2023年10月18日水曜日

光ファイバー・フラワーの修理

修理の依頼が来ました。
光ファイバー・フラワーと呼ぶのかな?
お盆に使う牡丹の飾り花です。
花の中心部に光ファイバーがあり、そこが光るのですが、
電球が切れていて、予備がない上に簡単に交換できないのです。

後ろ側

花の部分は、根本が嵌めてあるだけなので簡単に抜けます。
光ファイバーがギッシリ詰まっています。

花部分を外して

修理が終わるまで、花を収納しておこうと、ふと箱に目をやると
おっ!「ルミナス灯」・・・どうやらこれが本名の様です。

緑丸部は、電源入力ジャック
赤丸部がビスで固定されています。

中の駆動部分の取り外しがとても難いので
ひとまず、裏側から3本のネジを外して

この状態で取り出しました。

一旦取り出すと、コツが分かって簡単に出し入れできるんですが
まるで知恵の輪を思わせるほどでした(-_-;)

さて、電源を接続すると、モーターは、異状なし
ハロゲンランプが切れているだけですが、交換部品はないとのこと。
お盆にしか出番がないので、来年の盆までに修理できればいいのです。

モーターでゆっくりとカラー円盤を回して
色を変化させる仕組みです。
ちょっと昭和を感じさせられて懐かしい気分になります(^^)
電球自体の色が変化すると花全体が同じ色になりますが
これだと、場所によって色が異なって面白い効果が得られますね~

ハロゲンランプは、かなり熱くなるので
碍子の台座にシリコンゴムで固定されています。
更に碍子の下は、シリコンゴムのスペーサーで浮かせてあります。
熱に対してかなり気を使っている様子が伺えます。

シリコンゴムを剥がして、ハロゲンランプを外しました。
台座には、マイカ(雲母)板も敷いてあります。
リード線の外皮は、ガラスチューブ。
安全にも気を使っているメーカーですね~

見え難いですが、赤い刻印
「ICR 6V 5W 5H/3 JAPAN 2DD」とあります。
この刻印を頼りに探すも、なかなか見つからず
ようやく、形状型番:MR11だとわかりました。

よほどのことがないと購入される方はいないでしょうが
「Sunlite 03445 MR11 ハロゲンリフレクター電球 6V 5W」
Amazonですとこちら( 画像にもリンク張ってます)
執筆時点(2023年10月)で税込 11,405円! 1個ですよ(+_+)
6個だと 14,362円、よくわからん値付けですね~

MR11のハロゲン電球 6V 5W
AliExpressにないかな~と随分探しても
12Vばっかし、6Vの時代はとうに終わってるようで(+_+)
見つけた!と思ったら10個で 7,067円、送料 509円
10個もいらんしな~
ちなみに、4559円オフクーポンは、60,638円以上購入時(+_+)
どうやら高級顕微鏡用らしい。
AliExpress.com Product - ハロゲン電球6V 5W MR11 10個

上の店には、
リフレクタなしの電球だけもあって、まともな価格です。
274円/2個(送料 236円)
これを付け替えるってのもありかな?と一瞬過ぎりましたが
やっとのことで、単品売りの店を見つけました。
201円(10%OFF、送料 637円)
注文 756円 以上だと送料無料なのですが・・・
一時は、これポチろうかと思いましたが
やたら同形状のLEDランプがゴロゴロ現れて気になるのです。
でも、電圧が最低でもDC12V なんですよね~
こんな店が多く、色温度とか明るさとか色々あるんです。
236円(43% OFF、送料無料)
やっぱ、寿命や発熱を考えてもこっちを使いたいですよね。
 AC 6V    50/60Hz 
 5 r/min   1.2-2W
とあります。

