2017年7月1日土曜日

小型工作機CNC2418 その19(集塵ホース取付治具3)

前回、失敗に終わった、集塵ホース取付治具のその3です。

一時はこんな事も試しました。
洗濯ばさみで集塵ホースを固定しています。
ちょっと明る過ぎて見え難い動画ですが。
ホースの高さ調整は手動で随時できるし、
時々、取り外して周りを吸い取ることもできるし。
この方向性もいいかも。

切削終了。
製作物は本題と関係ないですが
アルミの心棒をつけてコマの出来上がり!
ファンみたいな、車のホイールみたいな、
単にこの様な形状を削りたかっただけです。
空力上悪そうですが、そこそこ回ります。
さて、まずは、前回、集塵先端部に苦労して植え付けた”毛”
悲しいけど諦めてむしります。
Before
After
植え付けは、大変だったのに、
すぐに終わりました。
植え付けていた溝部は薄くて折れてなくなったので
綺麗に削って段差にしています。
まだこの製作物には未練があるので
ちょっと改造してみます。
これで蓋をして吸込口の断面積を小さくします。
Fusion360でモデルを描きます。
この様に取り付けます。
嵌め込むとこうなります。
一応、数学的には~
ホース穴はΦ16なので面積 201mm2。
吸込口は外周41mm、内周25mmで面積 803mm2。
これでは、吸込力が弱くなるはずですね~。
外周を小さくして吸込口の面積を小さくする方向で検討します。
吸込口の幅を2mmとします。
これ以上、小さくすると屑が入ってこないでしょう。
外周29mm、内周25mmになり面積 170mm2。
で、ホース 201mm2に対して85%となります。
Gcodeを作ります。
Fusion360のCAM設定は、5段階に分けました。
ホースが入ってくる部分の荒削り。
[3D]-[ポケット除去]です。
最内側は全面削ると時間がかかるので
[2D]-[輪郭]でタブを付けてくり抜きます。
スプラインで傾斜付けた部分は、
[3D]-[モーフィングスパイラル]で。
初めて使います。
外側の段差の所まで
[2D]-[輪郭]で。
最外周は、[2D]-[輪郭]でタブを付けます。
シミュレーション結果。
エンドミルは2mmに統一したので
全部一緒にGcodeを吐き出します。
エンドミルは、これ使います。
深さ15mmまでは、この2.0mmのが重宝します。
アフィリンクです。

MDF 9mmから掘り出します。
-0.2mmまで切削設定したのですが
タブ以外の所も貫通していませんね~。
このMFD、厚み9.3mmでした~。
掘り出しました。
取付部と並べたところ。
外周は少し大きめに作っていたので
ペーパーで少し削るとピッタリ嵌りました。
ちょっと硬いくらいなので接着はしなくて大丈夫です。
吸込口が細くなったのがわかると思います。
取り付け予想図はこれ。
ホースは「みら太な日々」師匠に教えて頂き
スカルプトで描いております。
スカルプトではグニャグニャ編集できるんですね。
お陰でいい感じに描けました。
エンドミルなしでテストすると
切削屑に5mm程まで近づければ!
ほとんど吸い取ってくれます。
うまくいきそうな予感。
このままでは、吸込口と対象物に距離があり吸わないので
この下に蛇腹の筒をつけたいのです。
この自転車のゴムブーツが欲しいのですが、取るわけにもいかず。
だいぶ探しましたが似たようなものがないのです。
そうだ!折り紙でいこう!
蛇腹状の円筒を
柔らかい薄いプラ板シートで作れないかやってみることにします。
InkScapeで描こうとしたら使い方忘れていて先に進みません(-_-;)
そこでFusion360で図面(平面図用のモデル)を描きます。
Fusion360の方が断然早くなっています。
Google Mapで移動する時、
スクロールのボタンを押してしまうのには困ったもんですが(笑)
まずは、スケッチします。
16角形になります。
角度157.5°と22.5°で辺の長さは、全て同じ。
辺の長さで外形サイズが決まります。
一度、紙切れで3辺2段位を折ってみて
展開図を想像して描きます。
スケッチだけでは図面に出力されないので
互い違いに凹凸させてモデルにします。
これを真上からの投影図でPDF出力します。
印刷して
このA4の半透明クリアファイルに貼り付けます。
厚み0.2mm程の普通のやつです。
ここから先は折り紙の世界です。
フル手作業なのです。
折り紙といえば、この鶴を思い出しました。
10年位前に折ったと思います。
小さい方は、10mm角程の折り紙だったかと。
もう作れないかもしれないので記念に取っています。
ということで、
このサイズならまだ折りきるでしょう。
まず、先が尖った鉄筆みたいなやつで折り目を付けていきます。
たまたま尖り具合が適当でシートを突き抜けることなく
折り目が付け易いのです。
谷折り部が半分くらいできた所。
裏から山折り部も折り目を入れて
折り目は全部できました。
全体に折り目を徐々に曲げていきます。
15分程でこんな感じ。
もう少しです。
できました!
実はこれ2倍サイズです。
本当言うと、Fusion360で直径と半径を間違えたのです。
よく間違えます(-_-;)
途中で気づいてはいたのですがー
しなり具合のテスト用として最後まで作りました。
しなり具合を動画で
結構、柔軟で良さそうな気がします。

