2019年7月27日土曜日

小型工作機CNC2418 その75(アクリルの横穴&縦穴加工)

梅雨が上がって、真夏日になってくると
月間で「扇風機の修理」が一気に1位に出てきます。
ふと見ると、7月15日だけで閲覧数 5362回!
普段は、多くても 500弱なのです。
特定のページへの閲覧ではなく、全体を満遍なくって感じです。
ちょっと怖い気もします。
さて、今回は、CO2レーザーカッターのパーツではありません。
あるパーツ製作依頼が来たものです。

sltファイルが送られてきたので、Fusion360に読み込みます。
久々のアップロードなので、一応、手順を記録!
左上のデータパネルから[アップロード]
この画面で、stlファイルをD&Dすると
ファイル名が入るので、右下の[アップロード]します。
アップロードが進んでいって
[完了]になれば、[閉じる]で、この画面を閉じます。
左のデータパネルに通常のアイコンができているので開きます。
が、何故か未だに、stlファイルは、寸法が10倍になるので
0.1倍に縮小します。
縮小すると、原点からかなりズレた位置になるので
どこかの角を原点に合わせて移動します。
まずは、
[修正]-[メッシュ]-[メッシュからBRep]して
採寸します。
厚み:8mm
幅:28mm
高さ:20mm
寸法が、ピッタリ数値なので、スケッチは、起こし易いです。
側面図
上面図
モデルは、ほどなく完成!
これ、sunhokeyのi4 X軸のベルト固定具がアクリル製で折れ易いので
アルミにしたいとのことなのです。

ん~ん、穴が、上からと横からだあ!
加工の位置決めには、頭を一捻りしないといけません。
さ~て、横穴と縦穴をどうしようか?
8mm厚のアルミを持ってないのと、いきなりやるのは大変なので
まずは、アクリルでテストした方がよさそうです。
小さいので固定も難しそうです。
で、最初の切り出しは、当然、この面です。
問題は、この2つの縦穴をどう位置決めして開けるかです。
マーティーのCNC2418は、単純な3軸なので、横穴は開れません。
上の形状を切り出した後、ステージから一旦外さないといけないのです。
ん~ん、ん~ん。。。ひとつ閃きました!
上のがピッタリ入る穴をMDFに開けて、
CNCのWORK座標を変えずに(RESETとかせずに)
そこに加工するものを入れれば、
MDFを加工したWORK座標に合わせられるはずです。
まあ、0.1mm程度は、穴位置が狂うかもですが
実際にアクリルでやってみることにします。
モデルを横に倒して
CAMで原点を指定するために、スケッチを描いて表示しておきます。
左端の赤ぽい点を原点にするつもりです。
CAMに行って
セットアップでストックサイズと原点を指定します。
アクリルなのでエンドミルは、
PVC用の先端Flat・1-Flute・スパイラル(HUHAO製)
径1.5mmの1LX3 1512を使います。
溶着しやすいプラスチックを低速回転でザクザク切削してくれます。
特に塩ビとか柔らかめの素材に向いているようです。

この時の切削条件を使います。
結構、強気の時に考えた表なのです(-_-;)
1.5mmでアクリルなので
3000rpm(S300)、F300、深さ0.6mmでいきます。
***
設定表:<PVC・アクリル・ABS・ポリエチレン>
 エンドミル:スパイラル・タイプ(Flute:1or2)必須
D[mm]0.60.81.01.21.52.02.5 3.175
 切削送り速度 
Vf
[mm/min] 
 2000rpm PVC 100 130 160 180 200 230 240240
 3000rpm アクリル
ABS
150190230270300340360360
 4000rpm PE190260310350410460480480
深さ[mm] 0.3 0.4 0.4 0.5 0.6 0.6 0.70.7
***