ACアダプターは、普通のトランスタイプで
出力:AC 6V !
定格2時短絡電流:5.1A・・・記載する意味あるのだろうか?
いくら短絡といえど、こんなに流したらリードの被覆は一瞬で溶け
ケースも溶けるのではないかと(>_<)
マーティーの倉庫にACアダプターは山ほどありますが
出力がACのを見るのは初めてです。

ランプをDC12VのLEDに変えるとすると
モーターもDC12Vにしないといけません。
色々探していると、形状は、ほぼ統一されてる様子。
ACに比べDCは、価格が高めです。
急がないので、送料無料で到着遅くていいのですが
この店で手を打って、DC12V 軸長 35mmのをポチッ!
852円、送料 626円
円安に便乗してか、AliExpressもどんどん高くなっていく~(T_T)
ポチる前にサイズを確認しましたが
このサイトのは、サイズが載ってないと思ったら
下の方の[さらに表示]をクリックすると
下に写真がズラッと現れて

DC12V 35mmの寸法図です。
現行のものは、これより、軸長が10mm程短いのと
ボディ厚:18.7mmが、2mm程低いのですが
軸だけ短くしてダイスでネジ加工すれば、何とかなる予定(^^)

モーターのDC12Vがあったので、安心してLEDが選べます。
2W、3W、4Wの店が多い中、ここで7Wにするか悩んで
結局、5Wにしました(^^;
198円(16%OFF)
無料配送ですが、到着予定は、2か月後になっています。
途中のリード線、何だろう?と気にはなっていたのですが

2週間後に極小の段ボール箱で届いたら 
上の接続図のと同じパーツが同梱されていました。

どうやら、ラベルに「50/60Hz」とあるし、
表示だけ「12V DC」で、モーター自体は、AC 12Vの様子
回転速度:5RPMで注文通りです。
CW/CCW?回転方向は変えられないはずだが?
電源ONのタイミングで回る方向が変わるのか?

このパーツでDC12V ⇒ AC12Vに変換して
合わせ技でDC12V対応になるようです。
だから、AC12V品よりDC12V品の方が高いのか~と、今更納得(^^;

このマニュアルが入っていました。

裏はこれで、
AC12Vのアダプターを使わないように注意があります。

変換アダプターのヒシチューブを取り去ると
片面は、真っ黒の絶縁保護剤で覆われています。
COB(Chip on Board)のICが乗ってるのでしょう。

シルク面は、INには+-がありますが
OUTは、リード線色も区別なく同じ黄色です。
DC12V to AC12V のインバーターに間違いないですね。
にしても、こんな小さいのは、初めて見ます。
「QQ385285808」基板の完成品番のようなので

執筆中に探してみると、AliExpressにはなく、ここにありました。
500個以上で3.6円!
中国語の漢字、雰囲気しかわかりませんが
「DC転AC逆変換板」ってところでしょうか
インバーターじゃなくて「逆変」ってのが面白いですね~

定格が知りたかったのですが
その店に載っているこれだけでした。
INPUT:5 - 15V DC、OUTPUT:0.1 - 0.8A のようです。

指定された通りに接続して、DC12Vを印加します。
モーターは、5rpmなので、とてもゆっくり回ります。
微かにジリジリと音がします。

1 - 2Wなので、単純計算では、12Vで0.08~0.17Aですが
0.188A(0.17~0.19で変動)でした。
DC to AC変換ボードの定格は、0.1~0.8Aだったので、余裕でしょう。

携帯デジタルオシロ DS203
( 過去 Firmware修復OP-AMP交換 2回の大手術で復活した )
で波形を観てみます。
DC to AC 変換ボードのOUT(モーター側)は、
±12Vのきれいな方形波に変換されています。
5msec/DIV 1周期 4 DIV=20msecで、50Hzですね。
オーバーシュート、アンダーシュートが大きいのは
モーターのインダクタンス負荷のせいでしょう。

立上がり、立下りは、数μsecオーダーと速いので
DC to AC 変換ボードは、手で触れても発熱を感じないほどです。
(もっと水平レンジを拡大すればよかったのですが・・・)

