2018年12月8日土曜日

小型工作機CNC2418 その65(赤外線レーザーダイオードとの格闘:前編)

この時にレーザーモジュールを分解してから、気になって仕方がなかったのです。
これは、その後の約6ヶ月に渡る
赤外線ダイオードレーザーとのとても長~い格闘の記録であります(-_-;)

まずは、その後、色々物色していると、ここにこんな写真が!
上の7A75が3.5W、下の7875が1.6W
やっぱしパワーがでかいと、こんなに横長になっちゃうのかな~
出所:www.civillasers.com
で日亜化学のDatasheetを見てみると
Beam Divergenceは、Typicalは、同じ位だけど
Minでは、パワーが小さい方のNDB7875がだいぶいいようです。
NDB7A75のPDF Datasheetは、

NDB7875のPDF Datasheetは、

結局、5W品でカットできた例が見つからないので、
やはり、パワーが小さい物の方がいいみたいだな~
2W位のデバイスだけ買って交換しようか、という気になってきたのです。

更に物色していると
赤外線レーザーダイオードが安くなってきているようです。
以前の分解で構造がわかったので、デバイスとハウジングを別々に買って
自分で組み立てれば結構安くできそうな気がしてきたのです^^;

まずは、ケースとC-Mountハウジングだけ買ってみようかな。
時は、2018年7月11日、ここが安いので遂にポチッと!   US$ 14.73


ここに同じものがあり
「Lens glass collimating/Focusing lens for 808-1064nm」とあります。
ここによると中のハウジングの構造がわかります。
出所:AliExpress
そこの左の写真にC-Mountタイプのレーザーダイオードを装着する
マウントの写真があったのです。
出所:AliExpress
ここは、500mW、1W、2W、3W、5Wの赤外線レーザーダイオードが並んでいて
出所:AliExpress
これの場合は、LDマウントは、3つのパーツに分かれているようで
出所:AliExpress
C-MountのLDは、この様に取り付けてあります。
本体がGNDだな、と、この時点では思いこんでいます(-_-;)
左の穴からリード線を出して、LDの電極をハンダ付けするのです。
これで簡単に組み立てできそうなことがわかりました。
出所:AliExpress
で、7月13日、ここで、3Wの赤外線レーザーをポチりました!
US$ 30.88(-5%OFF)
ここは、「Laserland Laser Tool Store」「Laserlands Store」と
同じ店で2つの店名を持っていて、どちらかが値引きしているようです。

肉眼で見える波長は、一般に380~780nmのようです。
上のは、808nmなので、肉眼で見えずとも、せめてデジカメで見えないと
フォーカスを合わせるのが大変なので
手持ちの秋月電子の赤外線LED:OSIR5113Aの波長:940nm で
デジカメで見えることを確認してみます。
ついでに今持っている赤と緑のゴーグルでも見ています。
デジカメで940nmが写ったので、808~810nmは、みれるハズです。
 Red 2.2V @75mA品を5V駆動で10mA(シリーズ抵抗:270Ω)
 IR 1.25V@20mA品を5V駆動で10mA(シリーズ抵抗:390Ω)
ん~ん、緑ゴーグルも赤ゴーグルも、ほぼ減衰効果なさそうですね~
こればかりは、取り敢えず、赤+緑ゴーグルってわけにはいきませんので
CO2レーザー用の10.6μmでOD+7の良さげで安いのを見つけてポチっておきます。
US$ 19.85(44%OFF)ちと高いな~
(実は、CO2専用で上のIR-LEDが見えたので、別のを追加購入する羽目に)

この表によると、OD+7では、透過率0.0001%以下とあります。














レンズは、808/810ようだが950nm近くでも使えるのだろうか?
CO2レーザー用のは焦点距離合わないのでは?