[2D]-[輪郭]
[送りと速度]
下の輪郭を選択して
タブは、ちょっと多めにします。
穴は、同じ1.5mmミル、[2D]-[2Dポケット]です。
シミュレーションします。
よさそうです。
順番は、穴 ⇒ 輪郭 で、一緒にGCode吐き出します。
Geeetech I3 ProBのベッドをアルミに交換したので
そのベッド、8mm厚の黒い215 x 215mm位のが余っているので
ステージにセットします。
穴の方は、ちょっと危なっかしかったけど、なんとか貫通しました。
が、
輪郭が~~、切削屑が全く飛び散りません。
溶着しかかっています。
このまま進めると、ミルに絡まって、最悪、折れます。
PCでのマウス操作だと、こうゆう時とても焦りますが、
幸い、この時付けた、外部SWで黄色ボタンで素早く停止できました。
上からRSET、ABORT、RESUME、PAUSE、レーザー12V です。
深さ 0.6mmずつは、やりすぎました(T_T)
Fusion360に戻って、0.3mmでGCode作り直して再開。
Feedは、びびって50%、F90で開始です(-_-;)
これだけの切削屑も集塵機で吸い取れるので溶着はしてないです。
動画で!
集塵機はかなり弱めです。
まあ、いい感じにサクサクは削れてるようです。
完了後もキレイに吸い取れました。
エンドミルにも絡まっていません。
今まで使ってたアクリル板と種類が違うのかなあ
記憶が定かではありませんが、ちょっと粘っこい感じもします。
終始、全てFeed 50%のF90でやりました(-_-;)
タブの高さが低すぎて0.38mmだったか
最初のZゼロ合わせが低すぎたのか
振動で薄いタブが折れてグラついていたので
最後の一周は指で抑えながら(´-﹏-`;)
裏側
タブが見えてるので、Zゼロ調整は、合ってたようで
薄すぎて振動で全部折れたようです(T_T)
まあ、キレイにできました!
2個の縦穴は、これからです。
次は、この6mm厚のMDFでベッドを作ります。
原点は、この辺りでいいかな
一発目は、3.175mmミルでザクッと掘って
MDFなんで
深さ4mmの穴を深さ1mmずつ、F640なんて強気にしていたが、やりすぎ
削れないことは、ないのですが、振動が大き過ぎ
S800、F420、最大切削ピッチ0.6mm、深さ0.5mmに修正
更にビビってFeed 30%(F192)に落として
3.175mmミルで切削してコーナーがその半径のRになっているので
0.6mmに換えて輪郭をコーナーをなぞりR0.3にします。

これも、深さ0.6mmずつでやりすぎてたので
F260の30%(F78)に落として優しくいきます。
最後の1周はキレイにしたいのでFeed 10%、F26
位置合わせ用の台座ができました。
クリアランス0.1mmですが
かなりキチキチで、固定具がいらないくらいですが
切削中に傾く恐れがあるので、更に固定します。
縦穴のΦ3.5は、先の1.5mmと同じタイプの
PVC用の先端Flat・1-Flute・スパイラル(HUHAO製)
径3.175mmの1LX3 22を使います。
これじゃないと、ミルが短くて、スピンドルが下の方まで降りてきて
切削するパーツの右側の高い所に当たるのです。

[2D]-[輪郭]
S300(≒300rpm)、0.6mmずつ、F120です。

いざ、切削開始すると
深さ0.6mmずつですが、穴開けなのにF120で下げていました(-_-;)
最初の1ターンがミルが折れそうな程だったので
急いでFeed 10%まで落として、F12
溶着はしませんでしたが、2分23秒で
今回は、大幅下げばかり、どうも頭の調子が悪いです(-_-;)
無事完了!
固定方法ももう少し工夫しないといけません。
右側の高い所だけを固定しているので、あまり締めすぎると
左側が浮いて傾く可能性もあります。
パーツが逆さまに入るベッドにしとけば、まっ平らにできたのですが...
テスト品は、一応できましたが、
元々、オリジナルパーツ(sunhokey社のi4 X軸のベルト固定具)が
アクリル製で折れ易いので、アルミにしたいということで、
4つ必要なのです。
果たして、8mm厚ものアルミで切削できるだろうか?
まともに切削できないだろうから、何か方策を考えないといけません。
その前に材料調達!
到着まで1~2周間掛かりそうです。
首を長~~~くして待っていただくしかなさそうですm(_ _)m

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