10分ほどエージングで回していると
モーターが熱くなっていました。

モーターの後ろの黒い部分で 48.2℃
AC入力なので誘導モーターのハズですが
思ったより発熱するんですね~
ギアで減速しているので、その負荷による発熱かな~

さて、軸の長さ、同じものがなくて、10mm長いんです。

こちらは、オリジナルのモーター軸
モーター面から28mm

交換しようとしてるモーターは、38mm!
赤テープ辺りでカットして、
先端にタップでネジ溝を建て直さそうと考えておりました。
ゆっくり回るものなので多少の芯ブレがあっても問題ないのです。

並べて観ると
中のギア軸用の4つの穴位置が同じではないですか!
どちらも同じ 5rpmなので、中のギアも同じのハズ
モーター天面&軸をそっくり入れ替えできないかな~
天面板は、4ヶ所、ボディ側面の爪で留めてあるだけなので
ボキッと折れると面倒なことになるのですが

細心の注意を払って
先に壊れてもいいオリジナルをこじ開けて、仕組みを理解して~
いけそうなので、新品のも、こじ開けました!
予想通り、全く同じギアです(*^^)v

天面板と軸を比べると、軸の先端は、同じ径ですが、
天面板の嵌め込み部の幅が微妙に違うのです。
軸が引っこ抜ければ、入れ替えできるんじゃないか?

簡単に抜けました!(^^)!
後は、差し替えるだけです(^^♪

軸を差し替えて、元に戻して完了!
軸をカットしてタップやってたら大変だったでしょう。
上がオリジナル本体+新しい軸
下が新本体+オリジナルの軸

真上から

新しいDC12Vのモーターに交換完了です。

DC to AC変換ボードは、モーターの後ろのスペースに配置して
配線を半田付けしました。

ACアダプターは、マーティー倉庫を探して
この DC12V出力のにします。
モーターとLEDで0.6Aの見込みです。

先端プラグは、左のオリジナルのに付け替えて~
後は、MR11のLEDが届くのを待つばかり(^^)
来月になるのかな~

と、Tracking情報を見ると、最寄りの郵便局についている様子。
数日後に届きそうです(^^)
注文時、約2か月後の配達予定だったのが、
3週間弱で届くと、とても速く感じますね~

・・・しか~し、それから1週間、まだ届きません(T_T)
”economy shipping”なので、これ以上の情報がUpdateされないのか~

どうやら日本郵便ではない様子。

何でも追跡できてた「17TRACK」では、
情報が出てこず、ちと不安になります(T_T)

4TRACKING」で検索すると
実は、今日は、10月16日
「Received at Destination Post」どういう意味かな?
まさか「Post」は、個人のポストではないと思うのだが
もしかして、誤配達されているのか?

ん~ん、別の店で再度注文せんといかんのか~?と思いながらも
ちょっと出かけて帰宅すると、ポストに黒い荷物が!
配達したのは、郵便屋さんでした。
謎の10日間は、通関でもやってたのかな?

分厚い発泡シートで頑丈に包んであります。

破損もなく2個入っております(^^)

LEDが15個ですね~

改めて、店の説明を見ると
5W 12LEDで、7W 15LEDになってます。
5Wを注文してたのですが7W品のようです(^^)

元のハロゲンランプと形状は、同じです。

極性の表示がなくAC12V仕様のようなので
DC電源でDC12V印加して
電流制限つまみをMINから徐々に上げて光るギリギリにしました。

極性を逆にして印加します。
光り方に変化ないので、やはりAC仕様ですね~

この電圧で電流は、

1つは、これ
12V x 0.064A = 0.77W
えらく低いけど、かなり明るいのでまあいいか(^^)
7Wとは、何のことだろう?

もう1つは、これ
12V x 0.085A = 1.02W
バラツキは大きいですね~

取り付けて点灯テスト!
明るさは良さそうというか、寧ろ、明るすぎるかも?