先にポチったハウジングに付属のレンズは、これと同じようです。
「780nm,808nm,980nm infrared laser collimation lens with frame」だ!
更に同じ型のこのハウジングケースのレンズは
「Lens glass collimating/Focusing lens for 808-1064nm」って書いてあるので
どうやら大丈夫そうです。
所で、3W品を注文した後に
「W/FAC」ってのが、ちょっと気になって調べてみると、ここ
FAC:Fast Axis Colimators
「コリメータレンズをダイオードチップの前に配置」したものだとのこと。
18Wもあるのに、この前分解したBlue LDと似たパッケージですね~
特徴に「Fast axis collimation 10 & 5mrad options」ともあります。
180° = π(パイ) radなので
5 mrad = 0.28°、10 mrad = 0.57°
ひょっとしてシリンドリカルレンズなのだろうか?
発注したのもこれだけ狭い立体角でビームが出るとありがたいのですが、
これ以上調べると泥沼になりそうなので...
。。。7月22日、まず、ハウジングが届きました!
「Laser Land」の名刺が入っています。箱が大きめで頑丈な梱包です。
中身は、これです。
レンズ側。
 後ろのファン側から
一旦、バラします。
真鍮のレーザーダイオード・マウント
この面にレーザーダイオードを取り付けるようになっています。
マウント全体がGNDになる構造です。
その後ろ側。
ん?白線がある方が「+」なのか?普通そうゆう使い方しないと思うのだが???
後でわかりますが、白線がある方は「-」、本体が「+」でした。
つまりマウント全体が「+」になるのです。
初めて使うC-Mountのレーザーダイオード、危うく一発で壊すところでした^^;
19mmレンズ正面。大きいです。
 レンズ後面。レーザーダイオード側です。
レーザーが付くマウントは、このハウジングの途中の段差までしか入らず
奥まで入らない構造になっています。
レンズ付けて、別アングルから
レーザーダイオードからレンズまで距離が長いけど大丈夫かな?
7月27日、続いて、赤外線レーザーダイオードが到着!
やけに箱が大きいです。上のと同じ箱です。
緩衝材がぎっしり
かなり慎重に梱包されています。
右から2番目のは、A4の取扱注意説明書。
帯電防止リストストラップが付属していました。ラッキー!
この店の信頼性への気配りが伺えます。
これにも「Laser Land」の名刺が入っていました。
どうも有名なデバイスメーカーのようでSONY、Sharpにも提供しているようです。
右端のプチプチで包んであるものを開けると
更に巻いてあります。
それを開けるとケースが出てきました。
中に帯電防止袋に入ったレーザーダイオードが見えます。
静電気に大変弱いので、今は、ここまでの開封です。
実は、この時、3Dプリンタ(Geeetech I3 Pro B)の組立真最中なので
レーザーダイオードのテストどころではないのです(-_-;)
拡大! C-Mountのレーザーダイオードです。
取扱注意説明書のA4紙は、これです。


このLaseland公式サイトでも販売しているんですね~
送料?ですが、3W品:US$ 22.3 こっちが安かったな~

スペックは、どうしても探せません。
AliExpressのサイトにもModel No. N/Aとなっています。

Laserlandのここの下の方の2016.09のリストをみるとたぶんこれです。
Brand:Besram、 Model No.なし
Besramのサイトには、Datasheetはないですね~
色々探すとeBayのここにありました!
LaserlandのeBay店のような気もします。
そこには、この図が!
リードの方がカソード「-」、本体がアノード「+」
やっぱり、前の白線の方が「-」なのだ。と、ここで確信を得るのであります^^;
マウント本体が「+」になるんです。ちょっと怖いな~
と、このPDFが、見つかりました。
Type値があるので、こちらを使うことにします。
PDFのSpecificationsでは、
Operating Current Type:3.2A です!
今の5.5W Blue Laser Driverは、PWM Duty 100%で2.5A
定電流ドライバのハズなので、このレーザーダイオードでも2.5Aになるとして
Blue Laser用の調整のままでは、このIR Laserは、2.5W位になる計算です。
Vf:2.0Vなので、入力パワーは、3.2A x 2.0V = 6.4W
Ith:0.5Aですね~
この先、3Dプリンタに熱中・・・・・
・・・・・かなり時は流れて、9月1日!
3Dプリンタも一息ついてきたので、次の作業に取り掛かります。
ファン端子は、3pinなので
ちょっと前に買ってたMIX BOX
たっぷり入って US$ 2.54(-11%)!