では、実サイズに取り掛かります。
Fusion360で図面を1:2でPDF出力し直します。
先ほどと同様、鉄筆モドキで折り目をつけます。
さすがに拡大鏡(老眼鏡とも言う)をつけました。
まだ自前のではないですよ!
小さいので、折り曲げがこれまた大変です。
少~しずつしか曲がりません。
没頭すること1時間弱。
一応計算して作っていますので。
半径と直径を間違えなければ、大きさはバッチリです。
ボンドで本体側に付けます。
いい感じです。
これくらい傾けてもシナってくれます。
しなり具合を動画で。
上下と傾き方向はよく曲がります。
真横からの力には曲がり難いです。

CNC2418にセットします。
「化学プラント工場」ではありませんCNCです。
向こう側は、以前作ったサイクロン集塵機。
その先は普通の小型掃除機に繋がっています。
掘り出すのは、これ。
最初に切削したのと同じもの。
切削開始した途端!
集塵部パイプ入口と固定用ボルトがニアミスです。
すぐに止めて、部材を斜めにして取付し直します。
下方アングルから。
蛇腹の先とエンドミルの先端がほぼ同じです。
たまたま。
では、動画で。

一旦、吸い取り状況の確認のため、途中で止めます。
切削屑は皆無です!
こりゃーいいですね~
掃除機はかなり弱めで回しています。
部材と密着しているのがいいのでしょう。
手前の固定用ボルトがホースに引っかかるので
低いボルトに変え、また最初からです。
エンドミルがすこ~し透けて見えるので
なんとか切削状態も確認できます。
もう少し透明度の高いものが欲しいですね。
深さ9mm付近を切削中。
蛇腹がだいぶ縮んでいます。
後半を切削中。
内側の堀部も切削屑がほとんど残っていません。
動画を2本。
これは、タブを付けている所。
上下運動によく追従してくれています。

最後の方です。
サイクロン集塵機の中で切削屑が回っています。

完璧だ!
と思いきや。
突然、最外周で吸込みが悪くなってきました。
内側は屑が残っていないのですが
外周は屑が溜まっています。
表面しか吸い取られていません。
掃除機のパワーを上げてもだめです。
どうやら中で詰まっているようです。
切削が終わってスピンドルを上げると、
詰まっていますね~
内側は綺麗になっているのに
外周はだめです。
そ~っと取り外して裏返してみると
見事に詰まっています。
屑を取り除いていくと
大きな切り屑が引っかかっています。
吸込口の幅2mmは小さかったです。
ちなみに「化学プラント工場」の全景はこれ
もはやパット見、CNCではない?!
吸込口を大きくせねばなりません!
フルカタ集成材は、スルメのような屑がでるので
その辺も考慮しないといけないです。
ホース径を大きくするしかなさそうです。
ということは、
サイクロン部から作り直しということになります。
う~ん、どうしたもんか?
コンセプトは完璧だと思うのですがー
もうひと頑張りです!
考えるのは楽しいですが
暑くなってきましたね~

2 件のコメント:

昔青年 さんのコメント...

おはようございます。 昔青年です。
マーティーさん、集塵機ほぼ目標クリアーですね。
折り紙応用には、感服しました。
各方面で日本の折り紙の応用が注目をあびているのはニュースで見知っていましたが、こんなに身近で応用されるのをみて、マーティーさんの間口の広さに敬服します。
当方は、当面、洗濯ばさみ方式をパクらせてもらいます。(笑)

マーティーの工房日誌 さんのコメント...

参考にして頂きありがとうございます。
折り紙が脚光をあびているのは知りませんでした。
「身近な応用」なのか疑問の余地はありますが(笑)
まだ改善しなければならず奮闘してまいります。