0.63mmのようです。
先端も0.22mm盛り上がっています。
ということで、
Fusion360の新規工具では、右の様なミル形状にするしかなさそうです。
刃の底面幅:0.63mm(軸方向)にして、ピッチ0.5mmにすると
CAMシミュレーションで溝がなくなってしまうので
1/2幅の0.32mmにします。
各部の数値を入力します。
スロットミルで木片へのネジ切りに成功した時のブログを見返します。
判ってしまえば、わりと簡単なのですが、判るまでが大変でした。
ブログ書いてなかったら完璧に忘れてるところです。
CAMの設定[円形状面の選択]で
モデルのネジ溝の「山」と「谷」で異なります。
ここを間違えると、最初の切削深さが異常に大きくなりミルを損傷しかねません。
それと、項目により直径と半径がある点も要注意です。
<溝の谷を選択した場合>
[ピッチ円直径]の1/2は、「溝の谷」から更に深く掘る分になります。
TOTAL溝深さ=モデルの溝深さ+[ピッチ円直径]の1/2
それと、
「最初の切削深さ」=「TOTAL溝深さ」-「切削ピッチ回数」x「切削ピッチ」
で[切削ピッチ]以下であることを確認します。
下図の場合、0.9mmになっているので
「切削ピッチ回数」を12⇒21にして
「最初の切削深さ」=0.1mmにしないといけません。
<溝の山を選択した場合>
モデルの溝深さに関係なく[ピッチ円直径]の1/2=溝の深さ になります。
TOTAL溝深さ=[ピッチ円直径]の1/2
これも
「最初の切削深さ」=「TOTAL溝深さ」-「切削ピッチ回数」x「切削ピッチ」
で[切削ピッチ]以下であることを確認します。
下図の場合、1.0mmになっているので
「切削ピッチ回数」を5⇒15にして
「最初の切削深さ」=0.1mmにしないといけないのです。
で、実は、せっせとFusion360でモデル描いて進めていたら
途中で、こんなアホなことに(-_-;)
これは、コイル機能でモデルを描いたものですが、
暑さのせいか(-_-;) 内径と外径でクリアランスを取ったものだから
溝が重なるわけがありません。
「雄ネジ」にする最外周は「雌ネジ」に食い込んでないといけないですね~
ネジ山間のクリアランス加減が難しい~
どうしようかな~
これは、ネジ部をスケッチで描いてみないといけないな~
と、ピッチ0.5mmで60°の山を作ったら
何と!ネジ山が潰れて低くなってしまいます(T_T)
先に測定したTAPミルの刃幅0.63mm(軸方向)で、0.5mmピッチだと
山が重なるということに気づきませんでした~(-_-;)
何だか思考が停止してきてるな~(-_-;)
ん~ん、これは、ちょっとネジの勉強をしないと!
...このPDFがよさそう。
ネジピッチ0.5mmでネジ山0.47mmってのは、高すぎました。
出所:iwata技術資料 |
引っかかり高さ:0.271mm・・・やけに短い気がする。
出所:iwata技術資料 |
引っ掛かり高さ:H1=H-H/4-H/8=0.27mm
TAPミルで掘るネジ溝の深さは、
・雌ネジ:H/8+H1=0.325mm
・雄ネジ:H/4+H1=0.379mm
になります。
Tapミルは、0.47mmまで行けるので、まだ大丈夫です。
0.6mmピッチで計算してみると
引っ掛かり高さ:H1=H-H/4-H/8=0.32mm
TAPミルで掘るネジ溝の深さは、
・雌ネジ:H/8+H1=0.390mm
・雄ネジ:H/4+H1=0.455mm
になります。
TAPミルは、0.47mmまでなので、この辺が限界です。
ピッチ0.6mmでいくことにします。
有効径が、雌ネジと雄ネジで同じなんですね!ちょっと不思議?
Fusion360では、「雄ネジ」も「雌ネジ」も山を基準に溝を掘るので
「雄ネジ」と「雌ネジ」の山の径の重なりは、
H-H/4-H/8
0.6mmピッチだと
=0.52-0.13-0.07=0.32mm
これは、半径分なので、
雌ネジ側になるレンズマウントの山直径:16.2mmだと
雄ネジ側の、リングネジの山直径は、16.2+0.32 x 2=16.84mm
にすればいいことになります。
危うく、半径と直径を間違える所でした(-_-;)
ということで、切削仕様が決まりました!