動画で!

10分程エージングして温度を測ってみます。
銀色はかなり低めに出るので、測定箇所には、黒のビニールテープ貼ってます。
LEDの胴体:37.8℃・・・めちゃ低くていいですね~
ハロゲンランプだったら触わると火傷するでしょう。

LEDの根本:34.6℃

モーター胴体:54.8℃
・・・ちと高いけど、許容範囲内かな。

DC12V to AC12V 変換基板:34.6℃・・・グッドです(^^)

AC100V to DC12Vアダプター外皮:31.0℃
定格 750mAに対して
モーター:0.19A  LED:0.085A なので余裕十分です。

光がやけに横漏れするので

LEDは、パワーと価格重視で選んでましたが
この広がり角38°の方が良かったかも?
だが、3Wで、4つ以上からの購入なのでちと悩みます。
まあ、届くのは、速そうなので次の機会ですね。
で、このアルミ板で

応急処置で少しだけ簡易シェードを付けました。

横から

少しは、広がり角が狭まったと思います。

上から

LEDの差し込みは、そんなに固くなく
振動で外れる可能性が高いので、接着剤で固定しておきます。

接着剤は、この紫外線硬化型のもの
硬化用の紫外線ライトは、395nm と 365nm

紫外線ライトで30秒も放射すれば、しっかり固まります。
この接着剤は、カチカチではなく、やや弾力があり
カッターで切ることができるので、LEDの交換時に丁度いいのです。

さて、元に戻していきます。
入れるのがちと難しくて、次回の交換時には、
すっかり忘れているだろうから、記録に残しておきます(-_-;)
まず、この側面から差し込んで~

次に手前側を入れていき~

画面の上方に押しやって
最後にカラー円盤を入れ込みます。

2本のネジで留めて、入れ込み完了です。

点灯テスト!
周辺の隙間からの光漏れは、意外とほとんどわかりませんね~
アルミの簡易シェードが効いたかな?

花を差し込みます。
この根本は、光ファイバーがギッシリ束になっています。
直径3cmとして707mm2なので、1mm2に4本としても2828本
たぶん、3000~5000本は、あるかと

点灯前

点灯!
お~~っ!凄い!
夜で部屋が暗いので花びらが浮き上がって幻想的です。
花びらの先まで光ファイバーが来てたとは!

全体が同じ色ではなく、場所によって色が異なるのでとても綺麗です。

では、昭和の技を動画で!
カラー円盤とモーターがいい仕事しています。
RGB-LED1灯で色を変化させてもこうはいきません。
同じことをLEDだけでやるなら
出力PINが多いArduinoにLEDを沢山繋いでプログラム組むことになるでしょう。
思うに、最新のもカラー円盤とモーターの仕組みは健在なのかも?
”カチカチ”は、掛け時計の音です。

これが、最新版だと思うのですが Amazonですとこちら
¥25,990となかなかのお値段です。
アフィリンクなので、クリックして購入していただけると
マーティーに僅か1.5%のリベートが入ります(^-^;
どなたか、最新版の中の機構を見せてくれないかな~m(_ _)m

そのAmazon店には、この説明がありました。
実物を見て感じてはいましたが
やはり「匠の技」だったか~

依頼を受けて約1ヶ月で引き渡すことができました!(^^)!

2 件のコメント:

昔青年 さんのコメント...

マーティーさん、ご無沙汰です!久しぶりにブログを拝見(CNC2418の記事で復習する目的で)させていただきました。相変わらず詳細な記事内容に感心しています(笑)

マーティーの工房日誌 さんのコメント...

昔青年さん、お久しぶりです。
お越しいただき、ありがとうございます。
だいぶ休んでましたが、少しずつ製作する元気が湧いてきたかな~って感じです。
そろそろCNCも動かさないといけないですね~