2019年7月27日土曜日

小型工作機CNC2418 その74(アルミ円柱との格闘)

前回のCO2シリーズⅤで、ATTINY85に振り回されて疲れたので
気分転換にCNCを使いま~す。

CO2レーザーカッターのレンズマウントを
フレキシブルカプラーで作ってて、
この時の最後の方で、電動ドリルでΦ5の穴をΦ8に広げましたが
設計変更しちゃったので、M12タップ建てることになりました。
M12タップの下穴は、10.3mm
できるだけ正確に開たいので、CNCで削ることにします。
ノズルのM12ネジ部の長さ(深さ)は、9mm
間に、PLA 2mm厚の下側移動架を挟むので、
ネジ山の長さ(深さ)は、9-2=7mm !
でも、工房には、中タップしかなく、先端は、テーパーになっていて
まともなネジ山部分をノズルと重ねると13mm程タップを突っ込まないと
その7mmのネジ山ができません。
ということで、
Φ8の穴をM12の下穴径Φ10.3で13mmの深さまで削ります。
フレキシブルカプラーの高さは、25mm
約半分です。
早速、Fusion360で切削用のモデルを描きます。
「デザイン」から「製造」に移って(CAMの方がいいのになあ)
エンドミルは、3.175mmを使うので、
この前の切削の時に見直したこの表を使います。
*****
設定表<アルミ> 10000rpm
D[mm]0.60.81.01.2~3.175
 Vf[mm/min] 80100120180
深さ[mm] 0.05 0.05 0.07 0.07
2019.6.22修正
・できるだけドリルで下穴を開けて、そこから側面切削で
 [最大切削ピッチ]0.1~0.3mmでゆっくりやるのがいいみたい。
・特に径が大きめのミルでは底面全体で切削する時は、
 マシンの剛性やスピンドルモータの力が弱いので
 Feed:120~130mm/minに下げた方がいい。
*****

[2D]-[2Dポケット]で[送りと速度]の設定して
1000rpmでS1000のDuty 100%になります。
[図形]で切削底面の棚部分を選択して
[トップ高さ]0.1mm余裕もたせて
[ボトム高さ]-13mm
[最大切削ピッチ]は、デフォルトの3.01625mmから
0.3mmに変更
これで内側から外側に向かって、半径方向の切削量 0.3mmずつ
こっちは、深さ方向
[最大粗切り込みピッチ]:0.07mm
進入・退出は、不要な動きをするので、チェック外して
[ランプ除去高さ]は、ゆっくり降りてくる時間がもったいないので
デフォルトの2.5mm(トップから)から、0.1mmでいいでしょう。
忘れてはならないのが、[下穴ドリル位置]!
これによって中心から外側に向かって切削してくれます。
これをやらないと、変なところからランプが始まって、
エンドミル底面全体で削り始め、ミルにもマシンにも負荷がかかります。
前回のアルミ円柱切削での学習ポイントです^^;
カーソルを置いてると出てくる
[下穴ドリル位置]の説明
Fusion360は、このポップアップの解説がでるので
ほぼマニュアルいらずで、とても助かります。
[下穴ドリル位置]でΦ8の下穴の輪郭を選択すると、
中心に白い点ができます。
シミュレーション
最初のランプの0.1mmは、中心から渦巻状にツールパスがありますが
その後は、下穴部分から外側に向かって徐々に削られています。
この穴径は、まだΦ8、その外周に最初の切削の跡が薄緑になっています。
いい具合に切削が進んでます。
シミュレーション完了!
でも2時間超えかあ(T_T)
アルミだから仕方ないか...
切削に行きま~す。
Φ19のフレキシブルカプラーで作ったレンズマウントを取り出して
G38.2コマンドを駆使したこの時のやり方でセンター出しをします。
0.6mmの折らかしたエンドミルを
反対向きに取り付けて
XY方向のProbingをします。
センター出しができたので切削本番です。
今回は、先端Flat・2-Flute・トウモロコシタイプ 3.175mmにしてみます。

セッティングしました。
スピンドルモーターは、Duty 100%、約10000rpm
深さ0.07mm、半径方向0.3mmずつ、F180のCAM設定にしてましたが、
かなり余裕がありそう
Feedを150% ⇒ 180% ⇒ 200% と上げて
F360でも大丈夫です!
20分で深さ3.2mm
深さ3.5mm辺りを動画で!
エンドミルが新品だからか、かなり軽やかに切削している感じです。
ゴリゴリ感がないです。
6ターンで深さ0.07mmの全体を切削しています。
最外周だけ(17~20sec、39~43sec)壁面に当たるのか音が大きいです。
スピンドルモーター:Duty 100%(≒10000rpm)
深さ:0.07mm、半径方向:0.3mm、F360
もっと1回の切削量を増やせそうですが、
マシンの剛性的には、これ位が振動が少なくて安心して見てられます^^;
切削屑は、ほぼ内穴の中に落ちるので、散らからないですね~
手動の集塵機をやらなくていいのでとても楽です^^;
30分でほぼ5mm
いいですね~
この前のこのミルより切れがいい感じがします。
先端Flat・4-Flute(4枚刃)・スパイラルの3.175mm
アルミ用とは書いてなかったし...