レンズマウント(雌ネジ):
・ピッチ 0.6mm
・ネジ溝の山部の内径:16.2mm
・ネジ山深さ:0.390mm
リングネジ(雄ネジ):
・ピッチ 0.6mm
・ネジ溝の山部の内径:16.84mm
・ネジ山深さ:0.455mm
ということで、最初からやり直し(-_-;)
だいぶ冷静になってきました^^;
まず最初に
以前、Φ16、深さ2mmに広げた穴へいきなりネジ切りすると、
センター合わせで、±0.1mmレベルでズレる可能性があります。
0.1mmズレで最初の切削が0.15mmにもなりミルを破損する恐れがあります。
アルミ円柱を固定して、センターを出したら
16mmの穴を16.2mmに広げてからネジ切りをすることにします。
これまでの雌ネジ山内径を中途半端な16.2mmにしている理由です。
それと、折れて溶接したので、レンズ装着面が斜めってる可能性があるので
更に深さ2mm ⇒ 2.14mm(0.07mmの2回)で面を平坦にします。
まずは、上で出しだ雌ネジの仕様でモデルを正しく作ります。
いい感じです。
本物のネジ山っぽくなりました。
CAM(製造)に行って
[2D]-[ねじ切り]
[円形状面の選択]で溝の山を選択します。
TAPミルの底の盛り上がり0.22mmあって、一番底はまずいので
[ボトム高さ]は、モデルトップから-1.7mmにします。
[ねじピッチ]:0.6mm
ネジ山深さ:0.39mmなので
[ピッチ円直径オフセット]:0.78mm
[複数パス]にチェック入れて
[切削ピッチ]:0.05mm
0.39 ÷ 0.05 = 7.8 なので
[切削ピッチ回数]:8
[中心へ進入]のチェックを忘れずに
シミュレーション!
溝が分かりにくいのでストックの内穴径は、
モデルより0.2mm小さい16.0mmにしています。
ツールパスには影響しません。
予想加工時間:10分3秒
では、切削に行きます。
この時の様にG38.2を利用してセンター出しして
レンズが入るΦ16の穴を深さ2mm ⇒ 2.14mm掘り下げます。
10000rpm、深さ:0.07mm、半径方向:0.3mm、F180
結局、Feed 150%のF270
終わりました。
深さ0.14mmなのでさほど時間はかかりません。
次は、Φ16.0 ⇒ 16.2に広げてます。
10000rpm、深さ:0.07mm、半径方向:0.3mm、F180
結局、Feed 200%のF360
センターが0.05mmほどズレていて、深さ 2.14mmで側面切削するので
一番最後は、Feed 30%(F54)でした。
10分20秒
次は、いよいよTAPミルです
軸径4mmなので、中央の4mmコレットに交換します。
右のが、1/8inch(3.175mm)
切削開始!
ツールパスは、そんなに多くないです。
少し進んだ所を動画で!
放射温度計で見てみると30℃程なので、
発熱は少なく、切削量は、少なめな方かもしれません。
が、何となく、無理していそうな気もして
高価なミルなのでビビって
80% ⇒ 60%(F60)と落としています。
刃がだいぶ食い込んでいます。
最後は、刃がギリギリまで食い込んでビビってしまって(-_-;)
40%(F40)まで落としました。
TAPミルは、深くなるほど、切削面積が増えていくので心配です。
予定よりだいぶかかって
やりました!
きれいなネジ山ができてそうです\(^o^)/
USBマイクロスコープで拡大!
良さげなネジ溝(彫ったので"ネジ山"より"ネジ溝"って感じ)が
できました。
測定できないので、完璧かどうか、よくわかりません。
まあ、雄ネジ側ができてからのお楽しみです。
フレキシブルカプラの隙間の部分が気になるので
このUV硬化接着剤で埋めておきます。
これは、UVライト付き。
このラベルのボトルだと硬化も早いし、ベトつきも少ないです。
US$ 8.73(15.88)
こっちは、補充用に後から買ってみましたが
固まるのが遅く、表面がベトベトするのでお薦めしません。
US$ 2.90(29% OFF)
完成です。
ネジ溝が見え難いですが、レンズが乗る側。
裏側は、M12タップです。
色々弄くり回したので、側面の傷が生々しい~(-_-;)
TOPの傷は、元からです。
次は、蓋になるリングネジ状の雄ネジになる方です。
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