液晶テレビ(東芝製)に録画用外付けハードディスクを付けています。
テレビと連動して録画・再生時に自動的に電源が入り、中のハードディスクがキュイーンと回り始めるのですが、電源ランプが突かず静かなままです。
予備の電源アダプターを探して取り替えると動き出したので電源アダプターが犯人です。
これです。出力:12V2A。
古いモデルなので、結構でかいです。メガネケースより一回り小さいくらい。
早速、分解してみます。
ケースはネジ1つなく完全に固められているので、これで外装を切ります。
(株)高儀の「EARTH MAN R-5」というミニリューターですが、もう売っていないようですね。
AC100V直結でこのサイズは使い易いです。
先端にはこれ付けます。
でも力は弱く、力を入れ過ぎるとすぐに回転が止まるのでちょっとずつ切っていきます。
中の部品に傷つけないように慎重に切るには丁度いいのです。
開きました。
裏側を見ると、ハンダクラックも熱で焦げた様子もありません。
基板は変色していないので熱的には余裕のある設計のものだと思われます。
何か部品が死んでいるのでしょう。
ヒューズがありますが切れていません。
ということは、電力系の半導体は生きている可能性高いです。
おっ!二次側の電解コンデンサの頭が膨らんでいます。
特に一番右側、防爆弁が開いた感じです。きっとこれだっ!!
この電解コンデンサだけの交換で治りそうな気がします。
拡大してみると微妙に開いた感じ、たぶん中の電解液はカラカラでしょう。
左側に「LOW ESR」の文字が見えます。ちゃんと低インピーダンス品が使われています。
ここはリップル電流が高いので最も寿命が短くなる部品のひとつです。
Suncapというメーカー?中華製?16V1000μF。リップル電流定格はわかりません。
外径は同じですが高さが16mm ⇒ 20mmとなりギリギリです。大丈夫のようです。
日本製だし、容積がでかい分、許容リップル電流性能は、元のよりいいはずです。
これですね。
確か、秋月電子かマルツで買ったと思います。
ニチコンです。16Vの1000μFの所。
定格リップル電流が1820mArms 105℃ 100KHzとあるので、
元のより確実に性能はいいはずです。
さて、逝った電解コンデンサを取り去らねばなりません。
このサンハヤト製の「はんだ シュッ太郎」を使います。
これは30Wヒーターです。いつの間にか45W品の上位版もでています。
ハンダゴテの中に穴が開いていて後ろのバネ式ポンプ(水鉄砲の逆)で一気に吸い取ります。
先っぽには、Φ1.5mmの穴が開いています。
手動のバネ式なので一回吸い取る毎にバネを縮めなければなりませんが、威力は電動の自動式吸取機に劣りません。
このように後ろの吸い取り部を取り出して中を掃除します。
右横の輪っかが付いた針金が掃除棒です。
取り出した電解コンデンサをLCRメーター(秋月電子のこれ)で検査します。
買った時は、4700円だったような気がします。今は6800円に値上げされていますね。
別売りのプローブも買っています。
価格の割に機能が豊富でコンデンサの測定周波数も
100Hz、120Hz、1KHz、10KHzと変えられます。
パラレルモード、シリアルモードなどもあります。
取り出した元の電解コンデンサは、回路上、並列になっていました。
何と2つとも 40μF程度に、tanδ(損失正接):1以上ありました。
定格は1000μFなのに!
結構な定格オーバーで使っていたのではないかと思われます。
tanδ(損失正接)は、正常であれば、120Hzで0.02~0.03とかになります。LOW ESR品でなくても0.1はまず超えない、0.05~0.06レベルです。
それが1以上!完全に逝ってます。
左側の220μF/16V Suncap LOW ESRも手持ちがあったので念の為、交換します。
こちらは、まだ劣化してない状態でした。
無事、12V出力が出たので蓋をしてテープで留めます。
裏側の銘板です。
「株式会社センチュリー」とあります。Made in Chinaですが、設計は日本なのかも。
結局、修理に電解コンデンサ3つで300円位だったでしょうか。
AliExpressを見てみると、同形状の12V2AだとUS$7位、小型のものだとUS$5程。
果たしてこの修理は得だったのか?
日本製の電解コンデンサに変えた分、寿命は格段に長くなったと思うことにしましょう。
また当分頑張ってくれると思います。
家の中には他にも似たような電源アダプターがあるのでちょっと心配になってきました。
2 件のコメント:
ACアダプター修理見事ですが、何年くらいでダメになりましたか?
見て頂きありがとうございます。
液晶テレビは、2010年6月発売の製品です。
たぶん2011年初旬に買ったと思います。
その時、すぐに一般のUSB-HDDケースとHDD単体を買いましたので、
6年程も経っていたんですね。今、計算して驚いています。
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