深さ7mm付近
最外周では、壁面に当たっているのか
深くなっていくと段々音が大きくなってきました。
危なそうな振動はないので大丈夫そうですが、
怖いので、その都度、最外周だけは、
Overridingで60%(F108)~70%(F126)に落とします。
深さ、11mm付近
Z軸ステッピングモーターは、43.2℃
ステッピングモーターのヒートシンクは、この時つけてます。
Z軸は発熱が大きいようだし邪魔にならないので背の高いのを選択。
CPU用ですがサイズが丁度いい、40 x 40 x 20mm、US$ 1.89/個
角の取り付けピン部だけ削って、熱伝導性両面テープで貼ってます。

深さ13mm 最後の1周です。
かなり深く入っています。
できました!
予定時間の約半分で終えました。
紙の防塵壁を取り去ると
周りには、ほとんど切削屑がありません。
切削屑は、穴の中に溜まっているのです。
高さ25mmの半分くらいまで
切削屑を吸い取ると、なかなかキレイに切削できています。
アルミもここまでできるんだ~と感激^^;
まあ時間がかかりますが...
センターさえ合わせられれば、ボール盤であっという間なんですけどね~(-_-;)
それはそれということで...
そこにM12のタップを建てます。
ここからは、手作業なのです。
M12は、大きいので、かなり力がいります。
慎重にやってたつもりでしたが、
フレキシブルの部分からポキっ! 折れました~(T_T)
仕方ないので、折れた状態でタップ建てました。
塩ビ管つけて挟むと滑ってタップできません。
バイズプライヤで直に挟んだので少々傷物になりました(T_T)
一応、ノズルをねじ込むと、ちゃんと入るのですが
さ~て、折れた所、どうしよう?
これの出番かな?
ちょっと前にたまたま見つけて入手してるのです。
フラックス入りの「アルミ芯溶接ワイヤ」融点: 380~420℃
この店の動画を見て、”これは嘘やろう”と疑いながらも
どうしても試したくなって、ポチっていたのです。
1.6mm + 10pc、 $ 3.47(5% OFF)

見た目は、百均のアルミワイヤと変わりません。
違いは、ちょっと光沢がないところ位かな?
まずは、テスト!
金属の空き箱の上にサイディングの欠片を2枚重ねて
更にセラミック耐火作業台ってやつを置いています。
できました!
下側の白い所が成功です。
上側の丸いのは、失敗。
AliExpressのビデオのようにすぐにやるとダマになります。
部材を十分、熱してから溶接棒を当てると、半田のように溶け込んでいきます。
フラックス含浸タイプなので、表面を削っておくだけでいいのです。
ハンダ付けな感じでなかなか良さそうです。
融点: 380~420℃ なのです。
表面を洗いました。
裏側にも少し染み込んでガッチリ付いています。
本番、行きま~す。
フレキシブルカプラの隙間が均等になるように
カッターの刃を挟んで、ボルトで固定しています。
赤丸部が、折れた部分でそこを溶接(アルミロー付け)したい部分です。
1回目、ダマになってくっつきませんでした(T_T)
動画を取りましたが、失敗なので、載せれません(-_-;)
小型バーナーの火力が足らないのですね。
一旦バラして、接続部分の表面をヤスリでキレイにして
外に行って、ブロックを立てにして、大きなバーナーでやります。
さすがに部屋ではできませんね~(-_-;)
ブロックの窪みに入れたので
風が吹いても大丈夫そうです。
さすが強力な火力、アルミ溶接棒をかなり長めに持たないと熱いです。
部材の全体の色が変わってきた所で、アルミ溶接棒を当てると
ハンダみたいに溶けて、何だか付いたみたいです。
白くなっているのは、フラックスのせいです。
水をかけて冷やして
固定していたボルト類を外します。
棒ヤスリで不要な盛り上がりを削ると、
なかなか良く付いているようです。
狙ってた赤丸部分は、まだ窪んでいて、不足気味ですが
その横の青丸部分の溝にキレイに付いて塞がっています。
ノズルをねじ込めました。
補修完了!
鏡筒には、こんな感じで取り付きます。
一時は、作り直そうかとも思いましたが、
なんとかできました。
アルミロー付けの技も少し身についたので、いいか^^;

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