2019年3月17日日曜日

小型工作機CNC2418 その72(A4988のDecayモード)

前回のA4988/TB6560の電流波形比較の途中で、
A4988のDecay調整抵抗に2種類あるのを見つけていました。

これは、今使っているX軸のもの
R4:0Ω
CNC2418についていたオリジナル(DZT's Store)
R4:15KΩ
色々勉強させられた予備ボードのもの(IROUTER Store)

A4988チップの本家AllegroのDatasheet(PDF)、ここ右のリンクによると、

これは、Fixed Off-Timeが異なるということです。
Rosc端子を[Vcc][GND][GND間に抵抗]の3つのモードがあります。
Vccにするのが、Fast Decayなしのようです?
・R4=0Ω  :tOFF 30μsec
・R4=15KΩ:tOFF 18μsec(R4 ÷ 825)
全部 automatic decayと書いてあるような気もするのだが???


一応、比較写真を載せておきます。
ノイズが少ない方が判り易いかもと、CT電流センサで観測しました。
まずは、
F500
電流ゼロを横切る所を拡大
何となくR4=15KΩの方がいいような感じがします。
ちゃんとしたオシロで横軸も拡大しないと何とも...
F100
CT電流センサなのでレベルは下がりますが、違いは見当たりません。
これも電流ゼロを横切る所を拡大
こちらは、差はないようです。
F50
CT電流センサなので更にレベルは下がりますが、違いはないようです?
レンジを上げておけばよかったのですが...
電流ゼロを横切る所を拡大
ゼロ付近で差が出るらしいですが、これも差はないのかな~?
今度は、速い方
F1000
下の山部が違っているような?
偶然かもですが、左の方が、暴れています。
F2000
歪み方は、同じようです。
1波長分に拡大。
こちらは、右の方が少しだけ暴れているようです。
やっぱし、まともなオシロで見ないといけなさそう。
ということで
マーティーの動作環境では、というか簡易オシロでの確認では、
A4988のR4の違いは、ないと見ていいようです。
VREF≒0.72Vなので、Peak 0.9Aの設定です。
この電流より低いか高いと様相が変わるのかもしれません。

この先は、TB6560を入手する前にDecayを調べてた際の忘備録です。
TB6560から更に乗り換えるという意味ではありません(-_-;)

ここのTI社のDRV8846の解説では、
上:低速減速モードと高速減速モードの比率を自動的に調整できる
 「適応型電流減衰(Adaptive Decay)モード」
下:同DRV8846でMix Decay モード(高速減速と低速減速とも 50%)
A4988のF1000やF2000の波形に似ています。


ちなみにAliExpressには、DRV8846を探してみると
チップだけありました(-_-;)
US$ 25/5個 だそうです。

TI社のステッピングモータードライバは、更に進化しているようで、

FUJI ELECTRONICS TECHNOROGY LABのサイトに
Decayの詳しい説明とTI社の最新チップの解説が日本語であります。
この第1部には、Decayの解説が。
やっぱし、高級オシロの波形は、見事です。

この第2部は、TI社の「AutoTune」についてで、
上記の「Adaptive Decay」より進化しているようです。
AutoTuneの2種類のモード
「Dynamic Decay」と「Ripple Control Decay」の解説や波形、
DRV8846、DRV8880、DRV8881E、DRV8886ATの比較表があります。

ちなみに、DRV8880のボードは、Pololuのここに売ってます。
860円/個
面白そうだけど、TB6560の倍の価格じゃ、
ちょっと遊んでみるという訳にはいきませんね~

AliExpressにも、DRV8880チップだけありました。
これなら半田付けはできそうですが...
US$ 32/10個

TI社のサイトでは、
この「How AutoTune regulates current in stepper motors」PDF
こちらの「Stepper motors made easy with AutoTune」PDF
がAutoTuneの元ネタのようです。

こっちには、A4988、DRV8825、TB6560の
加負荷時のトルク比較をされています。

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