先の細いマイナスドライバーで3pinを外して、2pinに交換します。
ケースからのリード線に、このDCジャックを付けることにします。
これで、プラグを挿さない時に、+ーをショートさせておけるので
レーザーダイオードを保護できます。
もう一方は、コネクタとプラグ
間違えないように、ピンクマジックです。
ファン用は、緑マジックで塗っておきます。
レーザーダイオードのハウジング側にプラグを挿さない状態では、
両側は、ショートしていることを確認します。
さあ、いよいよ、レーザーダイオードの取付です。
作業中にオープンにならないよう気を配らないといけません。
チップ上に保護素子が入ってるのもあるようですが、入ってないようです。
パーツにアースバンドが付属しているなんて初めてだし、
非常にデリケートであることが伺えます。
そうだ!アルミ箔の上でやることにしよう! 
拡大!
6mm角ほどです。
このCPU用ヒートシンク・コンパウンドを使います。
銅と銀入りです。
爪楊枝で塗ったけど、少し多かったかな?
ハウジングのセンターにレーザー発射中心を合わせて
M2ネジで留めます。
ハンダ付けしました。
ふ~っ!!
横から
マイクロスコープで拡大してみます。
初めてみます。
すごいというか、目の前にこれがあるのかと思うと不思議な感覚になります。
センターもほぼ合ってるんじゃないでしょうか!
この写真の視界の横幅は、6mm弱です。
「W/FAC」で「コリメータレンズをダイオードチップの前に配置」したもの
とのことですが、レンズらしきものはわからないですね~
何か付いていそうにも見えますが
これで3W品なのです。
左側を数えると13本、一本切れてるっぽいので12本として
If:3.2Aとして、0.27A/本!
ん~ん、線径はわかりませんが、そんなもんなのかな?
下に少し見えているのがM2ネジの頭です。
ちなみに、この前分解したブルーレーザーの方は、この写真です。
銀色のマウントの外形は、18mmです。
5.6mmのLDで、上の写真より倍率低いですが、ちと太いのが1本だけ!
このリードに2.5A程も流していたことを考えると怖い気もしますね~
期待に胸を膨らませて、元通り組み込みます。
心配なのは、レンズとレーザーダイオードの距離が長いことかな?
まあ、マウントへの取付では、死んでいないと思うのですが...
念の為、テスターのダイオードVF測定モードで極性とVFを調べておきます。
1.326V! 生きてます!
LEDと同じ様に、Vopは、青色 ⇒ 緑色 ⇒ 赤色 ⇒ 赤外線 の順に低くなります。
この時やったように
シリコンダイオードのダミー負荷で今のドライバの動作確認した方がいいかな。
レーザードライブボードは、CNC2418に付属のものを使います。
定電流ドライブのハズですが、Blue Laser用に調整された
ドライブボードにIR Laser直結では、ちと怖いのでちょっと確認します。
シリコンダイオードを1個直列に入れて電流を測ってみます。
ブルーレーザーのTTL制御の検討をした時に使った富士電機のERD08M-15
1500V 5A TO3パッケージの約30年前のです。
1個当り2Wにもなるのでこれ位のパッケージにしています。
ダミーのシリコンダイオード1個をシリーズに噛ませ、電流計を入れて
(この写真は、CO2レーザー専用のゴーグル越しだったと思う)
Candle(GRBL Control)でPWM Dutyを可変します。
ここの数値は、GCodeのS値なので、これの1/10がDutyです。
Full Scale 5AのDC電流計
 20%:0.3A弱
 50%:0.55A
 70%:1.25A
 80%:1.6A
 90%:1.75A
 100%:1.8A
になりました。
ずっと後になってグラフにしたら、こんなにイビツでした。
特に50%が変です。測定ミスってたかな?(-_-;)
Io:3.2Aで3Wのレーザーダイオードのようなので
Duty 100%で約1.7Wということになります。
Duty 50%、1.7Wの半分として0.85W
フォーカスは全然合っていませんが、かなり円に近いです!
これは期待できそうです(^o^)
デジカメでそのまま写すと上のように白っぽいです。
緑ゴーグルをカメラの前にかざすと、ちょっと赤っぽくなります。
先に買ってたCO2レーザー用ゴーグルをデジカメの前に置くと赤で写ります。
808nmがカットされてるのかよくわかりません。
Duty 5%では、肉眼で、けっこう赤く見えます。
テストは、Duty 5%でやっています。
レーザーダイオードの仕様は、3.2Aで3Wです。
Duty 100%で1.8A流れていたので1.7W
Duty 5%で85mWという計算になります。
Duty 20%でフォーカスを合わせてみますが、入れても出しても太いのです。
ん~ん、殆ど変わりませんね~
これは、レンズ無しの状態。
やっぱし、レーザーダイオードとレンズの距離が長過ぎるようです。
下のBlueレーザーのハウジングが利用できないかな~
でも、Blueレーザーのハウジングの内径は、18mm
こっちは、20.5mm
使えません(´-﹏-`;)
そこで、黒いアルミシートがあったので
グルっと巻いて、鏡筒代わりにしてみます。
ここから先は、レーザー光がどこに反射してくるかわからないので
後からポチったこのゴーグルを使います。
最初のCO2用ゴーグルでは、808nmの赤外線をあまりカットできないようで、
高価ですが確実なゴーグルにしたのです。
US$ 37.39(15% OFF)
このプロジェクトで最も高い買い物になったのであります(-_-;)
YAG Laser用のようですが、
・Optical Density 1:740-1100nm O.D 5+
・Optical Density 2:780 - 1070nm O.D 7+
と、808nmでOD 7+なので、なかなか良さそうです。

9月5日、確実なゴーグルが届きました。
これは、デジカメの裸眼
そのゴーグルを掛けると、上のレーザー光は全く見えなくなります。
アルミシートの鏡筒で実験開始です。
スポットが全く見えないのでは、何をしているのかわからないので
手前にもう一台デジカメを設置して、モニター代わりにします。
レーザーマウントだけ、つまりレーザーダイオードだけでグッと近づけると
レンズ付けたのより少しスポット径が小さいのです。
これが、with FAC(Fast Axis Colimators)の働きによるもの?
或いは、C-Mountだとこんなになるのだろうか?
更に近づけるとちょっと小さくなります。
グッと遠ざけるとこんな具合です。
撮影のデジカメは、露出をだいぶ絞っています。
Blue Laser用の短い焦点コリメータレンズを手前につけてみます。
簡易的に木の棒で高さを合わせて、
おっ!スポットが小さくなりました。
危ない実験の全景。
どうやら、今まで検討してきたハウジングとレンズは、
レンズの焦点距離が長く、別の用途のもののようです。
たぶん、舞台でのレーザー照明用でスポットが大きいのだと思われます。

これは、短焦点レンズにしないといけないですね~
で、色々探して、このハウジングをポチることにします。US$ 22.9
「808nm laser diode housing 5.6mm laser diode mount
 with coated glass lens and adjustable」
出所:AliExpress
サイトに分解写真がありました。
これは、5.6mm 808nm Laser用ですが、
内径18mmで、今のが20.5mmなので合いません。
しかし、808nm赤外線用の短焦点レンズが付くハウジングはこれしか見つからず。
出所:AliExpress
C-Mountではなく、この様な、5.6mmのTO-18パッケージ用なのです。
ハウジングが内径18mmなので、それのC-Mount用マウントを探します。
今あるのは、20.5mmなのです。
ハウジングと同じ店にこれがありました。最初に見つけてたやつです。
「High power 808nm laser diode C-Mount metal housing」
直径18mmで使えそうです。
ポチります! US$ 9.9
レーザーダイオードは、この様に取り付けます。
まだ、できたばかりの店です。
今日は、9月6日、他にいいものないかな~と、またサイトを見ていると
両方共、送料が、US$ 26.32になっているのです!
US$ 9.9の方は、英語表記と日本語訳表記で送料が異なっていました
が、すぐに両方共、US$ 26.32に戻りました。
何かいじっている最中のようです。
ギリギリラッキーでした。
が、ちゃんと送ってくるのだろうか?

9月8日、心配になってまた見ると
「申し訳ありませんが、この商品は入手不可能です。」
だんだん不安になってきました。これがないことには始まらないのですが(T_T)
どうもこのセラーおかしいです。
送料がコロコロ変わるし、売り切れになるし、
9月10日、何と!店名が変わっています。URLは同じなのです。
期限までに到着しなければ、返金はされるのですが、
このハウジングとこのレーザーダイオードマウントは、この店にしかないんです。
どこかに売ってないかな~

9月12日、おっ!6日目にして送り状ナンバーが有効になりました。
が、まだどうなるかわかりません。
待つしかないのです。。。。。

9月21日、到着しました~\(^o^)/
これらです。
ちなみに、今(12月)は、送料無料に戻って落ち着いているようで
怪しい店では、なかったようです。
C-Mount レーザーダイオードのマウント
パーツは、揃ったけど、思いの外、レーザーダイオードのマウントが小さいです。
レーザー3W時には、入力電力:6.4Wなので放熱できそうにない感じ。
レーザーダイオードをわざわざこれに付け換える気が起こりません。

実は、M9/P0.5鏡筒の赤外線用レンズも発注していました。
US$ 7.51(5% OFF)

9月22日、その赤外線用の短焦点レンズが届きました。
が、向きがわかりません。
購入したセラーにレンズの向きを尋ねると
①が対物側、②がレーザー側
と返事が来ました。
レンズは、ここの図のような構造ではないかと思われます。
これ見ると逆のような気もします。レンズ構成は、これではないのでしょう。
「400-700nm G2 Focal Lens Collimation Lens
 Coated Glass Lens f RGB Laser M9/P0.5 Frame」
そのレンズを鏡筒(赤丸部)につけて
このハウジングの先に装着してみるも、外観はそれっぽくなっても
レーザーダイオードとの距離が長いのでダメです(´-﹏-`;)
レーザーマウントが、この段差より奥に入らないからです。
ここまで来たら、かなり大変な加工になると思うけど、
レーザーがレンズに近づくようハウジングの穴を広げてやろうじゃないですか!

10月3日、とりあえず、これをポチります。
深く掘り下げる為、軸を延長できるように中央に穴付きを選びました。
20mm US$ 5.64/2個
21mm US$ 5.92/2個

うまく行けば、これになるハズ、という目論見であります^^;
ほぼUS$ 140 か~
既に色々買っておりますが、合計は計算しない方がいいでしょう(-_-;)
下の方に行くと、この写真が
燃えているようには見えないのだが...
・Output dot diameter <0.5mm(The smallest Focus)
・this laser is mainly used for burning, not as torch.
・Depth about 0.05 ~ 1 mm, according to the material.
なんてことは書いてあります。
まだまだ、続きます。
前編は、この辺で^^;

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